赤ん坊とは?

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あかん ぼう -ばう [0]赤ん坊

体が赤みがかっているからいう
生まれ間もない子。あかちゃん。あかご。あかんぼ。


赤ん坊

★1.生まれその日立ち上がり歩行する赤ん坊。

黄金伝説3「聖ニコラウス聖ニコラウス(=サンタ・クロース)は、生まれその日産湯をつかわせようとすると、盥の中にすっくと立った。

ジャータカ因縁物語」 ボーディサッタ(釈迦)は、誕生の日に大地に立ち、北へ7歩あゆんで「私は世界第一人者である。最年長者である。最優者である。これは最後生存である。いまやふたたび生存に入ることはない」に始まる言葉誕生偈)を発した〔*今昔物語集1-2に類話〕。

ヘルメスへの讃歌 ヘルメスは、生まれその日揺りかご抜け出しアポロンの飼っている牛50頭を盗み出した〔*ギリシア神話アポロドロス)第3巻第10章に同記事〕。

★2a.言葉を話す赤ん坊。

コーラン19マルヤム1635 未婚マルヤム(=マリア)が子供産み一族人々から非難される。マルヤムは「この子直接話してほしい」と考え子供を指さす。皆は「まだ揺籃中にいる赤ん坊と、話などできるものか」と言う。するとその子イーサー(=イエス)は、「私はアッラーの僕(しもべ)です。アッラーは私に啓典(=コーラン)を授け、私を預言者にして下さいました」と語り始めた。

神仙伝巻1「老子老子の姓は「」である。一説に、母親(すもも)の木の下に行った時に老子産み落とした。老子生まれるとすぐものを言い、の木を指さして「これを我が姓となすべし」と言った

天才バカボン赤塚不二夫)「しゃべりハジメなのだ」「ボロショイサーカスの天才児バカボンの弟ハジメちゃんは天才児で、生後週間で話をするようになる。パパは感心して、「わしゃ13ではじめてしゃべったのに」と言う〔*ただし「わしの生まれたはじめなのだ」では、パパ生まれてすぐ歩き天上天下唯我独尊と言うなど、ハジメ上の天才児だったことになっている〕。

日本書紀22推古天皇元年4月 聖徳太子は、母の皇后宮中巡行して厩(うまや)の戸口に到った時、誕生した。聖徳太子生まれてすぐものを言うことができ、優れた智恵があった〔*成人すると、1度10人の訴え聞き分けた〕→〔声〕9b。

★2b.生まれてすぐ予言をする赤ん坊。

小松左京自伝第1章 太平洋戦争敗色濃厚になった頃。誕生たばかり赤ちゃんが、「おぎゃー」と泣かずに、「日本負けます」としゃべった、という不吉な噂が聞こえてきた。どこかの「咲かずの」が咲いたので、戦争は終わるという噂も流れてきた。

生まれてすぐ予言をするのは、→〔火事〕8aのくだん(水木しげる図説日本妖怪大全』)と同様である。

★2c.しゃべれるのに黙っている赤ん坊。

聊斎志異巻11-439「汪可受」 湖広黄梅県の汪可受は、3度転生覚えていた。最初は寺で勉強していたが、他人騾馬(らば)を横取りしたため騾馬生まれ変わった次いで農家の子として生まれたが、生まれてすぐにしゃべったので、父母が「不祥だ」と言って殺してしまった。今世では汪秀才の家の男児として生まれ誕生時から何でもよくわかっていたが、殺されないよう用心して、ものを言わずにいた。彼は唖と見なされた〔*3~4歳を過ぎた頃、話すことも読み書きもできることを示して、父親喜ばせた〕。

★2d.「わたしの父母は、あなた方ではない」と言う赤ん坊。

和漢三才図会巻第8・人倫親族「ふたご」 ある書にこういう話がある。〔第26代〕継体天皇12年A.D.5183月3日子(まりこの)皇子生まれた。生まれた時、すでに歯牙があり、6ヵ月ものを言うことができた。そして言うことには、「わたしの父母は、あなた方ではありません。吾が父は、三国春香というものです」と。天皇三国春香召して問うと、春香は「臣に一子がありましたが、去年正月、年5歳で眠ったまま死にました」と答えた。天皇は、千町の田を添えて、皇子春香に賜った。皇子春香夫婦の家に住み、父母対するごとく仕えた。

蘇生して、「ここは自分家ではない」と言う人→〔蘇生者の言葉〕1。

★3.生まれ時のことを知っている赤ん坊。

仮面の告白三島由紀夫)第1章 「私」は自分生まれ時の光景見た産湯を使わされた盥の内側から見ると、ふちにほんのりと光がさし、木肌がまばゆく黄金でできているようだった〔*しかし「私」は午後時に生まれたのであり、さしてくる日光のあるはずがなかった〕。

ブリキの太鼓グラス第1部電球オスカルは、精神発育誕生の時すでに完成していた。彼は生まれ落ちるとすぐ、産室の2個の60ワット電球と、そこへ飛んで来た見て、「この子3歳になったらブリキの太鼓を買ってやろう」という父母会話を聞いた。

