しんくう‐かん〔‐クワン〕【真空管】
真空管
【英】Vacuum Tube, Electronic Tube
真空管とは、電流の制御や増幅を行うことができる電子管(電子バルブ)のことである。
真空管は、限りなく真空状態に近いガラス管の中にフィラメントと電極を収めた構造をしている。フィラメントに電流を流すと熱電子が発生し、電極に向かって移動する。この作用を利用して整流や電流の増幅・制御を行うことができる。
真空管は電極の本数などによりいくつかの種類がある。電極が2極のものは今日のダイオード(半導体ダイオード)と同様の整流作用を持っており、3極のものはトランジスタと同様に電流の増幅を行うことができる。
真空管は20世紀初頭前後に実用化され、電子素子として広く使用された。テレビのブラウン管も一種の真空管であると言うことができる。後に半導体を使用したダイオードやトランジスタが登場すると、真空管からの置き換えが容易なこともあって急速に移行が進み、20世紀後半には特殊用途を除いて真空管がほとんど用いられなくなった。現在では、一部のオーディオアンプなどに真空管が好んで用いられている。
参照リンク
真空管サウンドテクノロジー - (AOpen Japan)
真空管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 12:44 UTC 版)
真空管(しんくうかん、米: vacuum tube、英: radio valve)とは、内部を高度な真空とし、電極を封入した中空の管(管球)のことである[1]。陰極から陽極に流れる電子流を制御することによって増幅、検波、整流、発振などを行うことができる[2]。
注釈
- ^ 英: electron tube
- ^ 英: thermionic valve
- ^ 「電子管」は熱電子を利用しないものなど、より広い範囲の素子を指して使われることもある。
- ^ 英: diode
- ^ 英: triode
- ^ 英: tetrode
- ^ 英: pentode
- ^ 英: rectifier
- ^ どちらも直熱型三極管
- ^ 後のUZ-2A5。
- ^ 英: Nuvistor
- ^ GTは「glass tube」の略とされる。
- ^ 油脂等の汚れがフィラメントからの熱を吸収し、その部分の温度を上げることでガラスを歪ませるため。製造管理の行き届いた現代の白熱電球においてもハロゲンランプなど、大きさの割には消費電力の大きい電球は、同じく油脂汚れ厳禁である[23]。日本放送協会編 ラジオ技術教科書(1946〜1947年)、電気学会編 電気材料(1960年)にも記述がある。
- ^ 高周波での増幅特性で半導体素子を凌駕する事は現在でも珍しくはない。事実、高信頼性と低消費電力が要求される放送衛星や通信衛星等の人工衛星では現在でも送信用に真空管の一種である進行波管が使用される
出典
- ^ 広辞苑第六版【真空管】定義文
- ^ 広辞苑第六版【真空管】定義文の後の叙述文
- ^ 平凡社『世界大百科事典』vol.14, p.261【真空管】
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- ^ 用例: “論文検索 "球スーパー"”. 日本の論文をさがす. 国立情報学研究所 (NII). 2021年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月22日閲覧。
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- ^ "石". 精選版 日本国語大辞典(小学館). コトバンクより2021年5月22日閲覧。: 「せき【石】(2)〘接尾〙(2)」
- ^ http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/456410.html デブリ撮影に浜ホト貢献 真空管カメラ、福島原発投入へ 静岡新聞 2018年3月15日閲覧
- ^ https://gigazine.net/news/20140626-nasa-vacuum-transistor/ 半導体に取って代わられた真空管に復権の兆し、超高速のモバイル通信&CPU実現の切り札となり得るわけとは? GIGAZINE 2018年5月18日閲覧
- ^ Bijl著「The Thermionic Vacuum Tubes and It's Applications」、1920年
- ^ タイン著「Saga of Vacuum Tube」、1977年
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- ^ RCA, (1954). 6L6, 6L6-G Beam Power Tube. Harrison, NJ: Tube Division, RCA. pp. 1,2,6
- ^ エレクトロニクス術語解説 1983, p. 256.
