鉦鼓とは? わかりやすく解説

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しょう‐こ〔シヤウ‐〕【×鉦鼓】

読み方:しょうこ

《「しょうご」とも》雅楽用い打楽器の一。青銅または黄銅製の皿形のもので、釣りつるして凹面を2本の(ばち)で打つ。大(おお)鉦鼓・釣(つり)鉦鼓・荷(にない)鉦鼓の3種があり、普通には釣鉦鼓をさす。

仏家で、勤行(ごんぎょう)のときなどにたたく円形青銅製のかね。

軍中合図などに用いたたたきがね太鼓


鉦鼓

読み方:ショウコ(shouko)

雅楽楽器の一


鉦鼓

読み方:ショウコ(shouko)

雅楽勧進などに使用する打楽器の一。


しょうこ 【鉦鼓】

ショウゴとも。仏具念仏のときたたく円形の鉦。念仏踊にも使う。

鉦鼓

主名称: 鉦鼓
指定番号 2628
枝番 00
指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書 長承三年三月十一日奉鋳四口之内四■
別當法印権大僧都定海」の刻銘がある
員数 1口
時代区分 平安
年代 長承3年1134
検索年代
解説文: 銅製鋳造巧み大型の鉦鼓である。鼓面径の大きさと伏高に比して側面低く、鼓面は緩やかな張り見せ紐帯細く均整がとれた円弧描いて優美であるなど、鉦鼓として初期的な様式示している。鉦鼓は、元来舞楽雅楽演奏に際して用いられ打楽器で、大型の鉦鼓は〓【だ】太鼓の縁と同様式火焔型鉦懸けられ祭礼神事寺院法要などの演奏用いられた。
 本品は、京都祇園八坂神社伝来したもので、近年まで秋の祭礼において使用されていた。側面左右肩部に二箇の山形鐶座(鉦鼓耳)が造り出されそれぞれの脇には、以下の銘文一行ずつ蹴彫線刻されている。
 「長承三年三月十一日奉鋳四口之内四」
 「別當法印権大僧都定海
 この銘文は、すでに重要文化財指定となっている鉦鼓二口東大寺および手向山八幡宮所蔵)に記され銘文内容書体ともに一文除いてまったく同様である。すなわち、東大寺鉦鼓に「四口之内二」、手向山八幡宮鉦鼓には「四口之内三」、そして本鉦鼓には「四口之内四」と記されていることから、これら三点が本来一具をなしており、定海長承三年三月十一日に製作させた四口の鉦鼓の一つであることが知られる定海は、右大臣源顕房の子で、『東大寺要録』の「第七十七法務大僧正定海 大治四年五月日任二初律師」に比定される人物である。大治四年(一一二九)から永治元年一一四一)に東大寺別当務め、ほかに真言僧として醍醐寺座主東寺長者なども歴任した高僧である。
 本品伝来した八坂神社は、東大寺手向山八幡宮との直接的な繋がりについては不明である。しかしながら東大寺転害門から南に下ったところに建武年間ころ成立社伝をもつ「祇園八坂神社」が現存する。もと手向山八幡宮摂社で、『大乗院寺社雑事記』には、室町時代中期寛正年間にはすでに毎年六月十四日例祭として祇園会が行われていた記録散見され間接的ながらその繋がり想定される
 本品は、東大寺および手向山八幡宮伝来の鉦鼓と一具をなす三口目の遺品であり、わが国最古紀年銘有する大型鉦鼓の一つとして貴重である。
 また、当社には本品一対として使用されてきた無銘大型鉦鼓が一口伝来している。長承銘の鉦鼓と比して鼓面の甲盛が少なく、口縁の幅は広くて胎が厚めになるなど、やや鈍重な作行【さくゆき】を示す。しかしながら総体の形制様式はほぼ同じであることから、長承銘の鉦鼓を本歌として後代模倣製作したものと思われる

