トランジスタとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 電気 > 電気化学 > トランジスタ > トランジスタの意味・解説 

トランジスタ

【英】transistor

トランジスタとは、増幅発振スイッチングなどの動作を行うことができる半導体素子のことである。AT&Tベル研究所開発された。

トランジスタには端子3つ付いており、2つ端子の間に流れ電流を、残った1つ端子加え電流もしくは電圧制御する仕組みになっている。このとき、制御電流によって行うタイプのトランジスタはバイポーラトランジスタ呼ばれている。バイポーラトランジスタn型半導体p型半導体が、n-p-n、またはp-n-pの順で接合されている。単にトランジスタといった場合、このバイポーラトランジスタ指していることが多い。

また、2端子間に流れ電流を、電圧によって制御するタイプのトランジスタは、電界効果トランジスタFET)と呼ばれている。電極半導体酸化物皮膜によって絶縁されているものは、特にMOSFET呼ばれる


参照リンク
増幅回路、トランジスターの基本
半導体メモリのほかの用語一覧
技術・産業:  スループット  TTL  ダイサイズ  ディスクリート半導体  トランジスタ  トンネルダイオード  ULSI

トランジスタ trasnsistor

三極上の電極をもつ半導体装置シリコン、ゲルマニゥムなどの半導体結晶中で 電子動作制御して増幅発振などの作用をさせる。

トランジスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 08:56 UTC 版)

トランジスタ
様々なパッケージのトランジスタ
種類 能動素子
発明 ジョン・バーディーン
ウォルター・ブラッテン
ウィリアム・ショックレー
1947年
ピン配置 エミッタ、コレクタ、ベース
電気用図記号
テンプレートを表示

トランジスタ: transistor)とは、電子回路において、信号を増幅またはスイッチングすることができる半導体素子である。

1940年代末に実用化されると、真空管に代わってエレクトロニクスの主役となった。論理回路を構成するための電子部品としては最も普及しており、集積回路(IC)の多くは微細なトランジスタの集合体である。1965年にムーアの法則で予言された通り、CPUMPUに内蔵されているトランジスタの数は増え続け、今ではひとつのチップに700億個以上[1]のトランジスタが搭載されている製品もある。CPUやMPUは、それらの膨大な数のトランジスタが高速でスイッチングを行うことで動作しており、スマートフォンパソコンコンピュータネットワークテレビ自動車などのあらゆる機器や装置の動作においてトランジスタが関与している。なお、この名称はtransfer(伝達)とresistor抵抗)を組み合わせたかばん語であり、ジョン・R・ピアースによって1948年に名づけられた[2]ものである。

歴史

一般には実用化につながった1947-1948年の、ベル研究所による発見および発明がトランジスタの始祖とされる。しかし、それ以前に増幅作用を持つ固体素子についての考察がよく知られているものでも何件かある。1925年ユダヤ人物理学者ユリウス・エドガー・リリエンフェルトが、現在の電界効果トランジスタ (FET) に近い発明の特許カナダで出願した[3]1934年にはドイツの発明家オスカー・ハイルが同様のデバイスについて特許を取得している[4][5]

1947年ベル研究所の理論物理学者ジョン・バーディーンと実験物理学者ウォルター・ブラッテンは、半導体の表面における電子的性質の研究の過程で、高純度のゲルマニウム単結晶に、きわめて近づけて立てた2本の針の片方に電流を流すと、もう片方に大きな電流が流れるという現象を発見した。最初のトランジスタである点接触型トランジスタの発見である。固体物理学部門のリーダーだったウィリアム・ショックレーは、この現象を増幅に利用できる可能性に気づき、その後数か月間に大いに研究した。この研究は、固体による増幅素子の発明として、1948年6月30日に3人の連名で発表された。この3人は、この功績により、1956年ノーベル物理学賞を受賞している。transistor という用語はジョン・R・ピアースが考案した[6]。物理学者で歴史家のロバート・アーンズ英語版によれば、ベル研究所の特許に関する公式文書には、ショックレーらが、前述のリリアンフェルトの特許に基づいて動作するデバイスを作ったことが書かれているが、それについて後の論文や文書は全く言及していないという[7]

点接触型トランジスタは、その構造上、機械的に安定した動作が難しい。機械的に安定した接合型トランジスタは、「3人」のうち最初の発見の場に立ち会うことができなかったショックレーが発明した。シリコンを使った最初のトランジスタは、1954年テキサス・インスツルメンツが開発した[8]。これを成し遂げたのは、高純度の結晶成長の専門家ゴードン・ティールで、彼は以前ベル研究所に勤務していた[9]