★4a.抱くと重くなる赤ん坊。

梅津忠兵衛のはなし』小泉八雲日本雑録』) 神の化身ある女が、若侍梅津忠兵衛に赤ん坊を抱かせる。赤ん坊はどんどん重くなって、250キロ以上にもなる。赤ん坊の重さお産重さであり、陣痛苦しむ某家の母親の、まだ生まれていない赤ん坊を、梅津抱いているのだった梅津が「南無阿弥陀仏」と唱えると、仏が助け来て、某家では赤ん坊が無事に生まれた。同時に梅津の手の中の赤ん坊は姿を消した。

*「出産苦しみ」=「赤ん坊の重さ」と類似の発想で、「世界苦しみ」=「わらんべ重さ」という物語もある→〔背中〕1aの『きりしとほろ上人伝』(芥川龍之介)。

子泣きじじい水木しげるカラー妖怪画談』) 山奥で「オギャー、オギャー」と赤ん坊の泣き声がする。旅人が「どうしてこんな所に赤ん坊がいるのだろう」と思って抱くと、赤ん坊はしがみついて離れない逃げようとしても、重さ50貫にも100貫にもなって、抱いた人は動けなくなってしまう(徳島県伝説)。

★4b.産女(うぶめ)の赤ん坊。

産女(うぶめ)伝説 お産死んだ女幽霊を「産女」という。ある男が、正月14日夜に便所に行くと、若い女の幽霊現れ、「赤ん坊を抱いてくれ」と頼む。赤ん坊はだんだん重くなるが、男は我慢して抱く。女の幽霊は、「赤ん坊を抱いてくれた礼に、金が欲しいか、力が欲しいか」と問う(山形県最上郡豊田村)→〔二者択一〕1a。

今昔物語集巻27-43 9月下旬暗夜産女が出るという川を、平季武が1人で渡る。無事に渡り終え、向こう岸から引き返すと、川の中程産女現れ、「これ抱け」と言って赤子を季武に手渡す。季武は赤子抱き、岸へ向かう。産女は「子を返せ」と言って追うが、季武は取り合わずに陸へ上がる。館へ帰って見ると、赤子木の葉に変じていた。

和漢三才図会巻第44・山禽類「姑獲鳥(うぶめどり)」 九州の人が言うには、姑獲鳥は姿も声もに似ており、小雨降る闇夜に、燐火とともに姿をあらわす。子を連れ婦人に変じ、人に遇うと「子を負うてくれ」と頼む。恐れ逃げる人寒気に襲われ高熱が出て、死ぬことがある強剛な者が頼み聞き入れて子を負うてやれば、危害加えない。人家近づく背中軽くなり、子は姿を消している。

★5.天界異郷存在が、男の赤ん坊の形で地上派遣される。赤ん坊は地上成長し、天界へは帰らない

古事記上巻 高天原アマテラスアメノオシホミミに、「地上を治めよ」と命じた。アメノオシホミミ地上降りる準備をしている間に、彼に新たな息子ニニギノミコト誕生した。そこでアメノオシホミミに代わって、ニニギノミコト地上派遣された〔*嬰児の姿で降臨したと考えられる〕。ニニギノミコト地上降りた後、コノハナノサクヤビメ結婚し、そのまま地上にとどまった。

失楽園ミルトン)第3巻 天上界王座に神が坐し、自らが創造した世界を見下ろして、「悪魔人間堕落させるであろう」と予言する。神の右手坐す御独子(おんひとりご)が、「私が地上降りて、人間たちを救いましょう」と申し出る。神は御独子に、「受肉し、処女の子として地上誕生せよ」と命ずる〔*御独子はマリア胎内宿り、そこから赤ん坊として出現し、イエス・キリストとして地上で生を終える〕。

桃太郎昔話) ある所に爺婆がいた。婆が川で洗濯をしていると、川上(=異郷)から流れて来る。の中からは男の赤ん坊が現れ、「桃太郎」と名づけられる桃太郎成長後、・雉・供に鬼が島行き鬼退治をする。桃太郎宝物土産に持って帰り天子様からも褒美をもらい、爺婆一生安楽暮らしをさせた(青森県三戸郡)。

天界釈迦は自らの意志で、地上に赤ん坊として生まれ出た→〔天人降下〕4aの『今昔物語集』巻1-1

★6.天界から女の赤ん坊の形で地上に送られ、成長後も地上にとどまって、天界へは帰らない

『瓜姫物語御伽草子) 子のない翁・媼がいた。翁が畑の瓜を取ってこのようなかわいい子を持てば嬉しかろう」と言い、媼が瓜を塗に入れてしまっておく。後、翁・媼は、天のはからいで子を授かる夢を見、塗取り出すと、美し女児生まれていた。女児成長後、守護代奥方となる。翁・媼は国の総政所(まんどころ)をたまわって、豊かに暮らした。

