魑魅魍魎
魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、古代中国の山林や水辺に棲むとされた妖怪の総称である。これらの妖怪は、人間に害をなす存在として恐れられていた。また、魑魅魍魎は、比喩表現としても用いられる。具体的には、人間社会の中に潜む悪しきものや、困難な状況を指す際に用いられる。例えば、「魑魅魍魎の巣窟」と表現すると、悪事がはびこる場所や困難な状況を指す。このように、魑魅魍魎は、具体的な妖怪を指す語として、また、比喩表現としても広く用いられている。
魑魅魍魎
「魑魅魍魎」とは、化け物、妖怪、得体の知れない不気味な存在、人に害を及ぼす奇怪な存在、などの意味で用いられる表現である。特に比喩的に「利権や政治的な思惑が交錯する世界で私欲のため人を食い物にする者ども」を指す表現として用いられることが多い。
「魑魅魍魎」読み方は「ちみもうりょう」である。
本来「魑魅魍魎」は、さまざまな化け物、怪物、妖怪变化などを総称する言葉である。現代ではもっぱら比喩的な意味で用いられる。
「魑魅魍魎」は、「魑魅」と「魍魎」からなる言葉である。「魑魅」も「魍魎」もどちらも「化け物」を意味する語である。特に「魑魅」は山の化け物を指し、同じく「魍魎」は川の化け物を指す、とされる。要するに「魑魅魍魎」は自然のあらゆる部分から湧き出た物の怪の総称である。
現代では、オバケや妖怪の存在に言及することは稀であり、もっぱら比喩的な意味で用いられる。すなわち、うごめき、のさばり、はびこり、跋扈する、おびただしい数の、奇怪で、不気味で、恐ろしいもの。
「魑魅魍魎」は古代中国に起原をもつ言葉であり概念である。「魑魅魍魎」という四字熟語の形で記載された古い例としては紀元前の書物「春秋左氏伝」などが挙げられる。この他「三国志」や「西遊記」などにも「魑魅魍魎」の語が見出だせる。
魑魅魍魎の類義語
魑魅魍魎の類義語は、妖怪変化や百鬼夜行、異類異形が挙げられる。百鬼夜行は、人間離れした奇怪な姿の鬼たちが夜中にぞろぞろと群れをなして歩き回ることである。このことから、百鬼夜行は、多数の人々が恥ずかしげもなく堂々と悪行をはたらくことを意味することもある。異類異形は、この世の者とは思えない不気味な容姿の者を指す。魑魅魍魎も、百鬼夜行と同様に、化け物の意味から転じて、私利私欲のために悪巧みをする人間を指すことがある。魑魅魍魎がこの意味を表す使い方の場合、跳梁跋扈という言葉に似ているとも言える。跳梁跋扈は、悪人が我が物顔にのさばる様子を示す四字熟語である。魑魅魍魎を用いた例文、使い方
魑魅魍魎を用いた例文としては、「悪徳企業の魑魅魍魎どもが利権を貪り食っている」や「魑魅魍魎がはびこる世の中を未熟な若者が渡っていくのは大変だ」などが挙げられる。前者は魑魅魍魎が私利私欲に溺れた人間を指し、後者では隙あらば他人に襲いかかろうとする得体の知れない不気味な存在を示している。魑魅魍魎
「魑魅魍魎」とは、色々な種類の妖怪や化け物のことを意味する表現である。
「魑魅魍魎」とは・「魑魅魍魎」の意味
「魑魅魍魎」とは、人間に害悪をもたらす化け物や妖怪の類を意味する表現である。また、表にはっきりと姿は現さないが、私利私欲のために暗躍する者を比喩的に表現している言葉でもある。「魑魅魍魎」の語源・由来
「魑魅魍魎」の由来は、中国の歴史書の「春秋左氏伝」である。同書には「人々が鬼神の絵型を準備しておくことで、山林に入っても魑魅魍魎に遭遇することはなくなった」という記述がある。「魑魅魍魎」の熟語・言い回し
「魑魅魍魎が跋扈する」とは
「魑魅魍魎が跋扈する」とは、様々な化け物、妖怪の類いが棲みついて好き勝手に振る舞っているさまを意味する表現である。そもそも「跋扈」は魚が竹籠を飛び越えて跳ねる事を意味し、そこから派生して好き勝手に振る舞うという意味で用いられるようになった。例えば、「この業界は不正や癒着が常態化していて、魑魅魍魎が跳梁する状態だと言って過言ではない」というように用いられる。
「魑魅魍魎が跳梁跋扈する」とは
