第1世代原子炉とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 第1世代原子炉の意味・解説 

第1世代原子炉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 07:07 UTC 版)

シッピングポート原子力発電所発電所1号機の炉殻。小型である事がわかる。

第1世代原子炉(だいいちせだいげんしろ、Generation I)は、本格的な商業利用以前の1950年代から60年代に作られた発電用の原子炉。アメリカ合衆国エネルギー省が次世代原子炉の概念を示すために定義した分類の一つ[1]。創初期の実証炉や早期原型炉に近いものがこのように呼ばれる。日本では動力試験炉[2]がこの世代に当たる。

1950年代半ばに提唱された平和のための原子力という考え方を基に発電用原子炉の開発が始まり、1950年から1960年にかけて軍事用炉の転用なども含め様々な種類の原子炉が開発された。しかしながら、多くの原子炉は発電用量が少なかった。

これらの原型的な原子炉は第2世代原子炉以降に続く原子炉のさきがけとなり、これらの技術や実績を利用して実際の商用発電のための原子炉の生産が始まった。

他の原子力発電所の第1世代原子炉が閉鎖されたのち、長きにわたって世界で唯一運用されてきたイギリス北ウェールズウィルファ原子力発電所[3]のマグノックス炉が2015年に全て閉鎖[4] されたことにより、全世界の第1世代原子炉は稼働を終了した。

第一世代炉の例

シッピングポート原子力発電所[1] 加圧水型原子炉
ドレスデン原子力発電所[1] 沸騰水型原子炉
コールダーホール原子力発電所[1] マグノックス炉(黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉→黒鉛減速ガス冷却炉)
オブニンスク原子力発電所[5] 黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉の原型

出典

  1. ^ a b c d “Nuclear Reactors: Generation to Generation”. Nuclear Reactors:Generation to Generation. AMERICAN ACADEMY OF AR TS & SCIENCES. pp. 3-4. https://www.amacad.org/pdfs/nuclearReactors.pdf 2017年4月23日閲覧。 
  2. ^ 動力試験炉 昭和38年版 原子力白書 原子力委員会 昭和39年(1964年)7月
  3. ^ Josie Garthwaite (2011年3月24日). “最新原発なら福島事故は無い?(1)”. ナショナルジオグラフィックニュース. http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/3997/ 2016年6月12日閲覧。 
  4. ^ “World's last operating Magnox reactor closes”. World Nuclear News. (2015年12月31日). http://www.world-nuclear-news.org/WR-Worlds-last-operating-Magnox-reactor-closes-31121501.html 2016年2月12日閲覧。 
  5. ^ 1951年1月1日着工、1954年6月1日運転開始

外部リンク

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「第1世代原子炉」の関連用語

第1世代原子炉のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



第1世代原子炉のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの第1世代原子炉 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS