ちゅう‐ぞう〔チウザウ〕【鋳造】
鋳造
金属材料加工法のひとつ。砂や金属でつくった鋳型に、溶けた金属を流し込んで凝固させ、鋳型から取り出して製品をつくることをいう。鋳型とは、つくろうとする形状と同じ形状の空洞をもっている型。鋳造の3大要素は、湯(溶融した金属)、砂(鋳型の材料)、型(鋳型の基になる模型)である。自動車では、エンジン部品(シリンダーブロック、シリンダーヘッド、カムシャフトなど)、ミッション部品(ミッションケースなど)、足まわり部品(デフケース、ディスクプレートなど)に使われる。
鋳造(ちゅうぞう)
【関連用語】キャストホイール
鋳造
溶解炉で金属を加熱して溶融し、溶けた金属(湯)を鋳型に流し込み、冷却、凝固させて製品をつくる方法。材料には、鋳鉄、鋼のほか、アルミニウム合金・銅合金・チタンなどの合金が使用される。
鋳造では、まず最初に製品と同一形状の模型を作り、それをけい砂などの鋳砂に埋め込み、模型を取り出して製品とほぼ同じ形状の空洞を持つ鋳型を作成する。製品の形状によって、中子を作る場合もある。この鋳型に溶融した金属(湯)を流し込む(鋳込め)。その後、湯は冷却され、固まった金属を鋳型から取り出し、必要に応じ機械などで仕上げ加工を行い製品とする。鋳造で得られる製品を総称して鋳物という。
鋳造では、鋳型の形状に応じて複雑な形の部品も作成できるので、機械部品や建築金物などの工業製品をはじめ、鉄瓶や美術工芸品の製造方法などとして、幅広く用いられている。特に中空構造の成形は鋳造特有のものであり、花ビンやエンジンのシリンダーブロック製造などに生かされている。
鋳造法の大きな分類には砂型を使用するものと金型を使用するものがあるが、砂型・金型に拘わらず、特に寸法精度が良いものを精密鋳造と呼び、その代表的な製法としてはロストワックス法(インベストメントモールド法)などがある。
鋳造の主な種類 | |
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生砂型鋳造法(手込造型、機械造型)、乾燥型鋳造法、自硬性鋳型鋳造法、熱硬化型鋳型鋳造法(シェルモールド法)、ガス硬化型鋳造法、消失性模型鋳型鋳造法(フルモールド法)、減圧造型鋳造法(Vプロセス鋳造法など) | |
ロストワックス法(インベストメントモールド法)、セラミックモールド法、プラスターモールド法 | |
金型鋳造法 | 重力鋳造法、ダイカスト法、低圧鋳造法 |
用語解説
鋳造
鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:26 UTC 版)
取鍋で運ばれてきた溶鋼は、加工しやすいように一定の形に鋳固められるが、その工程を鋳造と呼ぶ。日本では、上下が開口した鋳型の上部から溶鋼を注入し、あたかもところてんのように連続して鋼を鋳固めてゆく連続鋳造という方式の採用が進んでいる。連続鋳造は極めて高度な技術管理が必要であり、鉄鋼各社は生産性と品質レベルの向上にしのぎを削っていたが進歩はほぼ終了し、連続鋳造が適切でない鋼材については昔ながらのインゴット鋳造も併存している。連続鋳造は成分の制約を大きく受け、固液共存温度幅が小さく、デルタフェライト(δ鉄)が出ない、熱間脆化元素を含まないといった狭い条件においてのみ適用可能な技術であるのに対し、インゴットを鋳造する方法ではその縛りを受けないためと、生産量が小さくなる特殊鋼の場合では、多量の溶けた鋼を要する連続鋳造では全く刃が立たないためである。 鋳造されたものは、その形状によりおおむね下記のように分類される。これらはいずれも半製品として次の工程の材料に用いられる。 スラブ 巨大なかまぼこ板のような形状。主に厚板・薄板に加工。 ビレット 巨大な円柱または角柱形状。継目無鋼管や小サイズの形鋼、棒鋼、線材などに加工する。 ブルーム スラブよりも小断面・厚肉で、羊羹のような形状。各種形鋼や棒鋼・線材、また上記ビレットなどに加工。 ビームブランク ブルームの中でも、特にH字型に近い形に鋳造されたもの。H形鋼専用の素材。
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鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 09:08 UTC 版)
現代における刀剣の製造技法。大量生産が可能なため、「代理契約戦争」を契機に普及した。
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鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 01:42 UTC 版)
