アルデヒド【aldehyde】
アルデヒド
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アルデヒド(英: aldehyde)とは、分子内に、ホルミル基
IUPACではアルデヒドの命名法を以下のように定めている[4][5][6]。
- 非環式の脂肪族アルデヒドはホルミル基を含む最も長い炭素鎖から誘導して命名する。従って、
ホルミル基 ホルミル基 (formyl group) は -CHO と構造が表される1価の官能基で、「ホルミル-」は IUPAC命名法の接頭辞として用いられる。アルデヒド基とも呼ばれる。第一級アルコールの -CH2OH の部位を酸化することで得られる。また、ホルミル基を酸化するとカルボキシ基を得ることができる。水素結合がごく弱いため、自己会合は弱く、水との親和性も弱い。
ジカルボン酸の片方のカルボキシ基が還元されてホルミル基になったものは通俗的にセミアルデヒドと呼ぶことがある。(例:コハク酸セミアルデヒド、グルタミン酸-1-セミアルデヒド、2-アミノアジピン酸-6-セミアルデヒド)
単糖
単糖類はホルミル基とカルボニル基(ケトン基)を持つものに大別されるが、前者のアルデヒドの性質を持つ糖をアルドース、後者のケトンの性質を持つ糖をケトースと呼ぶ。
毒性
多くの生物にとって有害で、ホルミル基がタンパク質の側鎖のアミノ基と反応を起こし、さらには架橋反応に進むため、これを凝固させる作用を持つ。それを利用したものに生物学研究におけるホルマリン固定やグルタールアルデヒド固定があり、ブドウ糖のようなアルドースが糖尿病において、次第に血管のコラーゲンやエラスチン、水晶体のクリスタリンなどといった高寿命タンパク質を蝕み、こうしたタンパク質を多く含む器官に損傷を与えるのも、同じ原理による。また、アルデヒドの一種であるアセトアルデヒドはエタノールがアルコールデヒドロゲナーゼの触媒作用によって生成し、アルデヒドデヒドロゲナーゼの働きで酢酸となる。弱い型のアルデヒドデヒドロゲナーゼを持つ人はアセトアルデヒドの中毒(=二日酔い)になりやすい。
合成法
アルデヒドは実験室的には第一級アルコールを弱い酸化剤(例えばクロロクロム酸ピリジニウム (PCC))で酸化すると生成する。
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アルデヒド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/10 03:20 UTC 版)
ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなど 組織学で最もよく使われるのはホルムアルデヒド(飽和水溶液がホルマリンと呼ばれている)である。ホルムアルデヒドは主に塩基性アミノ酸のリジンの側鎖末端などにあるアミノ基に作用すると考えられている。グルタルアルデヒドも頻用されており、作用機序はホルムアルデヒドと同様と考えられている。ホルムアルデヒドより分子が大きいため組織への浸透は遅いが、より遠い距離にあるタンパク質同士を架橋することができ固定力は強い。この2者の利点を組み合わせるために、ホルムアルデヒドとグルタルアルデヒドを混合して用いる場合もある。
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「アルデヒド」の例文・使い方・用例・文例
- アルコールが酸化するとアルデヒドとなりますが、アルデヒドが酸化するとどうなりますか。
- 青葉アルデヒド 1 万分の 1 の濃度の水溶液で水虫の菌が瞬時に死ぬことが実験で分かっている.
- アルデヒドの、アルデヒドに関する、または、アルデヒドを含む
- アルドールをもたらすアルデヒドの反応
- 鎮静剤および溶剤として使用される無色の液体(アセトアルデヒドの環状三量体)
- 6つの炭素原子とアルデヒド基がある単糖の砂糖
- アルデヒド基を含む、またはヘミアセタールである単糖
- アルコール分子をアルデヒド分子に加えることによって生成される有機化合物
- 酢酸と香水と薬の製造において主に使われる無色の揮発性の水溶性の液体アルデヒド
- アセトアルデヒドの2つの分子の凝縮によってできた油っぽい無色の液体
- ホルムアルデヒドを水に溶かした10パーセント溶液
- アルデヒドで生じる負の一価のアシル基
- 顕微鏡での観察ができるように組織や細胞を固定する化合物(エタノールまたはホルムアルデヒドなど)
- 鼻を突くような臭いのする液体アルデヒド
- 糖が分解して生成される甘い結晶性のアルデヒド
- グリセロールまたはグリセルアルデヒドの酸化によって得られるシロップ状の酸
- 尿素とホルムアルデヒドから得られる澄んだ熱硬化性の樹脂で、電気器具、接着剤、上塗りに用いられる
- 通常アルデヒドまたはケトンからのアセタールの調合における中間生成物として生成される有機化合物
- メラミンとアルデヒドから形成された熱硬化性樹脂
- ビニールホルムアルデヒドの重合体
アルデヒドと同じ種類の言葉
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