減衰振動
外力を取り除くと、時間とともに振動振幅が減少する振動のこと。コイルばねに質量を吊るした系で、質量への外力を除いたあとは自由振動を続けるが、この系を粘い液体中に置くと振動は速く減少する。これは質量、ばね系に粘性減哀が加わり、減衰振動をするためである。質量は運動エネルギーをもち、ばねは位置のエネルギーをもっている。これらの和は一定でエネルギーは保存され、この2つの要素だけでは振動はいつまでも続く。粘性減衰は速度に比例して運動エネルギーを熱エネルギーに変換し消費するので、減衰要素を付加すると振動は減少する。自動車のショックアブソーバーは、ばね上質量と懸架ばねで構成される系の減衰要素の役割を果たしている。
減衰振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 15:21 UTC 版)
減衰振動(げんすいしんどう、damped oscillation[1]、damped vibration[2])とは、振幅が時間とともに徐々に小さくなるような振動現象である。単振動などは永久に動き続ける運動であるが、実際にそのような実験を行うと、空気抵抗や摩擦力などの抵抗力を受け、いずれは停止してしまう。そのような運動を減衰振動と呼ぶ。
運動方程式
減衰振動のもっとも単純なモデルは、壁と質点をばねでつないだ調和振動子モデルに、速度に比例する抵抗力を発生する減衰要素を加えたものである。時間をt、質点の質量をm、ダンパの減衰係数をc、ばね定数をk、質点の位置をx (t) (垂直方向のみ動けるとする)とすると、このモデルの運動方程式は次の線形微分方程式となる:
この運動の解は減衰比ζの大きさによって4つに分類される。
不減衰振動
ζ = 0のとき[6]