鉦鼓


鉦鼓


鉦鼓


鉦鼓

主名称: 鉦鼓
指定番号 2356
枝番 00
指定年月日 1973.06.06(昭和48.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書 長久三年三月十一日奉鋳四口之内三別当法印権大僧都定海」の刻銘がある
員数 1口
時代区分 平安
年代 長承3年1134
検索年代
解説文:  鋳銅・表は甲盛りをもち、紐で同心円を飾る。左右肩に山形銀座を共鋳し、銘文刻している。平安時代遡る鉦鼓の遺品きわめてまれである。銘文によればもと四口あり、うち一口東大寺伝来した重文鉦鼓(銘文…四口のうち二)である。定海東大寺要録第七十七法務大僧正定海大治四年五月/日住初住律〉」に比定される。形態鋳造ともに優れたのである
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鉦鼓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/14 03:37 UTC 版)

鉦鼓(しょうこ)とは、雅楽で使われる打楽器の一つ。仏教で使用される場合は(かね・しょう)とも称される。

雅楽における鉦鼓

雅楽では鉦鼓を「しょうこ」または「しょうご」という。釣鉦鼓、大鉦鼓、荷鉦鼓の三種あるが、通常は釣鉦鼓を用いる。鉦鼓は「延喜式」、「続日本紀」などにも登場する。鉦鼓は主に舞楽に使用するが、内側に鉤を施し鉦鼓を懸ける。外輪の下に柱を施し脚を附ける。表面を向うむきに据え、裏面から鉦鼓の真ん中を打つ。なお大鉦鼓は内径一尺二寸のもので、晴朝儀、大法要、舞楽等に用いる[1]

大鉦鼓は、御遊または宮中の盛儀における舞楽で庭上で用いられ、大太鼓とならんで置かれる。 釣鉦鼓は、釣太鼓とあわせて用いられ、ふつうの管絃または略式の舞楽に用いられる。 荷(にない)鉦鼓は、行道の楽において荷太鼓とともにもちいられ、長い棒をとおしてこれをにない、歩みながら奏する。 『教訓抄』には、「方磬を打つときは鉦鼓を撃つべからず」とある。 鉦を打つには左右2本のほそながいバチをもちい、楽譜には左右ともに生または金の字を用い、唱歌には左のバチをクととなえ、右のバチをレイととなえる。 『続日本紀』には「霊亀元年春正月甲申朔天皇大極殿に御し朝を受く(省略)陸奥出羽蝦夷竝南島奄美夜久度威信覚球美等来朝各各方物を貢す其儀朱雀門の左右に鼓吹騎兵を陣列す元会之日鉦鼓を用ひるは是より始る矣」とある。

仏教における鉦鼓

仏教における鉦鼓は、単に(かね・しょう)とも称され、金属(青銅)製のものを言う。通常は「架」(か)と呼ばれる台にかけて一本の(撞木)でたたいて音を出すが、京都六波羅蜜寺に伝わる空也像のように首に「架」をつけ、それに鉦鼓をかけて使用することもある。形象は、円盤状で上方2箇所に「架」につるすための穴があけられている。日本の寺院における鉦鼓の歴史は古く、747年天平19年)に成立した『大安寺伽藍縁起並流記資財帳』にも記載され、古くは4面1組であったようである。

木鉦

なお、主に日蓮宗の寺院で使用されるものに木製の鉦があり、通常木鉦(もくしょう)と称される。形状は、円盤状もしくは長方形の箱型をしており、箱型のものは内側がくりぬかれている。青銅製の鉦鼓が「架」にかけて使用されるのに対し、木鉦は通常おいて使用される。→詳細については木鉦を参照のこと。

関連項目

脚注

  1. ^ 『神社有職故実』105頁昭和26年7月15日神社本庁発行

鉦鼓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 02:07 UTC 版)

本福寺 (松戸市)」の記事における「鉦鼓」の解説

嘉元元年1303年)銘。一遍他阿遊行用いられ流行し念仏の際に鳴らしながら踊り歩いたもの。

※この「鉦鼓」の解説は、「本福寺 (松戸市)」の解説の一部です。
「鉦鼓」を含む「本福寺 (松戸市)」の記事については、「本福寺 (松戸市)」の概要を参照ください。

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