偏光勾配冷却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 10:12 UTC 版)
アルカリ金属原子等のように、レーザー冷却に用いる吸収線の下状態が角運動量を持つ場合、角運動量の差で顕れる偏光を光ポンピングによって分離することでさらなる冷却を可能とする。この方法は偏光勾配冷却、またはシシフォス冷却(英語版)(名前はギリシャ神話に登場にするシシフォスに因む)と呼ばれる。クロード・コーエン=タヌージによって開発され、この功績で1997年にノーベル賞を授与されている。過程ではドップラー冷却限界以下への冷却が可能である。この場合の冷却限界は光子反跳温度で与えられる。光子反跳温度は原子(イオン)が光を一回吸収あるいは放出する際の速度変化に対応する温度であり、大抵の場合マイクロケルビンかそれ以下である。このことから、偏光勾配冷却過程の冷却限界温度も数マイクロケルビン程度となる。
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