ハフニウム

デジタル大辞泉

ハフニウム【hafnium】

読み方：はふにうむ

チタン族元素の一。単体は灰白色の金属。ジルコニウム鉱物中から発見。コペンハーゲンのラテン語名ハフニアにちなみ命名。元素記号Hf 原子番号72。原子量178.5。

日本化学物質辞書Web

セルチウム

分子式：	Hf
その他の名称：	セルチウム、Celtium、Hf、Hafnium
体系名：	ハフニウム

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分子構造リファレンス

物質名

ハフニウム

英語名

Hafnium

元素記号

Hf

原子番号

72

分子量

178.49

発見年

1923年

原子半径（Å）

1.6

密度（g/cm³）

13.3

比熱（cal/g ℃）

0.035

イオン化エネルギー（eV）

電子親和力（eV）

0

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ウィキペディア

ハフニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/11/20 09:22 UTC 版)

ルテチウム ← ハフニウム → タンタル Zr ↑ Hf ↓ Rf 72Hf 周期表
外見
銀灰色
一般特性
名称, 記号, 番号	ハフニウム, Hf, 72
分類	遷移金属
族, 周期, ブロック	4, 6, d
原子量	178.49
電子配置	[Xe] 4f14 5d2 6s2
電子殻	2, 8, 18, 32, 10, 2（画像）
物理特性
相	固体
密度（室温付近）	13.31 g/cm3
融点での液体密度	12 g/cm3
融点	2506 K, 2233 °C, 4051 °F
沸点	4876 K, 4603 °C, 8317 °F
融解熱	27.2 kJ/mol
蒸発熱	571 kJ/mol
熱容量	(25 °C) 25.73 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k 温度 (K) 2689 2954 3277 3679 4194 4876
原子特性
酸化数	4, 3, 2（両性酸化物）
電気陰性度	1.3（ポーリングの値）
イオン化エネルギー	第1： 658.5 kJ/mol
	第2： 1440 kJ/mol
	第3： 2250 kJ/mol
原子半径	159 pm
共有結合半径	175±10 pm
その他
結晶構造	六方晶系
磁性	常磁性
電気抵抗率	(20 °C) 331 nΩ⋅m
熱伝導率	(300 K) 23.0 W/(m⋅K)
熱膨張率	(25 °C) 5.9 μm/(m⋅K)
音の伝わる速さ （微細ロッド）	(20 °C) 3010 m/s
ヤング率	78 GPa
剛性率	30 GPa
体積弾性率	110 GPa
ポアソン比	0.37
モース硬度	5.5
ビッカース硬度	1760 MPa
ブリネル硬度	1700 MPa
CAS登録番号	7440-58-6
主な同位体
詳細はハフニウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP 172Hf syn 1.87 y ε 0.350 172Lu 174Hf 0.162% 2×1015 y α 2.495 170Yb 176Hf 5.206% 中性子104個で安定 177Hf 18.606% 中性子105個で安定 178Hf 27.297% 中性子106個で安定 178m2Hf syn 31 y IT 2.446 178Hf 179Hf 13.629% 中性子107個で安定 180Hf 35.1% 中性子108個で安定 182Hf syn 9×106 y β- 0.373 182Ta
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ハフニウム（英: hafnium [ˈhæfniəm]）は原子番号72の元素。元素記号は Hf。チタン族元素の一つ。

名称

ニールス・ボーア研究所のあるコペンハーゲンのラテン語名 hafnia が語源。

特徴

灰色の金属（遷移金属）。常温、常圧で安定な結晶構造は六方最密充填構造 (HCP) で、1760℃〜2230℃の間では体心立方格子。比重は13.31、融点は2222 °C、沸点は4450 °C（融点、沸点とも異なる実験値あり）。展性、延性に富む。酸化力のある酸に溶けるが、アルカリには溶けない。高温で酸素、水素、窒素、ハロゲンと反応する。原子価は+2価、+3価、+4価（+4価が最も安定）。化学的、物理的性質はジルコニウムに似る。

存在

天然ではハフニウムはジルコニウムの鉱物（ジルコン）にジルコニウムを置換して存在する。知られているハフニウムの鉱物（ハフニウムがジルコニウムよりも多い鉱物）はハフノンのみであるが、ジルコンに比べ非常に珍しい。苗木石（岐阜県苗木地方で見出されたもの）は最大7%程度のハフニウムを含む。

ジルコニウムとの分離は極めて難しく、有機溶媒でチオシアン酸ジルコニウムおよびハフニウムを抽出して分離するヘキソン（メチルイソブチルケトン）法と呼ばれる手法が開発された。

用途

熱中性子の吸収断面積が大きく（これはジルコニウムとは逆の性質）、機械的強度、融点が高く、化学的にも安定で耐食性に優れることから、原子炉の制御棒の材料に利用される。また、酸化ハフニウムは、MOSFETのゲートからのリーク電流対策のための高誘電率 (High-k) 材料として注目されている。

その他、酸化物の沸点がタングステンよりも高いことから、酸化雰囲気下でのプラズマ電極やプラズマアークノズルなどにも用いられる。

また陽極酸化によって鮮やかな発色が得られることから宝飾品にも用いられる。

歴史

1922年、デンマークのニールス・ボーアは、当時未発見だった72番元素はランタノイドではなくジルコニウムに類似したものだと予言してニールス・ボーア研究所のディルク・コスターとゲオルク・ド・ヘヴェシーにジルコンの分析を提唱。エックス線分析と分別結晶を繰り返すことにより1923年に発見。ハフニウムとジルコニウムは性質がよく似ているため、ジルコニウムとの分離が難しく発見が遅れ、天然元素としては最後から三番目に発見された（二番目はレニウム、最後はフランシウムであり、その後発見された元素は全て合成されたものである）。

