癒着
癒着とは、癒着の意味
癒着とは、離れているはずの事物の密接な結びつきを意味する言葉のことである。本来は臓器や皮膚などの生体組織が物理的にくっついている様を表す言葉であるが、人が利害を共にするために結託する様子の比喩で使われることが多い。癒着状態でなくなる時も同様に、解消やはがすといった比喩が用いられる。英語だと前者は付着を意味する adhesion、後者は共謀という意味の collusion とはっきり分けられる。
本来の癒着の語は、どのような結びつきに対しても使用できるのではなく、あくまでも望ましくない形に限定される。生体組織が対象になるため、ケガや病気などで引き起こされた異常を表すために使われることが多い。
何らかの意思を持って敢えて結び付けられることは生着と呼ぶ。人間関係の比喩で使用する場合も同様に、望ましくない負の意味で使用される。良くない結びつきであれば規模やそれぞれの関係性に特に制限はないが、政治面で使用されることが特に多い。そのため組織ぐるみや権力者の悪事と組み合わせて使われることが多い。
ゆ‐ちゃく【癒着】
癒着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/09 19:49 UTC 版)
癒着 | |
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分類および外部参照情報 | |
MedlinePlus | 001493 |
癒着(ゆちゃく)とは、本来離れているべき組織同士が炎症により、臓器・組織面がくっついてしまうこと。不本意な意味の場合に使われる。
なお不本意以外の場合で、離れていた組織が接着する用語は、
- 癒合: 同種の組織同士が接着すること。傷が治って、傷口がふさがること。骨折した骨が正しくつながること。
- 生着: 離れていた組織に別の組織を固定させること
概説
手術によって傷ついた正常な組織同士を縫合すると、その組織はくっついて自然に治癒(創傷治癒)する。しかし、治癒の過程で本来は離れている組織同士がくっつくことがあり、一般にはこれを「術後癒着」と呼ぶ。
開腹手術では、臨床的に問題とされない癒着を含めると90%以上の確率で癒着を生じるとされており、癒着防止目的にさまざまな対策が行われている。
癒着防止のために行われる処置
比喩的用法
企業や政界、官僚などにおいて、本来距離を置くべき存在であるものが、好ましくない状態で強く結び付いていることを、批判的に「癒着」と呼ぶ(行政機関・公務員・政治家が、利害関係のある民間企業と慣れ合うなど)。
タニマチ関係や、枕営業などで贔屓される行為も「癒着」と呼ぶ。
関連項目
「癒着」の例文・使い方・用例・文例
- 私たちはその癒着を剥離した。
- おならがあれば腸が癒着していないことになります.
- 兵器製造業者と政府高官が癒着していると非難された.
- 肺が肋膜に癒着する
- 傷口が癒着する
- 警察との癒着した申し合わせ
- 骨の癒着を意図した間接の外科的固定術
- 癒着する傷の端
- 癒着した骨
- 歯が癒着して形成されたオウムのようなくちばしを持つけばけばしい熱帯魚
- (赤ん坊の臍が癒着するまでのように)腹部の周りに巻く布製の帯
- 羊の赤血球を癒着させる異好抗体を検出する血液検査
- 着生のつる植物か高木で、気根が支持木の幹の下方へ広がり、その周りに癒着して最終的には木を絞め殺す
- 溶液中に浮遊する小粒子が癒着したもの
- 骨関節の異常な癒着と硬直
- 2つ以上の組識の異常な癒着
- 外傷、手術、緑内障や白内障の合併症で生じる虹彩、水晶体、角膜の癒着
- 虹彩と角膜の癒着
- 虹彩と水晶体の癒着
- 教会と国家の癒着は避けられない
癒着と同じ種類の言葉
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