さいげん‐せい【再現性】
再現性
再現性
再現性
科学実験で得られた結果が一度きりのものではなく、別の人が同じ条件で行えば、いつどこで行っても同じ結果が得られること。実験結果の信頼性を計るもっとも基本的な指標。
実験方法装置単位など: | 免疫電子顕微鏡法 全圧 共焦点レーザー蛍光顕微鏡 再現性 再結晶 凝固点降下度 処理実験 |
再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/19 08:03 UTC 版)
再現性(さいげんせい、英: reproducibility)とは、同一の特性が同一の手法[注釈 1]により発現するとき、その結果の一致の近さのことである。言い換えると、実験条件を同じにすれば,同じ現象や同じ実験が同一の結果を与える場合,再現性があるという[1]。 例えば、同一の手法を測定条件の変化した状況に対して適用することで、結果が測定に由来する人工産物でなく、再現性があると確認できる[2][3]。関連する概念は複製可能性 (replication) であり、サンプル・研究手順・データ分析手法に違いがあるとき、少なくとも類似しているが同一でない結果を、独立して達成する能力を意味する[要出典][4]。再現性と複製可能性は共に「科学的手法[注釈 2]」の主要な信念である[5]。再現された測定値は、研究者によって提供された生データやコンピュータ・プログラムに基づいていてもよい。再現性の研究は、メタサイエンスにおいて、重要なテーマである[6]。対立概念は、事象が再現しないことであり「一回性」「再現不可能性」などと呼ばれる[要出典]。
概説
異なる実験から得られた値が、同様の再現性のある実験の説明と手順にしたがって得られたとき、「commensurate(相応する[注釈 3])」という[7]。特定の実験的値は、異なる場所・異なる人物により複製された標本で測定された値または観測値に高い一致度がある場合、すなわち、実験値が高い精度を持つと判断できる場合に、「再現性がある」と言う[8]。どちらも再現性の重要な特徴である。
例
再現性は、科学実験に限定すれば、「実験を繰り返したときに一貫した結果が得られる程度[9]」とされる。 例えば(あくまで 「例えば」であるが)ある科学雑誌Nに、科学者Pによって発表された ある科学論文に「対象XをxグラムおよびYをyグラム用意して(Cという条件や手法を用いて)aという温度まで加熱するという実験を行ったら、Mという物質がmグラム生成した。」などと書かれていた場合に、(別の実験者Qが)XやYを同量用意し、Cやaを当該論文と全く同一になるようにして実験を行った場合に、Mという物質がmグラム生成する結果が得られたのは、何回中何回なのか(100回中96回なのか、100回中10回なのか、100回中0回(1回も再現しなかった)なのか)という程度を示す概念である。(また、Mという物質がmグラムでなく、nグラム生成し、論文とは何パーセント異なる量で生成したのか、何割程度異なる量でしか生成しなかった、というような程度も指しうる)
脚注
注釈
出典
- ^ 日本化学会, ed. (2005), 第2版 標準化学用語辞典, 丸善出版, ISBN 978-4-621-07531-9
- ^ JCGM 100:2008. Evaluation of measurement data – Guide to the expression of uncertainty in measurement, Joint Committee for Guides in Metrology, (2008)
- ^ Taylor, Barry N.; Kuyatt, Chris E. (1994), NIST Guidelines for Evaluating and Expressing the Uncertainty of NIST Measurement Results Cover, Gaithersburg, MD, USA: National Institute of Standards and Technology
- ^ Leek, Jeffrey T; Peng, Roger D (February 10, 2015). “Reproducible research can still be wrong: Adopting a prevention approach”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 112 (6): 1645–1646. arXiv:1502.03169. Bibcode: 2015PNAS..112.1645L. doi:10.1073/pnas.1421412111. PMC 4330755. PMID 25670866 .