日本でも、官民で研究や試作が行われた。最初の量産は、1954年頃に東京通信工業(現ソニー)が開始し、翌1955年に同社から日本初のトランジスタラジオ「TR-55」が商品化された[10][11]。その後相次いで大手電機メーカーも量産を開始し、1958年あたりには主要な電機メーカーからトランジスタラジオが商品化される。このとき東京通信工業の主任研究員であった江崎玲於奈はトランジスタの不良品解析の過程で、固体におけるトンネル効果を実証する現象を発見・それを応用したエサキダイオードを発明し、1973年ノーベル物理学賞を受賞している(この段落の内容に関する詳細はトランジスタラジオ#日本における歴史を参照)。

世界初のMOSトランジスタは、1960年にベル研究所のカーング[英 1]とアタラ[英 2]が製造に成功した[12]

1960年代に入ると、生産歩留まりが上がってコストが下がったことや、真空管でしか扱えなかったテレビやFM放送 (VHF) のような高い周波数でも使えるようになったため、各社から小型トランジスタラジオやトランジスタテレビが発表される。材料が当初のゲルマニウムから現在の主流となっているシリコンに代わり、さらに高い電力やUHFでの使用が可能になる1970年までには、家庭用テレビやラジオから増幅素子としての真空管は姿を消していった。

その後、複数のトランジスタや周辺素子を1つのパッケージに集積させた集積回路が発明され、集積度を高めて、LSI(大規模集積回路)へと発展した。

動作の原理

NPN型トランジスタの模式図

トランジスタは、P型及びN型半導体の性質を利用している。

ここではNPN接合(端子は順にエミッタ、ベース、コレクタ)のバイポーラトランジスタ(後述)を例にとり説明する。

  1. エミッタとコレクタはN型半導体であるため電子が過剰にあり、ベースはP型半導体であるため電子が不足(正孔を持つ)している。
  2. エミッタ - コレクタ間に、エミッタ側を (-) として電圧をかけた場合を考える。PN接合においては、接合面でキャリアが相互に侵出し電荷を打ち消し合っている(空乏層)。電子は空乏層に阻まれ電流は流れない。
  3. ここで更にエミッタ - ベース間に、エミッタ側を (-)として電圧をかける。このときはエミッタ - コレクタ間に電流が流れる。
    1. ベース端子から電子が流れ出し、ベースに正孔が発生する(空乏層が薄くなる)。
    2. エミッタに存在する電子がベースに向かい移動する。ベースに供給された正孔を利用し、電子がベースを通過する。
    3. エミッタ - コレクタ間の電流はエミッタ - ベース間の電流に従って変化する(増幅)。

1960年代までの初期に多用されたPNP型のトランジスタの場合では、電源の極性(電流の向き)を逆(エミッタを (+)、コレクタ・ベースを (-))にして、電子と正孔を入れ替えれば、同様の働きを行う。

増幅作用


トランジスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 01:28 UTC 版)