ハフニウムの化合物

• 炭化ハフニウム (HfC)
  • 炭化タンタルハフニウム (Ta_xHf_1-xC_y)
• ケイ酸ハフニウム(IV) (HfSiO₄)
• 酸化ハフニウム(IV) (HfO₂) - 高誘電率ゲート絶縁膜
• フッ化ハフニウム(IV) (HfF₄) - フッ化ガラスの材料
• 塩化ハフニウム(IV) (HfCl₄)

外部リンク

• 岐阜県苗木地方の希元素鉱物
• ハフニウムを用いたプラズマトーチ

Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

ハフニウム

出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 14:21 UTC 版)

名詞

ハフニウム

1. 原子番号 72、元素記号 Hf の金属元素。原子量178.5。化学的性質はジルコニウムに類似。単体は、常温常圧では灰色の固体。

語源

• 発見したニールス・ボーア研究所の所在するコペンハーゲンのラテン語名「Hafnia」に因む。

発音^(?)

は↗ふに↘うむ

翻訳

• アイスランド語: hafnín ^(is)
• アイルランド語: haifniam ^(ga)
• アストゥリアス語: hafniu ^(ast) 男性
• アフリカーンス語: hafnium ^(af)
• アラビア語: هفنيوم ^(ar) (háfniyum) 男性
• アルバニア語: hafnium ^(sq)
• アルメニア語: հաֆնիում ^(hy) (hafnium)
• イタリア語: afnio ^(it) 男性
• ウェールズ語: haffniwm ^(cy)
• ヴォラピュク: hafnin ^(vo)
• ウクライナ語: гафнiй ^(uk) (háfnij) 男性
• ウズベク語: гафний ^(uz) (gafniy)
• 英語: hafnium ^(en)
• エストニア語: hafnium ^(et)
• エスペラント: hafnio ^(eo)
• オランダ語: hafnium ^(nl) 中性
• カザフ語: гафний ^(kk) (gafnii)
• カシューブ語: hafen ^(csb)
• カタルーニャ語: hafni ^(ca) 男性
• ガリシア語: hafnio ^(gl) 男性
• ギリシア語: άφνιο ^(el) (áfnio) 中性
• グルジア語: ჰაფნიუმი ^(ka)
• クロアチア語:
  • キリル文字: хафниj ^(sh) 男性, хафниjум ^(sh) 男性
  • ラテン文字: hafnij ^(sh) 男性, hafnijum ^(sh) 男性
• コーンウォール語: hafnyum ^(cor)
• スウェーデン語: hafnium ^(sv)
• スコットランド・ゲール語: haifniam ^(gd)
• スペイン語: hafnio ^(es) 男性
• スロヴァキア語: hafnium ^(sk)
• スロヴェニア語: hafnij ^(sl)
• タイ語: แฮฟเนียม ^(th) (haefniam)
• タジク語: gafni' ^(tg)
• タミル語: ஹப்னியம் ^(ta) (hapniyam)
• チェコ語: hafnium ^(cs)
• 中国語:
  • 北京官話: 鉿 ^(cmn), 铪 ^(cmn) (hā)
• 朝鮮語: 하프늄 ^(ko) (hapeunyum)
• デンマーク語: hafnium ^(da)
• ドイツ語: Hafnium ^(de) 中性
• トルコ語: hafniyum ^(tr)
• 西フリジア語: hafnium ^(fy)
• ノルウェー語:hafnium ^(no)
• バスク語: hafnioa ^(eu)
• ハンガリー語: hafnium ^(hu)
• ヒンディー語: गावातु ^(hi) (gaavaatu)
• フィンランド語: hafnium ^(fi)
• フェロー語: hafnium ^(fo)
• フランス語: hafnium ^(fr) 男性
• フリウリ語: afni ^(fur)
• ブルガリア語: хафний ^(bg) (háfnij) 男性
• ブルトン語: hafniom ^(br)
• ベトナム語: hafini ^(vi)
• ヘブライ語: הפניום ^(he) (hafniyum)
• ベラルーシ語: гафнiй ^(be) (háfnij) 男性
• ポーランド語: hafn ^(pl) 男性
• ポルトガル語: háfnio ^(pt) 男性
• マケドニア語: хафниум ^(mk) (kháfnium) 男性
• マルタ語: afniju ^(mt)
• マレー語: hafnium ^(ms)
• マン島語: hafnium ^(gv)
• モンゴル語: гафни ^(mn) (gafni)
• ラテン語: hafnium ^(la)
• ラトヴィア語: hafnijs ^(lv)
• リトアニア語: hafnis ^(lt)
• ルーマニア語: hafniu ^(ro) 中性
• ルクセンブルク語: Hafnium ^(lb)
• ロシア語: гафний ^(ru) (gáfnij) 男性

Weblio日本語例文用例辞書

「ハフニウム」の例文・使い方・用例・文例

• ハンガリーの化学者で、放射性同位元素を研究し、元素ハフニウムの発見者の1人（1885年−1966年）
• ハフニウムという原子番号72の金属元素