12AX7とは? わかりやすく解説

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12AX7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/30 02:26 UTC 版)

12AX7(ヨーロッパでは ECC83[1])は、12AV6(6AV6)双二極・三極複合真空管三極部分だけが2組封入されたものに相当する双三極ミニチュア真空管である。

概要

1946年にRCAニュージャージー州カムデンの工場で開発され[2]、開発時の型番はA-4522で、1947年9月15日の発売時に、製品名12AX7とされた。

12AX7は、もともとオーディオ用増幅管である双三極GT管の6SL7ファミリーをミニチュア管で代替する用途で開発されたものである。電圧利得が大きく、ギターアンプ用真空管として多く使用され、発売以来継続して生産されている数少ない小信号用真空管である。

12AX7は基本的に 6AV6の三極管部分だけを 2組封入したものに相当する双三極管である。

その6AV6は、AMラジオに使用されていた6SQ7オクタルベース双二極・三極管 をミニチュア管(カソードは1個)にしたもので、1930年頃の75形三極管とよく似ている。

性能

グリッド電圧をパラメータとしたプレート電流特性

12AX7は高利得(100μ程度)、低プレート電流の三極管で低レベルのオーディオ電圧増幅回路に最適である。オーディオアンプの入力段および中間プリアンプ段に広く使用されている。ミラー効果による静電容量が比較的大きいので、高周波用には不向きである。

一般的に12AX7のプレート抵抗は大きく、ほとんどのギターアンプでは100kΩ、ハイファイ機器では220kΩ以上となる。グリッドバイアスはカソード抵抗に供給されることがほとんどである。

カソード抵抗がバイパスされていない場合、負帰還により12AX7の各三極部分の電圧利得は約30μとなる。

プレートインピーダンスを一致させる必要があるので、増幅率は基本的に最大ステージ利得の2倍で、電圧の半分は静止状態の真空管にかかり、半分は負荷抵抗にかかることになる[3]

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