不気味なものとは? わかりやすく解説

不気味なもの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 20:55 UTC 版)

シュルレアリスム」の記事における「不気味なもの」の解説

フロイト1919年著した小論「ウンハイムリッヒ」(不気味なもの(ドイツ語版))は、「驚愕もたらすもの、不安をかき立てるもの、ぞっとするような恐ろしさ与えるもの」として、シュルレアリスム重要な概念一つである。フロイトはこの論文で、ドイツ・ロマン派の作家E・T・A・ホフマン短編小説『砂男』を例に挙げて分析している。ハンス・ベルメール手足切断され不気味魅力的な人形球体関節人形)を作るきっかけとなったのも、ホフマンのこの作品基づいてジャック・オッフェンバック作曲したオペラホフマン物語』に登場する自動人形オランピア触発されてのことであったマグリット最初シュルレアリスム作品とされるのは1926年制作の《迷え騎手》であるが、1926年から27年にかけて制作され作品食べ少女》や《殺意の空》には「気持ちかき乱すような」イメージ、特に血を流す死んだ多く描かれている。また、食べ少女》の副題は「快楽」であり、同郷人の詩人ヌージェは、マグリットはこの作品フロイト快楽原則をさらに探求し、「快楽残虐さ」を描いているという。 アルフレッド・ジャリソポクレスの『オイディプス王』に着想得て書いた演劇ユビュ王』(1896年刊行)は、シュルレアリスムの先駆不条理演劇先駆とされる作品であり、ミロ一連の「ユビュ」作品エルンストの《オイディプス王》(1922年)、《ユビュ皇帝》(1923年)など、人間の心の混沌とした未知の領域グロテスク不気味な形象としてシュルレアリスト繰り返し取り上げた題材である。写真家ドラ・マールフォト・モンタージュ作品ユビュ王肖像》(1936年)では、アルマジロ胎児撮ったネガフィルム使い、象のような形象により不気味さが強調されている。ヴィクトル・ブローネル水彩K氏奇妙な事例》(1934年)も「ユビュ王」に着想を得た作品で、当時欧州台頭しつつあった独裁者不気味な形象としてブルトン絶賛された(同じ年に油彩ヒトラー》も発表している)。同じく1934年制作油彩K氏集中力》ではさらに太った男性の裸体セルロイド製の小さい人形をたくさん貼り付けて不気味さを強調している。 このほか、ピカソ描いた牛頭人身怪物ミノタウロス」、アンドレ・マッソン同じくミノタウロス」や恍惚状態神託告げたピューティアー」、または迷宮モチーフミロ1935年から1936年にかけて制作した一連の絵画変身』などの神話・伝説形象モチーフ無意識の表象として取り上げられている。 また、女性眼球剃刀で切るシーンで始まるブニュエルダリの『アンダルシアの犬』(1928年)は、「不気味なもの」を最も強力に表現した映画として、後のヒッチコック監督作品、特に『鳥』1963年)などに影響与えることになる。

※この「不気味なもの」の解説は、「シュルレアリスム」の解説の一部です。
「不気味なもの」を含む「シュルレアリスム」の記事については、「シュルレアリスム」の概要を参照ください。

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