電気雷管
ヒューズ線を用いて起爆薬を発火させる雷管。通電と同時に爆発する瞬発電気雷管と、電気装置と装薬との間に各種の延時装置を挿入した、MS(ミリセコンド),DS(デシセコンド)などの段発雷管がある。
(MS:2段、25ms、 DS:2段、0.25S)電気雷管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/15 01:43 UTC 版)
電気雷管(electric detonator)は、絶縁性樹脂で密封した管内に電気的刺激に敏感な起爆薬を装填した構造を持つ。 絶縁型電気雷管 起爆電橋線の発熱で起爆薬中を点火する。静電気による発火事故が起きやすい。 放電型電気雷管(耐静電気雷管) 絶縁・放電複合型で、静電気電流では発火にくい点火玉に通電して発火させ、間接的に起爆薬に点火する。 静電気に比較的強いが、雷や強電流由来の誘導電流、漏洩電流には警戒が必要。 瞬発電気雷管 通電するとほぼ同時に、無遅延で起爆する。 段発電気雷管 点火部と起爆薬の間に延時薬を挟んであり、通電から一定時間遅延して起爆する。 JISでは0.25~2.3秒のDS(デシセカンド)と25~300ミリ秒のMS(ミリセカンド)が2~10段ずつ定められている。 複数点を発破する際、タイミングを調節する目的で複数段数を組み合わせて用いられる。 電子式遅延雷管 電気雷管に併せて、コンデンサと電子タイマを密封した構造で、精密な発破が可能。 地震探鉱用電気雷管 爆発によって人工地震を起す場合に使用される。地震の発生から伝達までの時間を正確に測定するためには起爆時間を電気的に正確に把握する必要がある。そのため、通電から起爆までの時間が0.1ミリ秒以下になるように作られている。 耐熱電気雷管 高温の場所でも使用できる。150度で3時間以上の耐熱性能を有する。 起爆電橋線型雷管 マンハッタン計画の一部として、1940年代に爆縮レンズ用の雷管として開発された。 従来の電気雷管が通電から起爆まで200 - 300ミリ秒を要したのに対して、2 - 3ミリ秒で起爆する。 長さ1mm、直径0.04mmの極細ワイヤーを使い、通電時にワイヤー自身が高熱により蒸発して生じる衝撃波で起爆させる。 スラッパー起爆式雷管 スラッパー起爆装置は起爆電橋線型雷管の発展型である。 起爆電橋線型雷管での金属ワイヤーの爆発的な蒸発による衝撃波に代えて、金属箔の爆発で発生するプラズマで「スラッパー」と呼ぶもう一つの細い金属箔を運動させることで得る衝撃波で起爆する。 入力電力からスラッパーの運動エネルギーへの変換効率は20 - 40%と良好で、起爆に使用する電源の小型化を可能とした。
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