ウィリアム・ショックレー」の記事における「トランジスタ」の解説

1945年戦争が終わると、ベル研究所固体物理学部門ができ、ショックレー化学者のスタンレー・モルガンが指揮することになった他のメンバーとしては、ジョン・バーディーンウォルター・ブラッテン物理学者ジェラルド・ピアソン化学者ロバート・ギブニー、電子工学者ヒルバート・ムーア、および数人技術者がいた。彼らの当面目標は、真空管増幅器代替となる固体半導体)を見つけることだった。まずショックレー発案で、半導体外部電界中に置いて伝導率影響与えられない試したその実験はあらゆる素材設定行って失敗したバーディーン半導体内部電界侵入できないことを示す表面準位理論提案するまで、全く進展見られなかった。その後彼らは表面準位研究注力し、毎日のように議論したグループ内の関係は素晴らしくアイデア自由に出し合っていた。 1946年の冬までに十分な結果得られバーディーンフィジカル・レビュー誌に表面準位についての論文送った。ブラッテンは表面準位研究のため、半導体表面に強い光を当てる実験始めた。そこからさらに論文書かれ一部ショックレー共同)、初期の実験失敗した原因推測できるようになった研究軌道に乗ったのは、半導体導体導線接触点を電解液に浸すという実験行ってからのことである。ムーア入力信号周波数容易に変更できる回路組み立てたショックレー助言従いピアソンpn接合接合部分にホウ酸グリコール蒸発しない粘性のある化学物質)の小滴を置き、そこに電圧印加してみた。これによってついに増幅作用観測されるようになった1947年12月ベル研究所にとって「奇跡1カ月となったバーディーンとブラッテンは点接触型トランジスタ完成させ、増幅機能確認したショックレー直接関わっていない)。翌月までにベル研究所特許出願したベル研究所弁理士間もなくショックレー電界効果原理が既に予測されユリウス・エドガー・リリエンフェルト1930年にそれを利用した装置特許取得済みであることを発見した。そのMOSFETのような素子特許最初に出願されたのはカナダで、1925年10月22日のことだった。その特許は「弱い」(実動しない)もののようだったが、弁理士衝突避けて4つ特許のうちの1つに関してバーディーンとブラッテンによる点接触型設計のみを扱った。他の3つの特許先に出願)は、バーディーン、ギブニー、ブラッテンを発明者として電解質使ったトランジスタの特許とした。つまり、ショックレーはこれらの特許出願書に発明人として名を連ねていない。ショックレー彼の電界効果アイデアがこれら発明元になったと考えており、自分の名が入っていないことに怒った。彼は自分の名前だけを入れた特許を書くつもりだとバーディーンやブラッテンに話している。 同時に彼は独自に接触型ではなく接合型のトランジスタを作る作業続けた。そちらの方が量産しやすいと予想したためである。彼は、点接触型トランジスタ壊れやすく製造難しいと考えていた。ショックレーまた、点接触型トランジスタ動作原理の説明少数キャリア注入可能性についても完全には納得していなかった。ショックレーは「サンドイッチ構造」トランジスタと自ら名付けたものについてよ徹底的な説明考え1949年4月7日にその動作原理の証明得た。 これによって生まれた発明接合型トランジスタで、1951年7月4日報道陣に対して発表行った。この発明特許1951年9月25日発効その後様々な製造技法考案されたが、最終的に拡散フォトリソグラフィによる製造急速に広まった間もなく点接触型トランジスタ圧倒するようになり、しばらくの間市場支配することになったショックレーはさらに2年間、ベル研究所でトランジスタの改良取り組むグループ指揮した一方でショックレーは558ページ大著 Electrons and Holes in Semiconductors を書き上げ1950年出版したその中でショックレードリフト-拡散モデル説明し半導体内の電子流れを表す微分方程式記している。ショックレーダイオード方程式もその中に記されていた。トランジスタの改良新たな半導体素子発明しようとする科学者にとって、この著作一種の「聖書となった1951年米国科学アカデミー (NAS) の会員選ばれた。このときショックレー41歳であり、NAS選ばれるにはかなり若い方だったその2年後、NASは Comstock Prize for Physicsショックレー授与その後次々と様々な賞を受賞していった。 ベル研究所一貫して3人がチームとして発明したとしていたが、「トランジスタの発明者」として一般に認知されたのはまず第一にショックレーだった。結局ショックレー2人仲違いし、そのせいもあってバーディーンとブラッテンは接合型トランジスタ研究から遠ざかることになったバーディーン超伝導現象研究向かい1951年ベル研究所去った。ブラッテンもショックレー一緒に働くことを拒否し別のグループ割り当てられた。バーディーンもブラッテンもトランジスタ発明後の1年以降はトランジスタの研究から遠ざかっている。 ショックレー管理スタイルは人をいらだたせる面があり、そのせいもあってベル研究所での昇進から外されていった。それはまた同時にベル研究所にとってショックレー管理者ではなく科学者として重要だったという意味もある。ショックレー自身は自らの能力にふさわしい富と権力望んでいた。1953年ショックレーベル研究所離れカリフォルニア工科大学戻って4カ月だけ客員教授務めた

※この「トランジスタ」の解説は、「ウィリアム・ショックレー」の解説の一部です。
「トランジスタ」を含む「ウィリアム・ショックレー」の記事については、「ウィリアム・ショックレー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「トランジスタ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

トランジスタ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:27 UTC 版)

語源

英語のtransistor (en)より。

名詞

トランジスタ

  1. (電子工学) 電子部品のひとつで、半導体でできており、3つある端子のうちの1つ加えられる電流変化を、もう1つ端子加えられる電力源用いて増幅して出力する素子

発音(?)

と↗らんじ↘すた

関連語

翻訳


「トランジスタ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



トランジスタと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トランジスタ」の関連用語

1
トラ‐メガ デジタル大辞泉
100% |||||


3
ソリッドステート‐アンプ デジタル大辞泉
96% |||||

4
BiMOS デジタル大辞泉
94% |||||





9
ティー‐エフ‐ティー デジタル大辞泉
74% |||||

10
モスフェット デジタル大辞泉
74% |||||

トランジスタのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トランジスタのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【トランジスタ】の記事を利用しております。
ダイキン工業ダイキン工業
Copyright (C) 2025 DAIKIN INDUSTRIES, ltd. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトランジスタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのウィリアム・ショックレー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのトランジスタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS