骨子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:07 UTC 版)
高岩淡・深作欣二・日下部五朗に松平乗道が加わり、企画会議が開かれた。彼らは岡田茂の言う忍者映画を今更やるのはおもしろくないと考え、日下部から時代劇で『仁義なき戦い』のような陰謀と裏切りが錯綜する抗争を繰り広げる、松平からは徳川三代将軍の兄弟争いとそれぞれ提案された。家光を将軍にするために暗躍する柳生但馬守宗矩を悪の主人公に、父の下で働きながらその非情さに怒って最後には裏切る柳生十兵衛三厳を善の主人公にしながら、その頃の歴史上の人物が入り乱れる構成にしようと決定。ラストをどうするかで紛糾したが、日下部は「悪い奴には死んでもらうしかない」、「父に怒った十兵衛が、将軍となった家光の首を飛ばす」とアイデアを出した。こうして前代未聞の大どんでん返しの結末が出来上がり、本作の骨格が固まる。『ゴッドファーザー』の「マフィアが言うことを聞かない相手の愛馬の首を斬り、彼が起床するとベッドにその首が血まみれで包まれてる」という内容が日下部は大好きで、前年の『日本の首領』で取り入れていたものの、そのシーンを物足りなく思っていた。「(宗矩にとって)最も大切なもの(家光)の首が飛ぶからおもしろい。これくらいのことをやらないと、今の客は驚かない」と日下部は主張し、言われた深作も「あれだけ魑魅魍魎が出てくると、それぐらいのエンディングでないと収まりがつかない」と述べている。 本作に乗り気満々の深作欣二は劇画『ドーベルマン刑事』の映画化中、千葉真一(同作主演)と深作を表敬訪問した作者の平松伸二に「『ドーベルマン刑事』もいいんだが、この後に撮る『柳生一族の陰謀』ってのが、これまた面白くなりそうでねえ~!」と話しており、平松は「『ドーベルマン刑事』より、(本作ばかりを)熱く語っていた」と証言している。一緒に脚本を手掛けた野上龍雄や松田寛夫とも、「スムーズに執筆が進んだ」と深作は回想していた。徳川家光を吃音というキャラクターにしたのは、「自身が吃音である野上のアイデア」と井上淳一は紹介しているが、松方弘樹は「弟の徳川忠長はいい男で、家光は人望がなく、風貌もよくないという設定なので、『顔に痣があり、吃音でやりたい』と深作欣二監督に言うと、『おお、いいな』と乗ってくれた」と語っている。本作タイトルは岡田がつけた。
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