- ^ “自動車用電球ハンドブック 第6版” (PDF). 日本照明工業会. p. 26. 2022年9月24日閲覧。
真空管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 07:55 UTC 版)
2極管約500本、3極管など約1200本の計約1700本。ENIACの17468本の1割しか使っていない、といった比較をする向きもあるが、これはENIACの設計が「力業的」であるためで技術的な吟味を欠いた不適切な比較である。とはいえ、同様に水銀遅延管を使っているなどいくつかの類似点があるEDSACが直列式で約3000本であることから、並列式でこの数はそれなりに節約されたものと言える。これは当時の真空管が非常にフィラメントが切れやすく、大量に使うほど保守の手間がかかるため極力使用を減らしたものである。それでも毎日2-3本は交換していたという。真空管に対してはこの他に、作動電圧を極力下げる、接点をハンダ付けするという方法で安定をはかっていた。日本ではその後すぐ国産の素子であるパラメトロンや、トランジスタを使ったコンピュータが登場したため、FUJICは真空管式による数少ない国産コンピュータとなった。FUJIC以外に完成を見た真空管式コンピュータとしては、東京大学と東芝の共同開発で1959年完成したTACしかない。
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真空管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 05:54 UTC 版)
20世紀初頭にはまだ負性抵抗の物理的原因は理解されていなかったが、工学者はそれを使えば発振を起こせることは知っており、応用を行い始めた。ハインリッヒ・バルクハウゼンは1907年に発振器が負性抵抗を持たなければならないことを示した。エルンスト・ルーマー(英語版)とアドルフ・ピーパーは水銀灯が発振を起こせることを発見し、1912年にはAT&Tがこれを利用して電話線用の増幅中継器を製造した。 1918年、ゼネラル・エレクトリックのアルバート・ハルは真空管が二次電子放出(英語版)と呼ばれる現象により動作範囲の一部で負性抵抗を持ちうることを発見した。真空管中のプレート電極(英語版)は正バイアスによって電子を引き寄せるが、電位が高すぎると加速された電子がプレート表面から別の電子をたたき出すことがある。これにより、条件によってはプレート電圧を増加させると実質的にプレート電流が減少する。ハルは真空管にLC回路を接続することでダイナトロン(英語版)という一種の発振器を作成した。その後もジョン・スコット=タガート(英語版)による1919年のバイオトロン やハルによる1920年のマグネトロンのように負性抵抗を利用した真空管発振器の発明が続いた。 負性インピーダンス変換機はマリウス・ラトゥールが1920年ごろに行った研究に端を発する。ラトゥールは負性静電容量と負性インダクタンスを最初に報告した一人でもある。その10年後、ベル研究所でジョージ・クリソンらによって負性インピーダンス変換器が電話線中継器として開発され、大陸横断通話実現の道を開いた。1953年にリンヴィルがいち早くトランジスタを導入したことで負性インピーダンス変換器への関心は高まり、新しい回路やアプリケーションが次々と開発されていった。
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真空管(熱電子管)
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「バイアス (電子工学)」の記事における「真空管(熱電子管)」の解説
ゼロ入力信号(定常状態)の動作条件を確立するため、真空管のカソードを基準としてコントロール・グリッドに供給されるDC電圧をグリッド電圧という。 一般的なA級電圧アンプや、オーディオパワーアンプのA級およびAB1級の電力増幅段では、カソードに対して負のDCバイアス電圧がグリッドに与えられる。瞬間的なグリッド電圧(DCバイアスとAC入力信号の和)は、グリッド電流が流れ始める値や、カットオフが起きる値には達しない。 汎用真空管を用いたB級アンプでも負バイアスが行われるが、グリッド電圧はプレート電流のカットオフが起きると予想される値に設定される。バイアス電圧源はグリッド電流を供給するため抵抗が低くなければならない。B級動作用に設計された真空管を使用する場合、バイアスはほぼゼロにできる。 C級アンプには、プレート電流のカットオフが始まる点をはるかに超えた負バイアスが与えられる。入力信号の1サイクルのうち、グリッド電流が流れる時間は半分を大幅に下回る。 真空管にグリッドバイアスを与える方法は多数あり、一つの真空管に複数のバイアス法を同時に用いることもある。 固定バイアス: DC電圧を通過させる適当なインピーダンスを介して適当な電圧源に接続することで、グリッド電位を定める方法。 カソードバイアス(英語版)(自己バイアス): カソードとグラウンドの間に直列抵抗を接続し、その抵抗で起きる電圧降下を利用する方式。グリッド回路のDCリターンをその抵抗の逆側に接続することで、グリッド電位をカソードに対して負にする。 グリッドリークバイアス:C級動作で見られるように、入力周波数サイクルの一部でグリッドが正に駆動されると、真空管中でグリッドに電子が飛び込む。入力側とグリッドの結合は容量性であり、結合コンデンサは負に帯電する。グリッドリーク抵抗を通って流れるグリッド電流によってコンデンサは放電されるが、時定数を入力信号の周期より大きく設定することで一定の帯電量を保つことができる。バイアス電圧はグリッドリーク抵抗とグリッド電流の積に等しくなる。 ブリーダバイアス: プレート電圧を供給するDC電源に抵抗を接続し、抵抗の中ほどから一定のグリッド電圧を取る。カソードはその抵抗のタップの一つに接続する。グリッドはDCパスとなる適当なインピーダンスを介してプレート電源の負側、もしくは抵抗の別のタップに接続される。 初速度バイアス(接触バイアス): グリッド電位がカソードと等しいとき、真空管中でカソードから放出される熱電子の一部はグリッドに入る。グリッドとカソードの間に通常1〜10 MΩの抵抗を入れておくと、この電子が流れる電圧降下によってグリッドがカソードに対して負の電位を持つ。グリッド電位と電流はやがて平衡値に達する。
※この「真空管(熱電子管)」の解説は、「バイアス (電子工学)」の解説の一部です。
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「真空管」の例文・使い方・用例・文例
- 真空管を使ったテレビは古臭いと考えられています。
- その爆発で真空管は粉々になった。
- 真空管検波器.
- 6級真空管受信機.
- 真空管
- 真空管のフィラメントを熱するための電池
- 小さな真空管
- 真空管に収められたヒューズ
- 熱い陰極が電子光線を発し高圧の陽極を通して焦点を結ぶ、あるいは燐光を発するスクリーンにぶつかる前に偏光させられるような真空管
- 真空管中のグリッド電位を保つのに用いられる電池
- 電子の流れを増幅する真空管
- 管を通して電子の流れをコントロールするために、真空管の陰極と陽極の間に置かれた電極
- 電子の中央の陰極から円筒陽極までの流れが交差している磁気と電場によって制御される二極真空管
- 真空管の陽電荷の電極
- 真空管の陽極のある直列で、フィードバックを提供するために配管網と結合される小さなコイル
- 3つの電極を持つ熱電子真空管
- その中で電子流が高速で金属の的にぶつかりX線を発生させる真空管
- 熱電子現象(特に熱電子真空管)を扱う電子工学の分野
- 米国の電気技師で、1907年に初の三極真空管の特許権を取り、電波を検出、増幅することを可能にした(1873年−1961年)
- ヘビーメタルのギターリストは極端な騒音を出すために真空管増幅器を使用する
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