ハイパスフィルタ
【英】HPF, High-Pass Filter, LCF, Low-Cut Filter
ハイパスフィルタとは、周波数フィルタと呼ばれる回路の一種で、ある周波数を境目としてそれよりも高い周波数のみ通過させる性質をもった回路のことである。
フィルタ回路において、通過させる周波数と遮断する周波数とを分ける境界になっている周波数は、遮断周波数(カットオフ周波数)と呼ばれている。フィルタ回路には、ハイパスフィルタの他に、低域のみを通過させて高域を遮断するローパスフィルタ(LPF)、特定の周波数帯域のみを通過させて他の帯域を遮断するバンドパスフィルタ(BPF)、あるいは特定の周波数帯域のみを遮断して他の帯域を通過させるバンドエリミネーションフィルタ(BEF)などがある。
参照リンク
フィルタの種類と理想特性 - (株式会社エヌエフ回路設計ブロック)
ハイパスフィルタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/17 21:15 UTC 版)
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ハイパスフィルタ(英語: High-pass filter: HPF)とは、フィルタの一種で、なんらかの信号のうち、遮断周波数より高い周波数の成分はほとんど減衰させず、遮断周波数より低い周波数の成分を逓減させるフィルタである。ローカットフィルタ等と呼ぶ場合もある。電気回路・電子回路では、フィルタ回路の一種である。日本語では「高域通過濾波器」とも言われる。オーディオでは「bass-cut filter」または「rumble filter」とも称する。
ハイパスフィルタはローパスフィルタと対称の関係にある。こういったフィルタには他にバンドパスフィルタとバンドストップフィルタがある。
伝達関数
連続時間のフィルタは、入出力の利得と位相の特性をラプラス変換を使用して伝達関数で表すことができる。
ハイパスフィルタの伝達関数は、
最も簡単なハイパスフィルタは、入力信号に並列する抵抗器と入力信号と直列するコンデンサから成り立っている。抵抗値と容量値の積(R×C)は時定数(τ)といい、遮断周波数に逆比例する。また、遮断周波数の信号を入力したとき、出力電圧は入力電圧の半分になる(−3dB)。遮断周波数f[Hz]、時定数τ[s]、抵抗値R[Ω]、容量値C[F]の関係は以下の式のようになる。
オペアンプを用いた1次のハイパスフィルタの回路図を右に示す。 この場合、通過域の利得は
で表され、遮断周波数は、
となる。
応用例
スピーカーにおいて、ツイーターにおける干渉もしくは破損を防ぐため、低域をブロックするために使われる。オーディオにおいて、パワーアンプより前で分離するためのフィルタ装置をチャネルディバイダ、パワーアンプの後、スピーカの直前で分離するものをネットワークと称する。 ほとんどのハイパスフィルタは直流(0Hz)ではゼロ利得となる。この特徴を利用し、交流信号に直流が重畳した信号(オフセットのある信号)から、オフセットを取り除くために使われるハイパスフィルタを「DC blocking filter」と呼ぶ。