★7a.天界から女の赤ん坊の形で地上に送られるが、成長後、地上にとどまることなく、天界に帰ってしまう。

竹取物語翁が竹の中から、3寸ほどの大きさ女児を見つける。彼女は美しく成長し、「かぐや姫」と名づけられる。帝をはじめ多く男たち求婚するが、かぐや姫はすべて拒否する。実はかぐや姫は、天上で罪を犯したため地上に送られたのだった。その償いの期間が終了し、8月15日の夜、月世界天人たちが迎え来てかぐや姫昇天した。

★7b.赤ん坊が天に昇って星となった。

和漢三才図会巻第1・天部「星隕(お)ちて石と成る」 〔第7代〕孝霊天皇36年B.C.255正月、倭迹日襲姫命(やまとひそひめのみこと)が夫なくして孕(はら)み、奇児を産んだ。胞袋(えなぶくろ)は玉のようで、清通(すきとお)った中に男がいて、胞を破ろうとしていたが破れず、その夜飛んで天に昇って星となった。今、銀河にある袋星(はららぼし)がこれである〔*袋星はどの星のことなのか不明〕。

*『日本書紀』巻5の倭迹迹日百襲姫命(やまとととびももそひめのみこと)とは別の人物であろう→〔箱〕2。

★8.赤ん坊に将来進路を選ばせる。

紅楼夢第2回 賈宝玉の満1歳の誕生日。「この子将来、何に向くか試してみよう」と、父が、この世ありとあらゆる品々(=筆や硯などの文具おもちゃの刀や弓、その他いろいろなもの)を並べた。すると賈宝玉は、文具玩具には目もくれず、すぐさま手をのばして紅白粉べにおしろい)・簪(かんざし)・腕輪などをつかんだ。父は「いずれ放蕩者になるのが落ちだ」と言って、ひどく立腹した。

子連れ狼小池一夫小島剛夕)其之9「刺客街道拝一刀は、赤ん坊の大五郎に、「手毬と刀のどちらかを選べ」と命ずる。彼は大五郎語り聞かせる。「手毬を選べば、裏柳生に殺された母親(*→〔首〕7)のもとへ送ってやる。刀を選べば、父とともに刺客道を行くのだ」。大五郎にはまだ父の言葉理解できないが、いったん手毬見た後、大五郎は刀の方へ這い寄った。

★9.母親による嬰児殺し

ファウストゲーテ第1部 10代の処女マルガレーテグレートヒェン)は、ファウスト誘惑されて身ごもる。彼女は生まれ嬰児に沈めて殺し、牢につながれる。ファウストマルガレーテを牢から救いそうとするが、彼女はそれを拒否して、神の裁き身を任せる(=処刑される)。

*赤ん坊を川へ投げ捨てる→〔子捨て〕5。

子供育てていけないので間引きする→〔堕胎〕3。

★10.赤ん坊の幽霊、あるいは父親幻想

空の怪物アグイー大江健三郎音楽家Dは、生まれた赤ん坊を障害児誤診され、ミルク与えず死なせた。赤ん坊は、死ぬまでにただ一言「アグイー」と言ったその後白い肌着を着たカンガルーほどの巨大な赤ん坊アグイーが空を浮遊し、しばしばDの脇へ降りて来るようになった。Dはアグイーに手を差し伸べ、何ごとか話し合うこともあった。やがてDは自殺した。

*赤ん坊の体内麻薬を隠す→〔麻薬〕6bの麻薬ベビーブレードニヒヨーロッパ現代伝説 ジャンボジェットのねずみ』)。

退治する赤ん坊→〔蛇退治〕2の『ギリシア神話』(アポロドロス)第2巻第4章。

*赤ん坊の取り替えすりかえ→〔取り替え子〕に記事


赤ちゃん

(赤ん坊 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 14:41 UTC 版)

赤ちゃん(あかちゃん)は、産まれたばかりの子供のこと。赤子(あかご)、赤ん坊(あかんぼう)とも言う。なお、人間以外の動物にも「赤ちゃん」が用いられることがしばしばある。種にもよるが、生存のために援助を必要とする弱い存在である。多くの種で赤ちゃんは愛らしい外見をしており、これは援助を受けやすくするために有利な形質なのではないかとの解釈もある。




  1. ^ 母子保健法衆議院 2020年2月13日閲覧
  2. ^ Innocenti, UNICEF Office of Research-. “The first 1,000 days of life: The brain’s window of opportunity” (英語). UNICEF-IRC. 2019年3月28日閲覧。
  3. ^ 厚生統計に用いる主な比率及び用語の解説 厚生労働省-乳児死亡率の定義 2020年2月13日閲覧
  4. ^ GOAL 4: REDUCE CHILD MORTALITY”. 国際連合. 2016年9月1日閲覧。


「赤ちゃん」の続きの解説一覧

赤ん坊

出典:『Wiktionary』 (2016/07/21 10:50 UTC 版)

名詞

  あかんぼう

  1. 生まれてもない子供胎児
  2. 世間知らず

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