「フローイング・ヘア・ダラー」の記事における「鋳造」の解説
銀貨の鋳造を始めるにあたって造幣局は金塊や銀塊の供託者を捜し、ある程度の預金が集まった後で、貨幣の試金者のアルビオン・コックスは、純度89.2%以上が保証された銀貨を作るのは難しく、作ったとしても流通しているうちに黒くなってしまうという考えをリッテンハウスに話した。その代わり90.0%の純度を保証し、重量は416グレーンのままにするよう勧めた。これは1792年の貨幣法に定められた銀の含有量より多いので、銀塊の供託者に過剰請求することになり、貨幣法に反した提案であった。 造幣局が硬貨の純度を上げたことにより、預金者は1%の損をした。最も預金したジョン・ヴォーンは、2260ドルの損失をしたといわれている。議会は何度かの延期のあと、1800年にその補償についての請願を認め、補償することを決めた。硬貨を鋳造する前に、縁の額面の文字と図案を硬貨の型につける必要があり、キャスティングマシーンという名で知られている機械で彫られる。その機械を用いて、装飾の周りに「Hundred Cents One Dollar or Unit」という文字を縁に彫った。硬貨の型は不正確に作られてしまったので、予定していた重さを超えてしまった型が多かった。この不正確さを直すため硬貨の型の表面を埋める方法をとったので、その後作られた、より精密な装置を使って鋳造された硬貨に比べて重さの差が大きかった。 最初のドル銀貨は1794年10月15日に鋳造された。1794年の硬貨に使われた銀は、メリーランド銀行から預金されたフランス製の硬貨の銀が大部分を占めていた。その硬貨の銀は純度が足りていなかったので、精錬が不可欠だった。1794年の間、あわせて1758枚の公認銀貨が発行された。そして流通に適していないと思われた硬貨は、1795年に溶かされ再発行された。1758枚の硬貨は鋳造責任者であるヘンリー・ボイトによって公式に届けられ、その硬貨は公認ではあるものの、ハーフ・ダラーより大きくない硬貨を作るためのスクリュープレスという機械を使って人力で作られた貨幣であった。 1794年に作られた公認の硬貨はリッテンハウスに払われた。硬貨の流通を助けるためリッテンハウスは、多くの硬貨を使って造幣局の新しい硬貨を作り出すために外貨と交換した。余った硬貨は特別待遇者と、造幣局に訪れたうち特別な人に渡された。最初の硬貨製造が終わった後リッテンハウスは、硬貨の型をより協力に押すことができ、より正確に硬貨を作ることのできる機械を職員が作るまで銀貨の鋳造をやめるように命じた。ニューハンプシャー新聞は1794年にその銀貨について記事を書いている。 造幣局で作られた硬貨にはニューハンプシャーで使われたものもあった。担当記者の一人が昨日硬貨を一枚手に入れてきて、編集者の手に入った。その重さはスペインドルと同じであるが、使われている金属はより純度が高く見える。(中略)全体のデザインは鑑定家の目から見て喜ばしいものだが、彫刻がとても繊細すぎて、耐久性と硬貨に必要である大胆なデザインが足りない。 硬貨製造の型を押す新しい機械は1795年はじめに完成され、合計3810枚のドル硬貨が1795年5月6日に発行された。1975年5月8日に鋳造された硬貨は1794年の日付が記されたものもあったかもしれない。多数の1794年、1795年のドル硬貨が、中央に8ミリメートル (0.31 in)ほどの銀のふくらみをつけられた。その理由は、重量が不足した銀貨の重さを補正するためといわれている。1794年と1795年に発行された硬貨は160,295枚とみられている。1795年内に合計すると203,033枚のドル銀貨が鋳造されているが、そのうち何枚がフローイング・ヘア・ダラーなのかは正確にはわかっていない。その理由はドレープト・バスト・ダラーが1795年10月にフローイング・ヘア・ダラーに続いて発行されたからである。ドレープト・バスト・ダラーは、リッテンハウスに次ぐ造幣局長のヘンリー・ド・ソシュールの要請に応じて肖像画家のギルバート・ステュアートがデザインを制作した。
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鋳造(鋳鋼鋳物鋳造作業)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/14 15:09 UTC 版)
「鋳造技能士」の記事における「鋳造(鋳鋼鋳物鋳造作業)」の解説
