レーザー‐れいきゃく【レーザー冷却】
レーザー冷却
レーザー冷却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:28 UTC 版)
「ボース=アインシュタイン凝縮」の記事における「レーザー冷却」の解説
詳細は「レーザー冷却」を参照 原子の極低温領域への冷却を可能とするレーザー冷却では、レーザー光による輻射圧で原子の運動を減速させる。原子の特定のエネルギーの2準位において、共鳴波長付近の光を入射すると、光子の吸収、放出により、原子は2準位間で遷移を繰り返す。下側準位にある原子は光子を吸収し、上側準位に励起する。逆に上側準位にある原子は一定時間後に光子を自然放出し、下側準位に戻る。レーザー冷却ではこの吸収、放出の過程が繰り返される。運動する原子の進行方向と対向する方向から光を入射すると、光子の吸収過程では、波数ベクトル k の光子が持つ運動量 ħk を原子が受け取る。一方、自然放出による光子の放出過程では、反跳により、放出された光子の波数ベクトル k' とは逆方向に−ħk' の運動量を受け取る。このとき、原子の単位時間あたりの運動量変化の平均が輻射圧となる。光子の吸収では必ず原子の運動と対向する方向に運動量変化を受け、原子は減速するが、光子の放出方向は完全にランダムであり、運動量変化は等方的となるため、その平均はゼロとなる。その結果、この過程の繰り返しによって原子の運動は減速される。
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