レーザー核融合
高出力レーザー使用して核融合反応を発生させること。非常に強力なレーザーを燃料に照射することで熱核融合を生じさせる。人工的に核融合を得る技術の一つとして研究が進められている。
核融合(原子核融合)は恒星の内部などで生じている反応で、爆発的なエネルギーが生まれる。水素爆弾は核融合反応を利用している。
現在実用化されている核エネルギー利用は、核燃料を元に「核分裂反応」を引き起こしてエネルギーを取り出す方式であるが、超長期にわたり放射線を放出する放射性物質の発生を伴うリスク、超臨界状態が暴走して制御不能になるリスクなどを伴い、人類にとって安全でない。核融合はより制御しやすく、より安全性が高いものと考えられている。
核融合反応は「夢のエネルギー」と形容されることもある。他方で、核融合の発生条件を揃えて、それを安定的に維持するには、高度な技術が必要となる。2012年時点ではまだ実用化のめどがたっていない。
2012年4月4日、光産業創成大学院大学、浜松ホトニクス株式会社などが参加する研究チームは、レーザー核融合発電の方式により100回連続で核融合反応を発生させることに成功した。中国新聞は2012年4月5日の記事において、「発電の実現に向けて大きな一歩になりそう」との見解を示している。
関連サイト:
連続レーザー核融合に成功 光産業創成大学院大や浜ホトなど - 中国新聞 2012年4月5日
レーザー核融合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/14 15:12 UTC 版)
レーザー核融合(レーザーかくゆうごう、英: Laser fusion)は、非常に高い出力のレーザーの光を用いた核融合のこと。
- ^ “海外技術/米NIF、レーザー核融合実験で世界初の「自己加熱」達成”. 日刊工業新聞. (2014年2月13日) 2014年2月16日閲覧。
- ^ “NIF experiments show initial gain in fusion fuel”. Lawrence Livermore National Laboratory. (2014年2月12日) 2014年2月16日閲覧。
- ^ レーザー核融合に歴史的成果、実用化に向けた研究が加速
- ^ 「レーザー核融合」で投入上回るエネルギーの出力、米研究所が成功
- ^ 海水中に大量に存在する。
- ^ Fusion reactions initiated by laser-accelerated particle beams in a laser-produced plasma (2013年10月8日)
- ^ レーザー駆動陽子線の生成効率向上を実現 独立行政法人日本原子力研究開発機構 (平成20年5月22日)
- ^ 爆縮高速点火による高繰り返し核融合反応に成功 - 光産業創成大学院大学 報道資料 2012年4月4日
- ^ 『図解 レーザーのはなし』 谷腰欣司 pp.150-151 - (日本実業出版社、2000年)
- 1 レーザー核融合とは
- 2 レーザー核融合の概要
- 3 新しいレーザー核融合方式
- 4 構成要素
- 5 爆縮高速点火
レーザー核融合と同じ種類の言葉
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