真空管ダイオード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 07:13 UTC 版)
「真空管」も参照 1873年、フレドリック・ガスリーが、熱電子によるダイオード作用の基本原理を発見した。ガスリーは、正電荷が帯電した検電器が、接地された高温の金属に非接触の状態で近づけたときに放電することを発見したのである。また、負電荷が帯電した検電器では現象が起きなかったことから、電流は一方向にしか流れないことを示していた。 1880年2月13日、トーマス・エジソンはこの原理を単独で再発見した。そのとき、エジソンは彼の作った電球の炭素フィラメントの正極端子側の近くだけがいつも燃え尽きることを調査していた。彼はガラス管の内側を金属で覆った電球を作成して確認すると、伸ばしたフィラメントから真空部分を介して金属部分へ見えない電流が流れており、それは金属部分に正電極を接続したときだけ起きた。エジソンは、フィラメントの代わりに直流電圧計を負荷(電気抵抗)にした改造電球で回路を工夫した。またこの発明を1884年に申請した。このときにはまだ具体的な応用のなかったこの簡素な発明が後の時代にもたらした影響は大きく、のちにエジソン効果と呼ばれることになった。 約20年後、ジョン・アンブローズ・フレミング(マルコーニ研究所の研究顧問・元エジソン会社の従業員)は、エジソン効果を使ってより精度の高い無線検波器を実現した。 フレミングは最初の熱電子を用いたダイオード(フレミングバルブ)の発明者となり、イギリスにおいて1904年11月16日に特許となった。(U.S.Patent 803684 1905年11月 も参照のこと) 図2:真空管ダイオードの、電気用図記号。上から順にアノード、カソード、ヒーターフィラメント 真空管ダイオードの構造
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