とうだい‐じ【東大寺】
読み方:とうだいじ
奈良市にある華厳宗の大本山。南都七大寺の一。聖武天皇の発願により創建。行基が勧進し、良弁(ろうべん)が開山。本尊の盧舎那(るしゃな)仏(奈良の大仏)の開眼供養は天平勝宝4年(752)。同6年には鑑真が来日して戒壇院を創設、三大戒壇の中心となる。のち、度々の兵火で被害を受けたが、平安時代末の重源や江戸時代の公慶によって復興。建造物の多くが国宝で、奈良時代の遺構として転害門(てがいもん)、法華堂、正倉院などとともに創建当時の不空絹索観音、日光・月光菩薩像をはじめ、各時代の美術品・文化財を多数残している。宝永6年(1709)再建の大仏殿は、日本最大の木造建造物。平成10年(1998)「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産(文化遺産)に登録された。金光明四天王護国寺。総国分寺。大華厳寺。→奈良の大仏
東大寺 (とうだいじ)
東大寺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/05 23:50 UTC 版)
東大寺(とうだいじ、英: Todaiji Temple[1])は、奈良県奈良市雑司町にある華厳宗の大本山の寺院。山号はなし。本尊は奈良大仏として知られる盧舎那仏(るしゃなぶつ)。開山(初代別当)は良弁である[注 1]。
注釈
- ^ 東大寺の記録には良弁以来の歴代別当が記録されているが、奈良時代期の重要決定・文書が別当ではなく三綱の名義で出されていることなど矛盾も多く、良弁が東大寺の初代の住持であったのは事実であるが、実際に彼が就任したのは「造東大寺司」の別当であり、東大寺の代表者としての別当職の成立は「造東大寺司」が廃された平安初期ごろと推定されている。
- ^ 仏教語の「金光明」は呉音で「こんこうみょう」と読むことが多いが、東大寺では公式サイトで「きんこうみょう - 」を正式の読みとしている(参照:「東大寺の歴史」(東大寺公式サイト)。
- ^ 大和国分寺は一般に総国分寺の東大寺とされるが、『大和志』では橿原市の国分寺に比定する(「国分寺」『日本歴史地名大系 30 奈良県の地名』平凡社、1981年)。
- ^ もっとも、華厳宗は開山・良弁ゆかりの宗派として重要視され、近代以前においても日本における華厳宗研究の中心地として、多数の優れた学僧を輩出していた。
- ^ 東西の七重塔に関しては、一時、再建が検討されたが、木造による完全復元は建築基準法に抵触するため、再建は見送られた。
- ^ 現在、大仏殿内に展示されている。
- ^ 尊勝院は東大寺別当を務めた光智が天暦9年(955年)に創建したもので、寺内における華厳教学の拠点であり、東南院と並ぶ有力な院家であった。転害門の東北にあったが、室町時代に廃絶し、跡地は惣持院となった。現在の奈良市立鼓阪(つざか)小学校が跡地である。
- ^ 「賢劫経」は1897年重要文化財(旧国宝)に指定されているが所在不明。写真も残っていない。
- ^ 仏教美術史家の杉山二郎も『大仏以後』(学生社)で同様に提起している。続編に『大仏再興』
出典
- ^ 外国人にわかりやすい地図表現検討会 (2016年1月6日公表) (PDF). 地名の英語表記及び外国人にわかりやすい地図記号について. 国土地理院. p. 17
- ^ “(ひと)橋村公英さん 4月に奈良・東大寺の第224世別当に就いた”. 朝日新聞. (2022年5月31日) 2022年8月5日閲覧。
- ^ 黒田龍二・石田理恵「東大寺大仏殿内建地割板図について」(『奈良国立博物館研究紀要』6号、2004年)
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- ^ 「東大寺を戦乱に巻き込むな」…信長の書状発見
- ^ 河内将芳 『秀吉の大仏造立』法藏館、2008年、p.19
- ^ NIKKEI STYLE 古きを歩けば(47)「豊臣の盛衰刻んだ大仏の梵鐘」 河内将芳の解説より
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- ^ 『仁王像大修理』、pp.112 - 115
- ^ 「七重の東塔」再建に向け発掘へ 東大寺、過去2回焼失47NEWS 2010年4月2日
- ^ 東大寺「東塔」調査結果は
- ^ 東大寺の焼けた東塔、巨大な土台跡を確認 国内最大級か
- ^ 東大寺東塔跡:高さ70m超? 鎌倉期の基壇27m四方
- ^ 箱崎和久「東大寺七重塔考」『東大寺創建前後 ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集第二号』東大寺、2004年
- ^ a b c d e f g h 『東大寺』、発行・編集:東大寺、印刷:凸版印刷株式会社、2016年1月発行
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- ^ テレビ朝日|素敵な宇宙船地球号「水銀の不思議」 〜毒か?薬か?ナゾの液体金属〜
- ^ “東大寺(とうだいじ)”. スポット情報 奈良市内エリア. 近畿日本鉄道. 2022年8月22日閲覧。
東大寺(とうだいじ)
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「彼岸島の登場人物」の記事における「東大寺(とうだいじ)」の解説
五重塔最上階の研究所の研究員の一人。人間を吸血鬼に変える蚊の研究の指揮を執っている。
※この「東大寺(とうだいじ)」の解説は、「彼岸島の登場人物」の解説の一部です。
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「東大寺」の例文・使い方・用例・文例
- 東大寺はその2つのお寺のうちより大きい方です。
- 奈良東大寺の二月堂で,3月1日から14日間行われる儀式
- 奈良東大寺の二月堂で,3月13日未明,堂前の井戸より水を汲み,香水とする儀式
- 御水取りという,東大寺で行われる行事
- 正倉院という,東大寺にある宝物庫
- 昔,奈良の東大寺や興福寺などにいた僧兵
- 今年は,東大寺の大仏開眼1250周年記念の年である。
- 東京大学の池内克(かつ)史(し)教授とその研究グループは,10月9日,奈良・東大寺戒(かい)壇(だん)堂(どう)の広(こう)目(もく)天(てん)像(国宝)の3次元デジタル画像を作成したと発表した。
- 栄西は書状で,東大寺の再建について触れている。
- 彼は13世紀初めに東大寺の責任者であり,再建費用で苦労していた。
- この香炉は東大寺正(しょう)倉(そう)院(いん)の宝物の1つだ。
- 東大寺と元(がん)興(ごう)寺(じ)文化財研究所は,国宝の2本の刀が長らく所在不明だった正(しょう)倉(そう)院(いん)宝物の陽(よう)寶(ほう)劔(けん)と陰(いん)寶(ほう)劔(けん)だと確認されたと先日発表した。
- 2本の刀は1907年に東大寺の大仏殿が修理されたときに発見された。
- それらの刀は聖(しょう)武(む)天皇没後の756年に光(こう)明(みょう)皇后によって東大寺に寄進された。
東大寺と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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