任意
任意(にんい)とは、定められた方法によらず、その人の心のままに、自由な判断に任せることをいう。また、数学では、任意を「特別な選び方をしないこと」という意味で用いる。
【任意という言葉の成り立ちについて】
任意の「任」という字には「まかせる、自由にさせる」という意味がある。また、任意の「意」には「思っていること、気持ち、考え」という意味がある。この二つの漢字の組み合わせによって「思っていることにまかせる」「考えを自由にさせる」という「任意」の意味が成り立っている。
【任意の用法】
任意は、「その人の思っているように自由に任せる」という意味なので、相手に何かを強制したり義務付けたりする場合には用いない。たとえばオリエンテーションへの参加は各々の判断に任せるという場合は「オリエンテーションへの参加は任意です」と表現する。反対にオリエンテーションへの参加が義務づけられている場合は「オリエンテーションへの参加は必須です」と表現する。
【任意の例文】
「警察から任意同行を求められた」
「遠足には任意の服装でご参加ください」
「アンケートへの回答は任意となっています」
「パーティーへ参加するかどうかは、皆さまの任意です」
数学の分野では「任意」は「特に固定されていない」という意味合いの用語として用いられる。
文例 :
「任意の点A、Bを結ぶ直線」
【任意の類義語】
任意の類義語には「裁量(さいりょう)に任せる」という言葉がある。「裁量に任せる」とは「自分の考えで判断し、物事を処理すること」という意味だが、「任意」には実行するかしないかも含めて当人が判断して良いという使い方がなされるのに対して、「裁量に任せる」の場合は、実行するに当たって当人の自由な判断に任せるという使い方をされる点で用法が異なる。
また、任意の類義語には「恣意(しい)」という言葉がある。「恣意」とは、「気ままな思い付き、自分勝手な考え方」という意味である。「任意」が「相手の自由な判断に任せること」を表すのに対して「恣意」は「自分勝手な思い付き、わがままな行動」というネガティブなイメージを含む点で用いられる場面が異なる。
他にも、任意の類義語には「随意(ずいい)」という言葉がある。「随意」とは、「束縛がなく、思いのままである」という意味である。「自由に任せる」という点で「任意」とほぼ同じ意味だが、「任意」の方が一般的に用いられることが多い。
【任意の対義語】
任意の対義語には「強制(きょうせい)」という言葉がある。「任意」の「してもしなくても良い、どうするかは相手の判断に任せる」という意味に対して「強制」は「必ずやらなければならない、義務である」と、相手への行動を強いる点で対の意味を成している。
また、任意の対義語には「必須(ひっす)」という言葉がある。 「必須」は「なくてはならないこと、必要である」という反対の意味になり、なければならない ことを表す。「アンケートへの回答は任意です」に対して「アンケートへの回答は必須です」と書かれていれば、「任意」は答えても答えなくても良いが、「必須」は必ず回答をしなければならないということになる。
その他、任意の対義語には「特定(とくてい)」という言葉もある。「任意のボールをこの箱から取り出してください」と書いてあれば、選び出すボールは「どれでも良い」ということになるが、「野球のボールだけを取り出してください」とあれば、テニスボールやピンポン玉は取り出してはいけないことになる。このように「特定」には「それと断定する、限定する」という意味があるので、「限定する必要がなく自由で良い」という意味合いを含む任意の対の言葉となりうる。
【任意の関連語】
「任意」の関連語として「任意性(にんいせい)」を解説する。
「任意性」とは、「任意」の名詞形である。「任意」は「相手の思うままに任せる」という形のない抽象的な状況を表しているが、「任意性」と書くことによって「何者にも強制されず、自由な判断ができる状況」を表すようになる。他の単語と一緒に用いられることが多く、たとえば「自白の任意性」「供述の任意性」といった言葉は、「事件の被疑者がその状況を伝える際に、無理な取り調べなどで自白や供述を強制されることがなかったか、本人の自由な判断で話せる状況にあったか」という意味を表している。
また「任意」の関連語として「任意様式(にんいようしき)」を解説する。
「任意様式」とは、書き方は自由だが、記入(回答)する項目は決まっている書類の書き方のこと。たとえば、市販されている履歴書などでは住所や学歴などを記入する箇所が定められているが、「履歴書は任意様式で、住所と学歴を記入してください」と指示があった場合、住所と学歴さえ記入していれば、どのように書こうが自由であるということを示す。
にん‐い【任意】
任意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 05:51 UTC 版)
任意(にんい、arbitrary)とは、思うままに任せること、という意味で、当人の自由意思に任せる、ということである[1]。また、数学などでは、任意を「特別な選び方をしないこと」という意味で用いる。
法律、行政制度などにおける「任意」
例えば任意同行とは、警察官がある人物に対して職務質問を行い、最寄の警察署・交番などに行くことを求めて当人の意思・気持ちを確認し、当人が同意して警察官に同行してそこへ行くこと[1]。当人が同行したくなければ同行する必要はなく[1]、行きたくない、とか、同行したくない、と警察官に伝えて、立ち去ってもよい。
