アスタチンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > アスタチンの意味・解説 

アスタチン【astatine】

読み方:あすたちん

ハロゲン族に属す放射性元素の一。化学的性質沃素(ようそ)に似るが、金属性がより強い。最も寿命長い同位体半減期8.3時間)で質量数210元素記号At 原子番号85


アスタチン


アスタチン


物質名
アスタチン
英語名
Astatine
元素記号
At
原子番号
85
分子量
210
発見
1940年
原子半径(Å)
1.45
電子親和力(eV)
2.8


アスタチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/20 09:29 UTC 版)

アスタチン: astatine [ˈæstətiːn, -tɨn])は、原子番号85の元素元素記号Atハロゲン元素の一つ。約30の同位体が存在するが、安定同位体は存在せず半減期も短いため、詳しく分っていない部分が多い。


注釈

  1. ^ 地殻中に含まれるフランシウムは20g - 30gと言われており、アスタチンよりも稀な元素である可能性もある。

出典

  1. ^ 桜井弘『元素111の新知識』講談社、1998年、347頁。ISBN 4-06-257192-7 
  2. ^ Corson, D. R.; MacKenzie, K. R.; Segrè, E. (1940-03-01). “Possible Production of Radioactive Isotopes of Element 85”. Physical Review 57 (5): 459–459. doi:10.1103/PhysRev.57.459. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRev.57.459. 
  3. ^ Corson, D. R.; Mackenzie, K. R.; Segrè, E. (1947-01). “Astatine : The Element of Atomic Number 85” (英語). Nature 159 (4027): 24–24. doi:10.1038/159024b0. ISSN 1476-4687. https://www.nature.com/articles/159024b0. 
  4. ^ 豊嶋厚史 & 篠原厚 2018.
  5. ^ 羽場宏光「理研における核医学治療用ラジオアイソトープの製造」『Drug Delivery System』第35巻第2号、日本DDS学会、2020年、114-120頁、doi:10.2745/dds.35.114ISSN 0913-5006NAID 130007864106 
  6. ^ 石岡典子、渡辺茂樹、近藤浩夫、高井俊秀、古川智弘. がん治療用アスタチン211 の連続製造を可能にする液体ビスマス標的の開発 (pdf). 日本原子力学会 2019年秋の大会.
  7. ^ 渡部直史, 兼田加珠子, 白神宜史, 大江一弘, 豊嶋厚史, 篠原厚「アスタチンを用いた難治性甲状腺がんに対するアルファ線核医学治療」『アイソトープ・放射線研究発表会』第1巻、日本アイソトープ協会、2021年、67頁、doi:10.50955/happyokai.1.0_67NAID 130008085301 
  8. ^ 貝塚祐太, 鈴木博元, 上原知也「がんの標的α線治療を実現する211At標識アミノ酸誘導体の開発に向けた基礎的評価」『アイソトープ・放射線研究発表会』第1巻、日本アイソトープ協会、2021年、120頁、doi:10.50955/happyokai.1.0_120NAID 130008085209 
  9. ^ 注目高まるα線内用療法、アスタチンに期待 日経メディカル 2021/12/03


「アスタチン」の続きの解説一覧

アスタチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:03 UTC 版)

半金属」の記事における「アスタチン」の解説

アスタチンは非金属もしくは半金属分類される通常非金属として分類されるが、いくつかの著し金属的な性質有している。1940年、アスタチン原子合成直結し初期の研究者はアスタチンは金属であると考えていた。その後1949年言及では、アスタチンは還元するのが難しく最も不活性非金属であり、同様に酸化するのが難しく比較貴な金属であるとされていた。1950年には、アスタチンはハロゲンであるため活性非金属であるとも言及された。 アスタチンの非金属的な性質としては以下のものがある。 バスタノフは0.7 eVというアスタチンのバンドギャップ計算値を与え、この値は非金属のものと一致している。伝導帯価電子帯切り離されているためアスタチンは絶縁体もしくは半導体である。 アスタチンは非金属のように液体状態である温度範囲狭く融点575 K、沸点610 Kであると推定されている。 アスタチンの水溶液中の化学的ふるまいは、様々な陰イオン種の形成特徴づけられる。 アスタチンの既知化合物としてアスタチン化物 (XAt)、アスタチン酸塩 (XAtO3)および1価ハロゲン間化合物があり、それらの性質ハロゲンであり非金属でもあるヨウ素化合物類似している。 アスタチンの金属的な性質としては以下のものがある。 サムソノフは典型的な金属のように、アスタチンは強酸酸性溶液から硫化水素にすらも沈殿させられ硫酸溶液からはアスタチンが遊離する形で置換させられ電気分解によって陰極上に堆積させられるということ観察したレスラーは、アスタチンの(重)金属的な傾向更なる兆候について、擬ハロゲン化物、アスタチン陽イオン錯体、3価のアスタチン陰イオン錯体ならびに様々な有機溶媒との錯体の形成。を挙げたラオおよびガングリーは、42 kJ/molよりも大き蒸発熱を持つ元素液体状態において金属的である点に着目したそのような元素ホウ素ケイ素ゲルマニウムアンチモンセレンおよびテルル含まれる。ヴァサロスおよびベレイは、2価のアスタチンの蒸発熱をこれらの元素の中で最も低い50 kJ/molであると見積もった。このことから、アスタチンは液体状態において金属的である。2価ヨウ素蒸発熱は41.17 kJ/molであり、42 kJ/molという金属的な性質を示す閾値わずかに足りていない。 チャンピオン他は、アスタチンは強酸酸性溶液中においてAt+およびAtO+として安定して存在し陽イオンとしてのふるまいを示すとした。 Siekierskiとバージェスは、目に見えるほどの大きさ凝集したアスタチンはその激し放射能による熱で直ちに完全に蒸発してしまうが、もし凝集相を形成することができるならばアスタチンは金属であるだろうと推定主張した

※この「アスタチン」の解説は、「半金属」の解説の一部です。
「アスタチン」を含む「半金属」の記事については、「半金属」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アスタチン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

アスタチン

出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 14:22 UTC 版)

名詞

アスタチン

  1. 原子番号 85元素記号 At非金属元素安定同位体持たないハロゲン元素単体は、常温常圧では銀白色固体

語源

発音(?)

あ↗すた↘ちん

翻訳


「アスタチン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アスタチン」の関連用語

アスタチンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アスタチンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアスタチン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの半金属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのアスタチン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS