天 (仏教)
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仏教における天(てん、梵: देव[1] [デーヴァ])とは、衆生が生死流転する六道のうちの最上部にある世界のことであり[2]、天界、天上界、天道とも呼ばれる[2][1]。天界は、この地上から遙か上方にあると考えられている[1]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 総合仏教大辞典 1988, p. 1020-1021.
- ^ a b c “天(テン)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月12日閲覧。
- ^ a b “天上界(テンジョウカイ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月12日閲覧。
- ^ a b c d “天部(てんぶ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年10月13日閲覧。
- ^ 関衛 『日本絵画史』 日東書院、1931。[要ページ番号]
- ^ ひろさちや『仏像でわかる仏教入門』〈講談社+α新書〉2004年。ISBN 978-4062722384。
- 1 天 (仏教)とは
- 2 天 (仏教)の概要
- 3 天界の住民
- 4 脚注
天部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 03:47 UTC 版)
天部とは、古代インドの神々(バラモン教、ヒンドゥー教、その他のインド神話の神々)が仏教に取り入れられた形である。元の神性がどのようなものであれ、護法善神という役割を担っている。姿形はそれぞれの神性に則っており、官服を纏った貴人(例:弁才天)、武具を装備した武将(例:帝釈天)、鬼にも似た精霊(例:乾闥婆)など、様々な者がいる。以下に挙げるのは代表的な天部であるが、それ以外にも様々なものが存在する。 弁才天 弁才天(旧字体:辯才天)は、バラモン教の女神サラスヴァティーが仏教に取り入れられた形であるが、その起源はアーリア人の揺籃地(イランとインドへ移動することでイラン・アーリア人とインド・アーリア人に分岐するより前の居住地)と目されるカスピ海の東に広がるアムダリヤ川とシルダリヤ川に挟まれた流域に求められ、この流域の一河川が神格化されたものと考えられている。元は河川神であるが、バラモン教の時代から既に知識と学芸の神でもあった。当時の聖典(ヴェーダ)における扱いは決して大きくないが、庶民には人気があったと見られ、その特徴は後世のヒンドゥー教におけるサラスヴァティーにも仏教の弁才天にも引き継がれている。日本では鎌倉時代の頃から日本古来の招財神と習合した弁財天(旧字体:辯財天)という神格が派生し、吉祥天に代わって人気を集めた。宇賀神と習合した宇賀弁才天もその一種である。八臂の姿や琵琶を抱えた二臂の姿で描写される。 十二天 十二天とは、仏教の護法善神である十二の天部の総称。 帝釈天 帝釈天は十二天の一柱。古代インドにおける最古級の神の一柱で、バラモン教において最も人気のあった雷霆神にして武神・英雄神であったインドラが、仏教に取り入れられた形である。帝釈天と梵天は修行中の釈迦を助け、悟りを開いた釈迦から逸早く教えを授かった二柱であり、仏教の二大護法善神となっている。 梵天 梵天は十二天の一柱。究極的にはアーリア人の哲学的概念に起源がある。その概念は古代インドのウパニシャッド哲学によって体系化され、ヒンドゥー教において神格化されて創造神ブラフマーとなった。仏教においては帝釈天と一対で語られることも多く、そのことを考えれば、ヒンドゥー教の最高神になる以前に取り入れられている。帝釈天と梵天は修行中の釈迦を助け、悟りを開いた釈迦から逸早く教えを授かった二柱であり、仏教の二大護法善神となっている。 水天 水天は十二天の一柱。バラモン教における天空神・司法神・水神であったヴァルナを起源としているが、仏教には水神の神性のみが取り入れられた。これは、バラモン教の大神であるながら最初期の聖典である『リグ・ヴェーダ』の時点で早くも哲学的地位をブラフマーに奪われ始めていることと無関係ではない。 焔摩天 焔摩天は十二天の一柱。閻摩天・閻魔天とも表記される。