処分まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:44 UTC 版)
3月11日 前日の根回しにより、新聞・テレビ各社はTBSの行動について一切報道を行わなかった。しかし、午前の閣議において赤沢正道国家公安委員長が前日の成田の件について報告。閣議後郵政大臣小林武治が今道社長に電話、開口一番に「お前は社長を辞めろ!」と言い放った。が、後の予算委員会での質疑応答において小林はTBSに圧力をかけたことについて否定している。一方、昼の『ポーラ婦人ニュース』では前日取材した内容が問題なく放送され、宝官は「成田二十四時」のフィルム編集のためTBSへ午後に出社した。 3月12日 郵政省電波監理局が調査という名目で警告を発する。それにより『カメラ・ルポルタージュ』で放送が予定されていた「成田二十四時」を中止。急遽一年前放送された「67春・東京大学」に差し替えて放送した。この日、朝日・読売・毎日など主要新聞朝刊のテレビ欄には「成田二十四時」の番組紹介も記載されていた。視聴者から抗議の電話がTBSに多数届き、中止理由を「責任者の病気」と答えていた。しかし、実際にはディレクターの宝官は昼に「自宅待機」に処せられていた。 3月13日 参議院自民党議員総務会で玉置和郎が成田でのTBSの行動を名指しで非難。「断固たる処置をとるべし」と佐藤栄作首相へ申し入れる決議も行われた。 3月15日 自民党機関紙『自由新報(現:自由民主)』にて「TBSが角材を運搬」と大々的な見出しを付けて「真実と公正な報道を使命とする報道機関が、事もあろうに全学連の凶器となる角材運搬に一役買い―」とTBSの取材活動を非難。 3月19日 事件の賞罰委員会が開かれる。 3月22日 処分が発表。 処分は以下の通り 宝官正章(報道局テレビ報道部ディレクター) - 無期限休職処分 濱口浩三(報道局次長兼テレビニュース部長) - テレビニュース部長に 島津国臣(報道局長) - 報道局次長に降格 簗瀬潮音・大原麗子(両者報道局テレビ報道部ディレクター) - 譴責処分 吉兼実(報道局テレビ報道部長) - 減俸1ヶ月 宇野昭・松橋尚(両者報道局副部長) - 戒告処分 この処分について今道社長は事件について「不偏不党という会社の路線に反した」ので、報道機関として厳しい処分を行い、そして「政府その他外部からの干渉は一切ない」と述べた。それに対し労働組合は賞罰委員会の中で会社側は「一部から圧力があるのでやむをえまいということを何度もいっていた」と述べ、処分について「こうした圧力筋へ差し出すイケニエ」と見て、「処分撤回の闘いを進めていく」と語った。
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