擬ポテンシャルの問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/22 16:34 UTC 版)
「擬ポテンシャル」の記事における「擬ポテンシャルの問題点」の解説
擬ポテンシャルを利用する上での問題点は、内殻電子の寄与を無視するため、内殻電子が関与する物性(内殻励起、コアレベルシフトなど)には擬ポテンシャルを使った手法は事実上無力になることである(コアレベルシフトを擬ポテンシャル手法で扱おうとする試みは存在する)。また、非常に高い圧力下で内殻電子の寄与が物性に影響する(内殻電子の価電子化)ような状況でも、擬ポテンシャルによるバンド計算は対応できなくなる。光学応答の計算についても、擬波動関数が内核領域における波動関数を適切に表現していないため、問題が生じる。 ただし、どこまでを内殻電子とし、どこからを価電子として取り扱うかには任意性が残る。たとえばガリウムの3d軌道など浅い内殻電子を価電子として擬ポテンシャルの手法を利用することは可能である。そうした取り扱いでは、内殻軌道からの効果も部分的に計算に取り込むことが出来る。
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