インド神話のヤマ(夜摩)が仏教に取り入れられて天部となったもので、ヤマラージャが仏教に取り入れられた形である閻魔(閻魔王、閻魔大王)と同根である。 毘沙門天 毘沙門天は十二天の一柱。ヴェーダ時代から存在する古い神格であるヴァイシュラヴァナに起源がある。インドにおいて武神の神性は無い。四天王における多聞天と同じ神である。 日天 日天は十二天の一柱。バラモン教における太陽神スーリヤが主たる起源であるが、アーディティヤ神群の神性も取り入れられている。 月天 月天は十二天の一柱。バラモン教における興奮作用を有する植物の液汁の神格であるソーマを起源とするが、ヒンドゥー教においてこれが月神の特徴を強めたことが、仏教に取り入れられた際の月天に強く影響している。九曜のチャンドラも取り入れられている。 火天 火天は十二天の一柱。バラモン教における火神アグニが起源。 風天 風天は十二天の一柱。バラモン教における風神ヴァーユが起源である。また、ヴァーユとほとんど違いの無いヴァータ(※ヴァータのほうがやや人間的特徴が強い)も起源に含まれるとされてはいる。 吉祥天 吉祥天は、バラモン教における自然精霊アプサラスの一柱であるラクシュミーが、美と繁栄の女神として仏教に取り入れられたものである。一切の貧苦や災いを取り除いて、豊穣と財宝をもたらすとされ、日本では特に古代に信仰された。中国の貴婦人の服装をし、左手に如意宝珠を持ち、右手を与願印とする立像が多い。 四天王 四天王は、須弥山の四方で仏法を守る守護神である。古代インドでは各方角を守る神とされていたのが仏教に取り込まれたものである。もとは貴人であったが、中国で武将の姿になって日本に伝わった。肩や胸に甲冑を着け、邪鬼を踏みつける。持国天は東の守護神で、領土を守り、人々を安心させる。刀剣又は鉾を持つことが多い。増長天は南の守護神で、五穀豊穣を司る。右手に刀剣又は三鈷杵を振り上げるものが多い。広目天は西の守護神で、浄天眼(千里眼)という特別な眼で世の中を観察し、衆生を導き守る。右手に筆、左手に巻子(かんす)を持つものが多い。多聞天は北の守護神で、財宝富貴を司る。片方の手に宝塔を持つことが多い。多聞天だけは独尊として祀られることもあり、その場合は毘沙門天と呼ばれる。 東大寺戒壇院の四天王像は、天平時代の秀作として知られている。 八部衆 八部衆は「天龍八部衆」の略称である。釈尊の従者のうちの、人ならざる姿形をしている8つの種族の総称である。種族であって一柱ずつの神を指してはいない。天、龍、夜叉(やしゃ)、乾闥婆(けんだつば)、阿修羅、迦楼羅(かるら)、緊那羅(きんなら)、摩睺羅伽(まごらが)の8衆を指すのが通例。 このうちで最も有名な阿修羅は、アーリア人の世界観における荒ぶる神性アスラに起源がある。それがヒンドゥー教の成立期に英雄神インドラ(帝釈天の起源)の宿敵という神格に成長した。仏教には過去を悔いて帰依する者という形で取り入れられ、仏法の守護神として位置付けられることになった。六道のうちの修羅道を司る。興福寺の八部衆像のうちの阿修羅像は特に有名である。 夜叉と乾闥婆は、いずれもパンジャーブの自然精霊に起源がある。つまりはアーリア人がインドに侵入した時、最初に出会った自然ということになる。夜叉はヤクシャ(女性形はヤクシー、ヤクシニー)、乾闥婆はガンダルヴァ(女性形はアプサラス)に由来しており、多分に河川神の特徴を備えていた。 龍は龍王のこと。すなわちインド神話における蛇神の王ナーガラージャが仏教に取り入れられた形である。八大龍王もその一種。 金剛力士 金剛力士は、本来は金剛杵を執って釈迦の近くで仏法を守護する執金剛神という1つの神であったが、インドで2分身となった。2体に分かれていることから仁王(におう)とも呼ばれる。もとは武装した姿であったが、中国で裸形が一般的になった。口を開いた阿形と、口を閉ざした吽形の2体で造られる。仁王門に置かれることが多いが、三十三間堂や興福寺の像のように、堂内(須弥壇の一番外側)に配置するために作られたものもある。 十二神将 薬師如来とその信仰世界を守護する十二柱の天部を十二神将と総称する。如来を中心にした十二方に護法善神として配置された武神である。
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天部(てんぶ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 01:56 UTC 版)
