再結晶とは? わかりやすく解説

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さい‐けっしょう〔‐ケツシヤウ〕【再結晶】

読み方:さいけっしょう

結晶を溶かし、その溶液を再び結晶させること。結晶中の不純物除かれるので物質精製利用される


再結晶

recrystallization
冷間加工などで塑性ひずみ受けた結晶加熱されるとき、内部応力減少する過程続いて、ひずみが残っている元の結晶粒から内部ひずみのない新し結晶発生し、その数を増すとともに各々次第成長して、元の結晶粒と置き換わっていく現象
備考再結晶を起こす温度再結晶温度という。この温度金属及び合金純度又は組成結晶内の塑性ひずみ程度加熱時間などによって著し影響を受ける。
recrystallization
冷間加工された金属内で、相の変化なしに、核生成及び成長によって新し結晶粒発達することを意図した熱処理

再結晶

金属常温曲げ加工すると、金属組織歪み(ひずみ)が生じます
この歪み金属硬化させます。これを加工硬化いいます

加工硬化進み歪み限界になると割れなどを生じ加工続けることが不可能に なってしまいます。この加工硬化解消するには金属組織たまった歪みストレス) を解消することにより、金属本来の柔軟性回復させることが出来ます
歪み解消によって金属組織規則正しい組織に戻ることを再結晶といい、 この再結晶に必要な熱処理温度再結晶温度いいます
再結晶温度材質ごとに違い、また加工度が大きいほど再結晶温度低く加工度の小さい物ほど再結晶温度高くなる傾向あります

※鉛・錫・亜鉛などは常温以下が再結晶温度なので、 常温加工して加工硬化しにくい材料です。

再結晶

塑性加工受けた金属は、加工により硬く歪んだ結晶が、ある温度以上に加熱すると元の柔らかさ戻ります。これは、金属特有の現象で、歪んだ結晶が熱により正常な結晶変化するためで、これを再結晶と言います。そして、再結晶が起こる温度のことを再結晶温度と言い場合350450です。

再結晶

英訳・(英)同義/類義語:re-crystallization

物質精製する方法一つで、溶液から結晶として回収することにより純度上昇する
「生物学用語辞典」の他の用語
実験方法装置単位など:  全圧  共焦点レーザー蛍光顕微鏡  再現性  再結晶  凝固点降下度  処理実験  分圧

再結晶

作者秋谷

収載図書遠い記憶
出版社企画集団ぷりずむ
刊行年月2003.4
シリーズ名ゆきのまち幻想文学賞小品集


再結晶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 21:35 UTC 版)

再結晶(さいけっしょう、recrystallization)とは、合成または抽出などによって得られた粗結晶(純度の低い結晶)をより良質で不純物の少ない結晶へと成長させるための操作である[1][2]。この語は、化学物理学金属工学材料工学)のほか、地質学でも用いられる[3]。温度を緩やかに下げることによってより大きな形のよい結晶ができ、 収集率も向上する[4]

化学

1 化合物(オレンジ部分)を容器に入れる。 2 適切な溶媒が選択され、溶媒(透明部分)を入れる。る。 3 加熱し飽和状態に溶解させる。 4 加熱によって溶解度が高まっていたため、温度が下がるにつれ溶解度が下がり物質が飽和し、容器の底などに目的とする物質が再結晶化する。理想的には不要な不純物は、まだ溶媒に多く溶けたままである。

化学における再結晶は、精製の方法のひとつ[5]

粗結晶を溶媒に溶かし、溶媒の蒸発、温度差や溶媒の混合比の変化による溶解度の差などを利用して結晶を析出させる。再結晶をする前に、ある程度目的物を単離して、純度を高くしておく必要がある。再結晶の収集率を高めるには不純物が混じっているものより、純度が高いほうのものの方が都合がよい。

適切な溶媒は対象をよく溶かすもので、混合した溶媒もよく用いられ、再結晶したい化合物の融点より沸点が10度以上低いことで、油状に溶けることを回避する[5]。次に加熱して最小量の溶媒に化合物を溶かすが、多くの溶媒には引火性と毒性の高い蒸気の危険性がある[5]。この時、その溶媒に不溶性の物質が混じっていると当然溶けないため、溶媒を過剰に追加してしまわないように注意が必要となる[5]。次に濾過を考慮し、というのは、さらなる溶媒の追加と、濾過装置を温めておく手間がかかるためである[5]。次に結晶化であり、放置して冷却、あるいはさらに低温に冷却、また種結晶(少量の目的とする物質)を加えたり、容器内をガラス棒でこすり結晶化を促したり、それも失敗すれば栓をして数日放置してみる[5]。最後に、濾過し、冷たい溶媒で洗い、乾燥させる[5]