「魑魅魍魎が跳梁跋扈する」も「魑魅魍魎が跋扈する」と同義であり、私利私欲のために暗躍する悪人がそこら中にいて、好き勝手な振る舞いをしているさまを意味する表現である。例えば、「私は、不正が横行していて魑魅魍魎が跳梁跋扈している世界で働いている」というように用いられる。
「魑魅魍魎の世界」とは
「魑魅魍魎の世界」とは、文字通り、そこら中に妖怪や化け物などの不思議な生き物が存在する世界のことを指す表現だ。あるいは、自分の利益のために狡猾に人を出し抜いて悪だくみをする化け物のような人間がたくさんいることを比喩的に表現している。例えば、「この世の中には目に見えない精霊や化け物が存在していて、まさに魑魅魍魎の世界だと感じる」というように使われる。「魑魅魍魎」の使い方・例文
「魑魅魍魎」という言葉は、日常会話で悪い政治家、胡散臭い世界を揶揄して用いられるケースが多い。つまり、むやみに使うと失礼になってしまうので気を付けた方が良い。・私が所属している部署の社員は何かにつけて自分のことを優先して文句ばかり言ってくるので、本当に魑魅魍魎ばかりだと感じる。
・この業界は魑魅魍魎の巣窟だから、極力、関わらない方が良いと思う。
・政治の世界は魑魅魍魎が跳梁跋扈しているので、息子には別の道を選んでほしい。
・先日、電車に乗って友人と美術館に赴いたのだが、魑魅魍魎が描かれた古い絵画がとても印象的だった。
・仕事をしていると周囲の社員が全員、化け物の顔のように見えてきて、実は会社には魑魅魍魎しかいないのではないかと妄想するようになった。
・子供の頃、学校でクラスメートにいじめられていて誰も手を差し伸べてくれなかったので、この世の中は魑魅魍魎しかいないと思っていた。
・政治家は自分のことだけしか考えず、ろくに仕事をしていないので、政治の世界は魑魅魍魎の住処と思われても仕方ない。
・このドラマは魑魅魍魎な人間関係が面白く、現実世界から逃避できるとたくさんの視聴者を釘付けにした。
・先日、久しぶりに東京に遊びに行ったのだが、魑魅魍魎と形容できるような変なファッションをしている若者が多くてびっくりした。
・国際社会は魑魅魍魎が跋扈しているので、その中で生き残っていくのは大変だと思う。
魑魅魍魎
魑魅魍魎
魑魅魍魎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/03 16:50 UTC 版)

魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、山の怪物や川の怪物。様々な化け物妖怪変化。魑魅は山の怪、魍魎は川の怪であり[1]、一般には山河すべての怪として魎魅魍魑の名で用いられることが多い[2]。
解説
魑魅
魑魅とは、山林の異気(瘴気)から生ずるという怪物のことと言われている。顔は人間、体は獣の姿をしていて、人を迷わせる。平安時代中期の辞書『和名類聚抄』ではスダマという和名の鬼の一種とされ、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』では山の神とされる[3]。
魍魎
魍魎は川や木石の精霊とされる。山・水・木・石などあらゆる自然物の精気から生じ、人を化かす。また、死者を食べるとも言われ、姿かたちは幼児に似ていて、2本足で立ち、赤黒色の皮膚をして、目は赤く、耳は長く、美しい髪と人に似た声をしている。これらの外見は鬼を思わせる。『和漢三才図会』では水神、古代中国の書『春秋左氏伝』では水沢の神とされる[3]。虎を恐れるとされ、虎の像と柏を置いておくと避けられる。
語源
語源に関しては諸説あるが、古代中国の妖怪か精の一種とされる。『史記』(五帝本紀)によると、魑は虎の形をした山神、魅は猪頭人形の沢神とされ、ここから色々な獣の属性を併せ持った怪物のイメージが膨らんだ、と推測される。
通例
「魑魅魍魎が跋扈する政治の世界」などと、政治的パワーゲームが蠢く様を指したり、「中東の輻輳した魑魅魍魎の世界」など、イスラム原理主義やオイルマネーが渦巻く有象無象の状態を指したりする[独自研究?]。
脚注
関連項目
魑魅魍魎
魑魅魍魎と同じ種類の言葉
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