仏法の守護者として仏教に取り入れられたヒンドゥー教等の神々。ブッダやその弟子たちのプロデュースをしているが、人間から見てかなり奇異なセンスを発揮することが多く、基本的に押しが強い。 梵天(ぼんてん) 宇宙の原理が人の姿になった存在。ブッダが悟りを開いた時、人々へ教えを広めるよう説得した。人間界にはガチョウに乗ってやってくる。 太眉どんぐり眼の濃い顔にがっしりとした体格の男性で、強引な性格。ブッダの漫画家デビューやアナンダとヨハネのユニット結成を目論む等、根っからのプロデューサー気質。下界では常にスーツ姿で、天界のフリーペーパー「R2000」にブッダの漫画を連載させた。長い腕や舌等、プロデュース対象に人間の規格を逸脱した特徴を付けたがる。 当初ブッダを「シッダールタ」と本名で呼んでいたが、漫画家育成に目覚めて以降は「シッダールタ先生」と呼ぶ。プロデュースに関しては手段を選ばず、イエスからは「犯罪スレスレ」と評される。 帝釈天(たいしゃくてん) 雷を司る軍神。釣り目で細面な青年の姿をしている。梵天同様プロデューサー気質で少しいい加減。彼も下界ではスーツ姿だが、甲冑と称してアルマーニを経費で落とすなど、かなり攻めている(梵天はコナカ)。アナンダとヨハネのユニット結成を目論んだ。梵天同様、プロデュース対象に人間の規格を逸脱した特徴を付けたがる。 弁才天(べんざいてん) 音楽や芸術を司る女神。天界でロックバンドを結成し、ベースギターを弾く(ミュージックマン・スティングレイ)。全裸で琵琶も弾くロックな女性で、天部らしく押しが強い。 彼女が下界から「スカウト」してきたミュージシャン達が若くして亡くなった天才ばかりであったため、ブッダからわざと命を奪ったのではと疑いをかけられている。 天界では常に大蛇を連れているため、蛇が苦手なイエスは話したことがなかった。 後に「悟れ!! アナンダ!!」単行本の装丁を担当し、打ち合わせのために松田ハイツを訪れ、その後、節分の日にブッダが言った「福は内」の掛け声を招待されたと勘違いし、他の七福神とともに松田ハイツを訪れている。 恵方巻のことは全く知らず、ブッダが由来と食べ方を実演した際、他の七福神たちと一緒に戸惑っている。 阿修羅 修羅界の王にして天部衆一のアイドル。下界ではその表情が愁いを秘めているという理由から人気が高いが、天界では本人はいたって健康なのだが、具合が悪いので顔色が良くないと思われていて、皆から心配されている。他の天部からはブッダのアシスタントにされそうになったり(マンガ学校にも通っている)、灌仏会のリニューアルに引きだされそうになったりしている。 ブッダと文通をしており、自作のイラスト入り便箋を送ってくる。
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天部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 14:10 UTC 版)
梵天 - ヒンドゥー教の神ブラフマーに由来 帝釈天 - ヒンドゥー教の神インドラに由来 四天王持国天(東方を守護) 増長天(南方を守護) 広目天(西方を守護) 多聞天(北方を守護)兜跋毘沙門天 大自在天 - ヒンドゥー教の神シヴァに由来 弁才天 - ヒンドゥー教の神サラスヴァティーに由来 - 七福神の一柱。 大黒天 - ヒンドゥー教の神マハーカーラ(シヴァの別名)が日本の大国主命と習合 - 七福神の一柱。 吉祥天(功徳天) - ヒンドゥー教の神ラクシュミーに由来 韋駄天(陰天) - ヒンドゥー教の神スカンダに由来 鳩摩羅天 - ヒンドゥー教の神クマーラに由来 摩利支天 - ヒンドゥー教の神ウシャスに由来 歓喜天(聖天)- ヒンドゥー教の神ガネーシャに由来 那羅延天(毘紐天)- ヒンドゥー教の神ヴィシュヌに由来 鬼子母神 - ヒンドゥー教の神ハーリーティーに由来 荼吉尼天 - ヒンドゥー教の神ダーキニーに由来 金剛力士(仁王) 十二天 地天(じてん) 伊舎那天(いしゃなてん) 黒闇天(こくあんてん) 羅刹天 他化自在天 八大龍王 八部衆天衆 龍衆 夜叉衆 乾闥婆衆 阿修羅衆 迦楼羅衆 緊那羅衆 摩睺羅伽衆 十二神将 二十八部衆 不動八大童子(不動明王を参照) 妙見菩薩 飛天 技芸天 焔摩天(閻魔) - ヒンドゥー教の神ヤマに由来 深沙大将(じんじゃだいしょう) 寿老人 福禄寿 布袋 恵比寿 関帝菩薩 伽藍菩薩
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