酸化剤とは? わかりやすく解説

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さんか‐ざい〔サンクワ‐〕【酸化剤】

読み方:さんかざい

他の物質酸化しやすく、自身還元されやすい物質酸素オゾン塩素二酸化マンガン過酸化水素硝酸など。


【酸化剤】(さんかざい)

oxidant.

何らかの化学的な手順によって酸素取り出して利用する事ができる物質
工業用途においては、主に燃料酸素結合させて燃焼させるために用いられる

歴史上通じて、また現代でも最も一般的に用いられる酸化剤は、地球上大気である。
空気にはものが燃えるのに十分な酸素含まれており、よほど特殊な状況下でない限り化学合成された酸化剤は必要とされない

特殊な状況」として一般的なのは、真空中水中である。
真空中外部から酸素調達する事は不可能である、という事論ずるまでもない
には酸素含まれるが、これを取り出すのは空気中の酸素利用比べて格段に多く設備投資エネルギーを必要とする。
従ってこのような場合燃焼必要な酸化剤はあらかじめ化学合成して貯蔵しておかなければならない

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酸化剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/26 05:44 UTC 版)

酸化剤のハザードシンボル

酸化剤(さんかざい、Oxidizing agent、oxidant、oxidizer、oxidiser)は、他の化学物質から電子を奪い取る化学物質である。この際、酸化剤自身は還元されて、構成元素の酸化数は減少する。還元剤対義語

主な酸化剤は酸素: oxygen)であり、一般的な酸化剤は酸素原子を含む。

酸化反応に伴いエネルギーが発生し、燃焼爆発は、急激な酸化現象である。酸化剤は燃料爆薬が燃焼する際に加えられて、酸素を供給する役割を果たす。

一般に用いられる酸化剤としては空気、酸素、オゾン硝酸ハロゲン (フッ素塩素臭素ヨウ素アスタチン) などがある。

定義

酸化剤は、酸素原子を放出する化合物または、酸化還元反応に於いて電子を得る物質と定義されている。

端的にいうと、

  • 酸化剤は還元される
  • 還元剤酸化される
  • 分子中のすべての原子にはそれぞれ酸化数を付与することができる。この数は酸化剤が作用したときに変動する。
  • 反応物の酸化状態の変化によって酸化還元反応が生じる。

酸化は文字通り物質が酸化物になることをも意味する。この過程は金属酸化鉄への変化)、非金属元素硫黄硫黄酸化物への変化)および有機物炭素水素二酸化炭素への変化)に当てはまる。

酸化剤の例

酸化鉄(III)の生成

4Fe + 3O2 → 2Fe2O3

この化学反応では鉄の酸化数が0から3+に増加している。逆に酸素の酸化数は0から2-に減少している。この反応は2つの半反応式で表すことができる。

  1. 酸化の半反応式;Fe0 → Fe3+ + 3e
  2. 還元の半反応式;O2 + 4e → 2 O2−

鉄は酸化数が増加しているため還元剤であり、酸素は酸化数が減少しているため酸化剤である。

主な酸化剤

酸化剤 生成物
O2 酸素 H2O やCO2を含む種々の酸化物
O3 オゾン ケトン、アルデヒド、H2Oを含む種々の化合物、オゾン酸化を参照
F2 フッ素 F
Cl2 塩素 Cl
Br2 臭素 Br
I2 ヨウ素 I, I3
ClO 次亜塩素酸塩 Cl, H2O
ClO3 塩素酸塩 Cl, H2O
ClO4 過塩素酸塩 Cl, H2O
HNO3 硝酸 NO 一酸化窒素
NO2 二酸化窒素
六価クロム
CrO3 酸化クロム(VI)
CrO42− クロム酸塩
Cr2O72− 二クロム酸塩
Cr3+, H2O
MnO4 過マンガン酸塩
MnO42− マンガン酸塩
Mn2+ (酸性条件) 、 MnO2 (塩基性条件)
H2O2過酸化水素などの過酸化物 酸化物やH2Oを含む種々の化合物

関連項目

外部リンク


酸化剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/12 04:14 UTC 版)

過ヨウ素酸」の記事における「酸化剤」の解説

1,2-ジオールvic-ジオール)に過ヨウ素酸加えると、C-C結合酸化的に開裂して 2分子カルボニル化合物得られる。このとき、過ヨウ素酸環状エステル中間体として経由する。 > C ( OH ) − C ( OH ) <   + HIO 4 ⟶   > = O + O = < {\displaystyle {\ce {> C(OH)-C(OH)<\ + HIO4 ->\ >={O}+ O=<}}} 過ヨウ素酸触媒量の過マンガン酸イオンを加えた Lemieux-von Rudloff 試薬は、アルケンを酸化的に開裂させることができる。 > C = C <   + HIO 4   + {\displaystyle {\ce {>C=C<\ + HIO4\ +}}}   c a t . {\displaystyle \ cat.} MnO 4 − ⟶   > = O   + O = < {\displaystyle {\ce {MnO4^- ->\ >=O\ + O=<}}}

※この「酸化剤」の解説は、「過ヨウ素酸」の解説の一部です。
「酸化剤」を含む「過ヨウ素酸」の記事については、「過ヨウ素酸」の概要を参照ください。

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