はんどうたい‐ダイオード〔ハンダウタイ‐〕【半導体ダイオード】
半導体ダイオード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 07:13 UTC 版)
1874年、ドイツの科学者カール・フェルディナンド・ブラウンは「単方向導電性」を有する鉱石を発見し、1899年に鉱石整流器の特許を取った。1930年代になって、酸化銅とセレニウムによる整流器が電力用途用として開発された。 1894年、インドの科学者ジャガディッシュ・チャンドラ・ボースは初めて鉱石をラジオの検波器として用いた(鉱石検波器・鉱石ラジオ)。 この鉱石検波器は、のちにシリコン結晶を用いた検波器を開発したグリーンリーフ・ホイッティア・ピカードによって無線電信に実用化された。(シリコン検波器は1903年に開発され、1906年11月20日に特許化された) 他にも様々な材料が試され、最も広く使われたものは方鉛鉱(硫化鉛)であった。 それ以外の材料でも良い特性が得られたが、方鉛鉱は安価で入手性が良いことから最も用いられた。鉱石検波器には機械的に固定されたものもあったが、もっぱら探り針により具合の良い場所を毎度捜して使うなど面倒が多いという欠点により1920年代には真空管(熱電子管)に一般的には取って替わられた。 のちに、1940年代後半の点接触型トランジスタの発見以降に進歩した半導体理論・技術・工学により安定したPN接合による半導体ダイオードが作られるようになると、また半導体に主役が戻ったが、鉱石検波器の原理であるショットキー接合の活用は研究中であり、2015年現在もラジオの検波用には点接触のいわゆるゲルマニウムダイオードが使われている。ベル研究所もゲルマニウムダイオードをマイクロ波受信用として開発しており、1940年代後期にはAT&Tがそれを用いて国家間のマイクロ波通信を開始し、移動体電話やテレビネットワークの信号受信に用いた。これは周波数特性の点で当時の真空管よりも鉱石のほうが優れていたためである。
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