数学などにおける「任意」
数学や論理学において「任意の〜」(英: arbitrary )とは、「特別な選び方をしない」という意味であり、一般に、英語の「any〜」、日本語の 「どの〜でも」「いずれの〜でも」といった語と置き換えることが可能である。
たとえば、
- 任意の実数 x について [条件A] が成り立つ
という表現は、x として 実数の中からどの数を選んでも [条件A] が成り立つ、という意味である。
たいていの場合、「任意の」は「すべての」(all) への置き換えも可能である。しかし文脈によっては、any への置き換えではなく all への置き換えを行うと、誤解を招くこともあるので注意が必要である。たとえば、A = {1, 3} , B = {2, 4} としたとき、A に属する任意の要素と B に属する任意の要素を加算した結果は奇数である(1+2, 1+4, 3+2, 3+4 の4通りが考えられるが、どれも奇数である)。しかし、A に属するすべての要素と B に属するすべての要素を加算した結果は、次の2通りに解釈できる。
- A に属するすべての要素 1 と 3 、および B に属するすべての要素 2 と 4 のすべてを加算する。つまり、1 と 3 と 2 と 4 をすべて加算する。その結果は 1 + 3 + 2 + 4 = 10 であり、偶数となる。
- A に属するすべての要素 1 と 3 のうちどれかと、B に属するすべての要素 2 と 4 のうちどれかを加算する。つまり、1+2, 1+4, 3+2, 3+4 のどれかの加算を行う。どの加算を行っても、結果は奇数である(全称命題も参照)。
「任意の」を表す記号(量化子)としては広く ∀ (全称記号) が用いられる。この全称量化子 (universal quantifier) はドイツの論理学者ゲルハルト・ゲンツェンによって導入された。
- 数学関連
ITにおける「任意」
IT領域における用法も、数学のそれをほぼ踏襲しており、例えば、プログラミング、ソフトウェア開発などの領域において「任意の 4 桁の正の10進数(を入力)」と言えば、0001 から 9999 までの数がいずれも入力されうる、ということを意味する。
- IT関連項目
- ワイルドカード (情報処理)
- 「ランダムに選んだ」
脚注
関連項目
任意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/21 17:22 UTC 版)
「ZK (フレームワーク)」の記事における「任意」の解説
サーバ上で動作するグルーロジックを書くには、スクリプト言語(現在サポートしているのはBeanShell、JavaScript、Groovy、Ruby、Python)の知識を要する。 オブジェクト指向プログラミングの知識があれば、AWT/Swingスタイルのプログラミング、JavaでカスタムUIコントローラクラスを書くことなどができる。もちろん、そういった知識がなくとも zscript を使ってDHTML風のUIロジックが書ける。 Servletプログラミング。ZKは Servlet API 上に構築されている。ZUMLをページ言語として使って、正統的なServletプログラミングを選択することもできる。 Ajax。ZKはAjaxも基盤としているが、それによってユーザーの入力はブラウザ上でJavaのイベントに自動的に変換されるので、基本的にはブラウザで何をしているかを知らなくてもサーバ上のプログラムは書ける。 クライアント側のJavaScript。コンポーネントのクライアント側アクションをDHTMLロジックで実行することもできるが、ほとんどの場合不要である。 宣言的データバインディング。ZKにはオプションでUIコントロールをPOJO Java Beansにバインドできる機能がある。その場合ZKはプログラマが作ったPOJOのsetter/getterメソッドを自動的に呼び出すので、ブラウザでのユーザー入力に対応したプログラミングが不要になる。 EL言語。ZKはJSTLスタイルのELをサポートしている。
※この「任意」の解説は、「ZK (フレームワーク)」の解説の一部です。
「任意」を含む「ZK (フレームワーク)」の記事については、「ZK (フレームワーク)」の概要を参照ください。
任意
「任意」の例文・使い方・用例・文例
- 任意追加項目
- 夜会服の着用は任意です
- 警察は彼の任意出頭を求めた
- 任意寄付によって維持されている施設
- Xが一人ひとりの責任意識を高める
- 労災保険では、農林水産事業のうち、常時使用労働者数が5人未満の個人事業が暫定任意適用事業です。
- 私は弁護士に任意整理の交渉を依頼した。
- 妻はその件について任意代理の権利を与えられた。
- 当社は昨年の財務諸表について任意監査を受けた。
- 任意後見監督人は裁判所によって選任される。
- 任意後見制度について幾つか問題点が指摘されている。
- 私は任意保険に加入した。
- 寄付は任意である。
- カッターの回転数は任意に設定可能です。
- カッター刃の回転数は任意に設定可能です。
- その項目の入力は任意です。
- あなたはそこに任意の値を入力して下さい。
- 位置は任意とする
- 委員会は任意で設置する
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