制御棒とは? わかりやすく解説

せいぎょ‐ぼう【制御棒】

読み方:せいぎょぼう

原子炉内の中性子密度一定制御するために出し入れする棒。中性子吸収しやすいカドミウム硼素(ほうそ)などで作る


制御棒

読み方せいぎょぼう
英語表記control rod

原子炉出力核分裂連鎖反応割合)を調整する役目をするもので、中性子をよく吸収する材料作られ、この制御棒の出し入れ炉心内の出力コントロールする
この制御棒は、棒又は板状形状で、ホウ素カドミウムハフニウム等の中性子吸収大き材料使用している。制御棒には、粗調整棒微調整棒、安全棒などがある。制御棒は、原子炉緊急に停止するときにも用いられその際炉心急速に挿入される。(これは安全棒の役割である)

制御棒

原子炉内の中性子数を変化させることにより、原子炉出力制御する役目をはたすものを制御棒という。原子炉制御する上で重要なものであり、中性子吸収しすいほう素、カドミウムなどを含む物質作られている。形は棒状又は板状である。 制御棒を燃料集合体間に入れておき、それを出し入れすると、中性子吸収して核分裂の数が調整できるので、原子炉出力制御できる緊急時には、制御棒が自動的にすばやく差し込まれて、原子炉の運転を止めるのに使用される

制御棒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 10:14 UTC 版)

加圧水型原子炉用制御棒

制御棒(せいぎょぼう、英語:control rod)とは、原子炉の出力を制御するための棒状または板状の物体である。

概要

原子炉の出力制御のためには原子炉内の中性子数を調整して反応度を制御することが必要である。停止状態の原子炉には中性子を吸収(吸収断面積の高い)する制御材でできている制御棒が差し込まれており、核分裂反応に伴う中性子を吸収して臨界状態にならない様にしている。原子炉の起動時、制御棒を徐々に引き抜く事で炉内の中性子数を増加させ、臨界から定格出力になるまで反応を上げてゆく。緊急時には全て挿入され、原子炉を停止(原子炉スクラム)させる。

BWRの制御棒

沸騰水型原子炉(BWR)は、冷却水の水量の増減による炉内蒸気ボイド(泡)の量によって短期的な出力調整が行えるため、制御棒は主に長期的な反応度の調整に用いられる。BWRは圧力容器上部に主蒸気系配管が通っているため、圧力容器の下方から水圧動作の制御棒駆動装置(CRD)で炉心内に挿入される。緊急時には蓄圧タンク(アキュムレーター)による加圧水[注釈 1]の水圧により炉心に全挿入される。制御棒断面は4体の燃料集合体の間に挟まるような4つのブレードを持つ十字形をしており、運転サイクル中の原子炉の反応度変化に追随して細かな調整が行える様に、制御棒上部と下部では材質が変えられている。

ABWRの制御棒

改良型沸騰型原子炉(ABWR)のCRDは水圧+電動(微駆動)となっている。

PWRの制御棒

加圧水型原子炉(PWR)では、短期的な出力の調整に制御棒が用いられる。制御棒はあらかじめ燃料集合体内部に分散して組み込まれており、一括して制御されるため、「制御棒クラスター」と呼ばれている。制御棒クラスターは圧力容器上部の電動CRDによって炉心内に挿入される。緊急時には制御棒がCRDから切り離されて、重力により炉心内に全挿入される。制御棒断面は燃料棒と同じ円形をしている。一基のCRDには4体の燃料集合体の制御棒クラスターがまとめて接続されている。BWRとは用途が異なるため、制御棒の材質は異なる。なお、PWRの長期的な反応度調整は1次冷却水中のホウ酸濃度により行われる。

材質

その目的のために中性子を強く吸収する材料でできている。主なものを例として載せる。

脚注

注釈

  1. ^ 蓄圧タンクは制御棒駆動用の高圧ポンプにより充填され、その圧力の保持には高圧の窒素ガスが用いられる[1]

出典

  1. ^ 志賀原子力発電所1号機の臨界事故についての報告書の提出について』(pdf)(プレスリリース)北陸電力、2007年3月30日、48‐49頁https://www.rikuden.co.jp/press/attach/07033001.pdf2024年7月20日閲覧 

関連項目

外部リンク


制御棒

出典:『Wiktionary』 (2021/08/25 12:57 UTC 版)

名詞

制御 せいぎょぼう

  1. 原子炉出力制御するために中に出し入れする棒。

翻訳




制御棒と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「制御棒」の関連用語

制御棒のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



制御棒のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
福井原子力環境監視センター福井原子力環境監視センター
Copyright (C)2001-2025 FERMC(福井県原子力環境監視センター) All rights reserved.
文部科学省文部科学省
Copyright (C) 2025 文部科学省 All rights reserved.
環境防災Nネットホームページ原子力防災基礎用語集
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの制御棒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの制御棒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS