擬ハロゲン化物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/07 02:22 UTC 版)
擬ハロゲン化物(ぎハロゲンかぶつ、英: pseudohalide)は、擬ハロゲンがそれ以外の原子団や原子と結合した化合物である。シアン化物、イソシアン化物、チオシアン化物などがある。対応するアニオンは擬ハロゲン化物イオンと言う。 錯体擬ハロゲン化物にはテトラカルボニルヒドリドコバルト(I) CoH(CO)4 がある。これは溶解度の低さにより、真のハロゲン化水素酸ほどではないが、十分強い酸である。 擬ハロゲン化物の挙動と化学的特性は、真のハロゲン化物とほとんど同じである。その内部の多重結合は擬ハロゲンの挙動に影響しない。強酸の擬ハロゲン化水素 HPs や、金属と反応して擬ハロゲン化物塩 MPs も形成する。 銀(I)塩 AgPs、鉛(II)塩 PbPs2、水銀(I)塩 Hg2Ps2 などは一般的に水に難溶であり、これらの軟らかい金属イオンと配位結合して錯体を形成しやすい。 PsX ⇄ {\displaystyle \rightleftarrows \ } H+ + Ps− Ag+ + 2 Ps− ⇄ {\displaystyle \rightleftarrows \ } [AgPs2]− 有機化合物中において、擬ハロゲノ基は一般的に強力な電子吸引基として働く。
※この「擬ハロゲン化物」の解説は、「擬ハロゲン」の解説の一部です。
「擬ハロゲン化物」を含む「擬ハロゲン」の記事については、「擬ハロゲン」の概要を参照ください。
- 擬ハロゲン化物のページへのリンク