沸点が低い、あるいは熱に安定しないものを精製するには、低温再結晶を行う[6]

方法1

  1. 粗結晶を、少量の溶媒に溶かす(溶け残りがあるようにする)。
  2. 水浴などで加熱する。溶媒還流し始めても溶け残りがあるようであれば、溶媒を足して完全に溶かす。
  3. 熱時濾過して、不溶物を除去する。
  4. すみやかに冷却する。結晶が出ないようなら冷蔵庫・冷凍庫でよく冷やす。
  5. それでも結晶がでなければ種結晶をいれるか、スパーテル(スパチュラ)で壁面をこすって刺激を与える。
  6. うまく結晶が出れば、桐山ロートなどを用いてろ取する。結晶が出なければ濃縮して 1 からやり直し。

方法2

  1. 粗結晶をできるだけ少量の良溶媒に溶かす。
  2. 水浴などで加熱する。ここに貧溶媒を少しずつ、溶液が微かに不透明になるまで加える。
  3. 良溶媒をごくわずか加え、再び透明にする。
  4. 熱時濾過する。以下方法1と同じ。

方法3

  1. 粗結晶を少量の溶媒に完全に溶かす
  2. 水浴などで加熱して、溶媒を飛ばして濃縮する。
  3. ある程度体積が減ってきたら加熱をやめて放冷する。以下方法1と同じ。

物理学(金属工学・材料工学)

常温で圧延などの加工によって変形した金属加工硬化(加工ひずみ)を起こし、物理合成によって合成したセラミックスや酸化物など粗結晶は結晶中に格子の歪みや、欠陥などが存在する。これをある温度まで加熱すると急に軟化し、変形した結晶が、多角形の細粒に分割結晶する。増加していた転位も消滅し、結晶粒は内部ひずみ(内部応力)を持たない安定したものとなる。金属工学・材料工学ではこれを再結晶と呼ぶ。再結晶が始まる温度を再結晶温度といい、金属の種類や加工の度合により異なる。再結晶の後もさらに加熱を続けると、結晶粒成長が起こる。再結晶温度以下での加工を冷間加工、再結晶温度以上での加工を熱間加工という。冷間加工では常に加工硬化が起こるので、焼なましによって内部応力を下げる作業が必要になる。

地質学

出典

  1. ^ Recrystallization” (英語). Chemistry LibreTexts (2013年10月2日). 2023年2月19日閲覧。
  2. ^ Crutchlow, Charlotte (2021年8月4日). “Lab Procedure: Recrystallization | Chemistry” (英語). ChemTalk. 2023年2月19日閲覧。
  3. ^ Recrystallization”. www.chemeurope.com. 2023年2月19日閲覧。
  4. ^ Recrystallization” (英語). Chemistry LibreTexts (2013年10月2日). 2023年2月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g J.Leonard、G.Procter、B.Lygo 2012, pp. 173–175.
  6. ^ J.Leonard、G.Procter、B.Lygo 2012, p. 177.

参考文献

  • J.Leonard、G.Procter、B.Lygo『研究室で役立つ有機化学反応の実験テクニック―実験の基本から不活性ガス下での反応操作まで』丸善出版、2012年。ISBN 978-4-621-08433-5  Advanced practical organic chemistry, 2nd ed, 1998.

関連項目


再結晶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/05 03:06 UTC 版)

精製」の記事における「再結晶」の解説

化合物溶媒加熱して溶かし、冷却した溶媒蒸発させたりすることでより純度の高い結晶を得る精製法

※この「再結晶」の解説は、「精製」の解説の一部です。
「再結晶」を含む「精製」の記事については、「精製」の概要を参照ください。

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再結晶

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 06:50 UTC 版)

名詞

 結晶さいけっしょう

  1. 一度溶媒に溶かした溶質再び結晶として取り出すこと。

関連語


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