きょうしょうてん‐レーザーけんびきょう〔キヨウセウテン‐ケンビキヤウ〕【共焦点レーザー顕微鏡】
読み方:きょうしょうてんれーざーけんびきょう
共焦点レーザー顕微鏡
【英】Confocal laser scanning microscope
共焦点レーザー顕微鏡とは、レーザービームを用いて「共焦点方式」と呼ばれる方式で走査を行う顕微鏡のことである。光源から照射されるレーザーを、対物レンズを用いて焦点(ビームスポット)に絞り込み、それをサンプル面上に2次元スキャンすることによって、サンプル面からの反射や散乱光を光検出器で検出する。サンプル面上における焦点は結像面においても焦点となる。この焦点部分だけを選択して検出することから「共焦点」と呼ばれている。
共焦点レーザー顕微鏡の最大の特徴としては、一般の光学顕微鏡にはない3次元観察機能を持っていることである。また、分光器が組み込まれていることにより微小領域でのラマン散乱・蛍光を測定可能で、その3次元的な分布を得ることができる共焦点レーザー顕微鏡もある。
共焦点レーザー蛍光顕微鏡
共焦点レーザー顕微鏡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 10:17 UTC 版)
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共焦点レーザー顕微鏡(きょうしょうてんレーザーけんびきょう)とは、高解像度のイメージと三次元情報の再構築が可能な顕微鏡の一種。共焦点顕微鏡(Confocal microscopy)の主な特徴は、焦点距離がばらばらになるような厚い試料であってもボケのない像を得られることである。イメージは微小なポイント毎に撮られ、それをコンピュータで再構成して全体の画像が得られる。共焦点顕微鏡の原理自体はマービン・ミンスキーによって1953年に開発されたものであったが、理想に近い光源としてレーザーが一般化し共焦点「レーザー」顕微鏡となることで1980年代にようやく普及するようになった。通常のポイントスキャン型の他に、ニポウディスクを利用してスキャンする方式がある。
共焦点レーザー走査型顕微鏡 (Confocal laser scanning microscopy) とも呼ばれ、CLSM あるいは LSCM と略記される。
結像方式
共焦点レーザー顕微鏡では、レーザービームが光源の開口部から発せられ、対物レンズで標本に焦点を結び、その標本の発する蛍光を得る。蛍光とレーザーの反射光の混合した光が対物レンズによって再度集められる。その混合した光はビームスプリッターによって分離され、レーザー反射光は素通しして蛍光だけを検出装置に送り込む。ピンホールを通った蛍光は光検出装置(光電子増倍管やアバランシェ・フォトダイオード)が検出し、光の信号を電気信号に変換してコンピュータに記録する。
検出装置のピンホールは焦点のあっている位置から発せられる蛍光以外の光が内部に入るのを防ぐ。結果として厚みがある試料において、従来の顕微鏡よりも鮮明なイメージが得られ(光学的なスライス像)、厚みがない試料においても理論上若干分解能の向上したイメージも得られる。
レーザーは試料を走査していき、最終的に全体の画像を得る。各ピクセルの明るさは通常得られた蛍光の強さにほぼ比例する。ビーム走査はサーボ制御のミラーで行われる。この走査法は反応遅延が小さい。 走査速度を遅くすればノイズが少なく高解像度のイメージが得られる。顕微鏡のステージを上下させることで複数の焦点面から情報を集められる。複数の焦点面の二次元画像を重ね合わせることで、コンピュータは標本の三次元画像を作成することができる。
関連項目
外部リンク
- Confocal microscopy: protocols and resources
- 共焦点レーザー顕微鏡ギャラリ 東京大学 植物分子遺伝学研究室
- 共焦点顕微鏡 - 脳科学辞典
共焦点レーザー顕微鏡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 16:58 UTC 版)
詳細は「共焦点レーザー顕微鏡」を参照 光源としてガスレーザー、半導体レーザー、そして白色光源も光源として用いられる。レーザーを対物レンズから走査し、励起された試料から放出された蛍光(ないしは試料から反射した光)をピンホールを通した後に検出装置を用いて検出、コンピューター上にて画像を再構成する。ピンホールを用いることによって同一焦点(共焦点)面以外からの蛍光をシャットアウトすることができるので、開口数に依存した厚さの光学切片像を得ることができる。たとえばArレーザー(波長488nm)で開口数1.33のレンズを用いたときには厚さ約200nmの光学切片を得ることとなり、透過型電子顕微鏡には大きく劣るものの、従来の光学顕微鏡よりも高い空間解像力を容易に得ることができる。透過型電子顕微鏡の場合と比べて、試料作成が簡単であることも相俟って、1990年代以降、生物学分野にて飛躍的に普及した。欠点は価格が高いことである。 光学系としては、主に生物用に使用される蛍光用共焦点顕微鏡と、主に工業用に使用される反射型の共焦点顕微鏡の2種類がある。生物用は、細胞や組織の研究に、工業用は材料の表面検査や半導体の検査などに用いられている。 走査方式は、試料を固定した状態でレーザーをミラーや回転ディスクにより走査するビーム走査型と、光ビームは固定して試料(スライドガラス)を縦横に走査する試料走査型がある。後者はDNAマイクロアレイの測定などに使用されている。 前項に記述のある、コンピューターを使った画像処理による画質・分解能の向上は、共焦点レーザー顕微鏡でも同様に有効であり、光学限界に迫る、あるいはそれを超える空間解像力を得ることも可能になってきている。
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