一切如来心秘密全身舎利宝筺印陀羅尼経
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一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経(いっさいにょらいしんひみつぜんしんしゃりほうきょういんだらにきょう、以下本ページでは宝篋印陀羅尼経と略称す)は中国の唐代に三蔵法師の不空によって漢訳された、密教由来の経典。この経典の中の陀羅尼は宝篋印陀羅尼(正式には一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼)と呼ばれ、造仏、造塔時にその中へ写経されたものが納経されたりする。
少なくとも類似の異本が合わせて三編伝えられている[1]。
この経を写経すれば現世利益があるとされ[2]、宝篋印塔に納経される。
脚注または引用文献
関連項目
参考文献
(主に年代順に)
雑誌
- 日本歴史 (吉川弘文館) (831 (2017年8月)). (2017)、この号の巻頭口絵写真に一例が掲載されている。
書籍
- 不空 (1928-10). “一切如來心祕密全身舎利寶篋印陀羅尼経(No.1022A)”. In 高楠順次郎. 大正新脩大蔵経. 19. 大正新脩大蔵経刊行委員会. p. 710-712
- 不空 (1928-10). “一切如來心祕密前進舎利寶篋印陀羅尼経(No.1022B)”. In 高楠順次郎. 大正新脩大蔵経. 19. 大正新脩大蔵経刊行委員会. p. 712-715
- 島谷, 弘之 (1987-10). “金剛寺本「宝篋印陀羅尼経」の意義―消息経流行の一例として―”. In 古筆学研究所. 古筆と国文学. 古筆学叢林. 1. 東京都千代田区神田小川町: (株)八木書店. p. 187. ISBN 4-8406-9401-X. "「この経典を書写すれば、罪障を滅し三途の苦を脱して寿命増長する功徳が得られる」と説く"
- 苫米地, 誠一 (1998-08-20). “1022 A・B 一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経”. 大蔵経全解説大辞典. 東京都千代田区富士見: 雄山閣出版(株). p. 298. ISBN 4-639-01536-4
- 大法輪閣編集部 編「一切如来心秘密全身舎利宝筐印陀羅尼」『真言・陀羅尼・梵字―その基礎と実践』(初版)大法輪閣、2020(令和2)-02-10、153 - 156頁。ISBN 978-4-8046-1422-9。"宝筐印陀羅尼と略称される。この陀羅尼を説くものに唐の不空三蔵が訳した『一切如来心秘密全身舎利宝筐院陀羅尼経』がある他、異訳として宋の施護三蔵が訳したものがある。真言宗では不空訳に説かれる陀羅尼を用いてきたが、不空訳にも明本と長谷版(享和元年)があって、長谷版を和本と称して、これが広く用いられてきた。"。
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