- ^ F., Repko, Allen (1959). Interdisciplinary research : process and theory. Szostak, Rick (Third ed.). Los Angeles. ISBN 9781506330488. OCLC 936687178
- ^ “Metascience: Reproducibility blues” (英語). Nature. pp. 619–620 (29 March 2017). doi:10.1038/543619a. 9 May 2019閲覧。
- ^ “Definition of COMMENSURATE”. Definition of Commensurate by Merriam-Webster (2019年1月9日). 2019年1月9日閲覧。
- ^ Subcommittee E11.20 on Test Method Evaluation and Quality Control (2014), Standard Practice for Use of the Terms Precision and Bias in ASTM Test Methods, ASTM International, ASTM E177(
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- ^ Oxford Dictionaries "reproducibility" 1.1
関連項目
再現性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 19:34 UTC 版)
ここでの再現性は画質とほぼ同義である。写真の画質を判断する基準は多数あるが、分解能、コントラスト、色再現性が骨子と考えられる。ここでは分解能をとりあげる。これについて、その写真が何個の画像セル(ピクセル)で構築されるかで計ろうとする試みがある。 フィルム写真とデジタル写真を比較するとき、フィルムを撮像素子の画素数に換算するとどの程度かと考えがちだが、何よりもまず両者はあまりに異なる。そのため、フィルムとデジタルで分解能を比較をするのは容易でない。分解能の測定はさまざまな条件に依存する。フィルムの場合、フィルムの寸法・サイズ、粒状性などのフィルムの性能、用いたレンズの性能に依存する。フィルムにはピクセルが存在しないため、フィルムにピクセルが存在するものとして計測した分解能は目安に過ぎない。デジタルカメラではセンサー画像の補間に用いる画像処理アルゴリズム、センサフィルタのバイヤーパターン(Bayer pattern)の効果、記録画質などが関係する。加えて、デジタルカメラの撮像素子や表示装置の画素の配列は、規則正しい繰り返しパターンを持つため、モアレを生じる場合があるが、フィルムの感光粒子は不規則に並んでいるためこのような現象は起こらない。24×36mm(ライカ)判カメラで撮影した写真の解像度評価はまちまちである。たとえば、10メガピクセルという評価がある。より粒子の細かいフィルムを使うと、この数字は上がり、低級の光学系の使用や劣悪な照明や不適切な現像がこの数字を下げることもあり得る。この評価は2007年の最新鋭デジタルカメラはライカ判カメラよりも優れているという評価を含意している。ただし、35mmフィルムは一般消費者向けのフォーマットである。プロ向けフィルムカメラとして中判カメラ、大判カメラがある。これらに先の数値を単純にあてがうと、2007年現在の最新鋭デジタルカメラより優れた分解能を持つことになる。具体的には、6×4.5cm判のフィルム写真は約36メガピクセル、4×5in判は約130メガピクセルである。8×10in判は約540メガピクセルになる。しかし、20メガピクセルや7メガピクセルという評価もある。ライカ判フイルムはISO50クラスの低感度で20メガピクセル相当というのは銀粒子のサイズなどから計算されたものであり、実効的には空間周波数的にみて、色調的・階調的に平坦な特性を有するのはそのおおむね40%程度であり、それ以下の細部描写は空間周波数に比例して劣化してくることから、およそ8メガピクセル程度とみるのが正しい。やはりフイルム感光粒子の並びやサイズの不均一性や分散性・乳剤層の厚みによる焦点のにじみなどの物理的限界からみてもこれは疑いようがないといえる。 高性能レンズを用い理想的な露出で撮影した現代の超微粒子白黒フィルムの分解能は、30メガピクセル以上のファイルサイズにおいて適当な細かさが得られる。一般消費者向けライカ判カラーフィルムでは12メガピクセル以上に、安価なライカ判フィルムカメラ(コンパクトカメラ)でも8メガピクセル以上に価し得る。 画像の表示に用いる媒体も考慮に入れる必要がある。たとえば、せいぜい2メガピクセル程度のものが主流であるテレビやコンピュータのディスプレイで写真を表示するのみであれば、ローエンドのデジタルカメラで出せる解像度でさえ十分と言える。4×6inのプリントに出力する場合に限っても、デジタルとフィルムの間に知覚できる差はある。出力媒体が大きな広告板なのであれば、高い解像度をもった媒体か大きな判が必要になるだろう。
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