こくえん‐ろ【黒鉛炉】
【黒鉛炉】(こくえんろ)
原子炉のうち、減速材として黒鉛を使うもの。
黒鉛は中性子を吸収しづらいため、核燃料として天然のウラニウムなどを使うことができ、また、黒鉛自体も容易に入手可能なこともあって、最初期の原子炉はこの形態が主流だった。
当初、原子爆弾用のプルトニウムを生成するために実用化され、その流れで初期の原子力発電所にも用いられたが、黒鉛がかさばるうえ、それとは別に冷却材を用意しなければならないことから、炉が大型になりがちである。
このため軽水炉や重水炉に比べてエネルギー効率が悪く、発電など熱源・動力利用の分野においては次第に廃れていった。
現存する黒鉛炉は、発電とプルトニウム生成を兼ねたものがほとんどである。
1986年に大規模な炉心融解と放射能汚染という大惨事を引き起こした旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所は、「RBMK」と呼ばれる特殊な黒鉛炉を採用していた。
近年では冷却材としてヘリウムガスを使い、熱利用とタービン発電の両用とすることで効率を高めた「高温ガス炉」も研究されている。
黒鉛炉
黒鉛炉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/13 05:22 UTC 版)
黒鉛炉には以下の炉型がある。 ガス冷却炉(マグノックス炉)(GCR)黒鉛減速二酸化炭素冷却炉 改良型ガス冷却炉(AGR : Advanced Gas-cooled Rractor) 高温ガス冷却炉(HTGR) 黒鉛減速沸騰水冷却型原子炉(RBMK) 黒鉛減速加圧軽水冷却型原子炉
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