特級:工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理について行う。試験時間=3時間 1級:課題図に示す鋳造品(シーブ SC450)の鋳型を与えられた木型等によって造型する。ただし、造型作業については、生型法又は炭酸ガス型法のいずれかを選択して行う。試験時間=5時間30分 2級:課題図に示す鋳造品(トラニオン SC450)の鋳型を与えられた木型等によって造型する。ただし、造型作業については、生型法又は炭酸ガス型法のいずれかを選択して行う。試験時間=3時間
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鋳造(鋳鉄鋳物鋳造作業)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/14 15:09 UTC 版)
「鋳造技能士」の記事における「鋳造(鋳鉄鋳物鋳造作業)」の解説
特級:工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理について行う。試験時間=3時間 1級:所定の模型を使用して、主型及び主中子を手込めにより造型し、フロート・チャンバ(製品重量約11kg、材質FC200又はFC250相当)を製作する。なお、造型はCO2型法、生型法及び自硬性型法のいずれかによるものとし、注湯作業及び型ばらし作業も行う。試験時間=3時間 2級:所定の模型を使用して、すり合わせ定盤(製品重量約16kg、材質FC200又はFC250相当)を製作する。なお、造型はCO2型法、生型法及び自硬性型法のいずれかによるものとし、注湯作業及び型ばらし作業も行う。試験時間=3時間
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鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:16 UTC 版)
金属を工業材料として用いるには、まず溶融させて鋳型に流し込む鋳造から始まる。青銅器時代から用いられたこの金属加工法で作られた鋳物は、そのままでは粗く、不純物の遍在や鋳巣などがあり強度が低い。これらは金属部品の要求性能が高まるにつれ、塑性加工技術の進展や用いられる合金の改良などが施された。鉄では1947年に球状黒鉛鋳鉄、アルミニウム合金では1920年にシルミンの改良法が発案され、溶湯(ようとう、溶融状態の金属)処理法での強度改良に大きく寄与した。 製法も、砂型、金型、ダイカスト、精密鋳造など多種の手段が用いられるようになった。効率向上においては、連続鋳造法の基礎が1933年に発案され、1950年代にプロセス改良を経て実用的な技術として確立された。
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鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:24 UTC 版)
精錬を終えた溶鋼は、鉄鋼メーカーから出荷される最終製品形状に適した形へ冷やし固められる。この段階で冷やし固められたものを半製品と呼び、厚板や圧延材生産用のスラブ、形鋼生産用のブルーム、棒材・線材やパイプ生産用のビレットがある。この工程を鋳造といい、大きく分けて造塊法と連続鋳造法の2つがある。造塊法は、インゴットと呼ばれる型に溶鋼を注入して固め、再加熱・圧延して半製品を作る方法である。過去のステンレス鋼は主に造塊法で造られていたが、生産効率の高い連続鋳造法が実現されてからは、一部の特殊な鋼種を除いてほとんどのステンレス鋼が連続鋳造法で製造されている。 連続鋳造の過程に他と異なるステンレス鋼特有の要素はないが、表面品質が特に要求されるステンレス鋼では品質重視の操業が特徴といえる。連続鋳造では、取鍋に入れられて精錬炉から供給される溶鋼が、タンディッシュと呼ばれる容器へ一旦移される。タンディッシュでは、溶鋼中の有害な非金属介在物を浮かび上がらせて除去する。タンディッシュから出た溶鋼は、冷却された鋳型に通され、さらに冷却スプレーを浴びせられ凝固する。凝固したステンレス鋼を、その下に配置されているローラーが連続的に引き抜き、切断機まで送り出す。切断機で所定の長さに切断して、長方体や角材の形の半製品となる。
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鋳造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/08 03:39 UTC 版)
シャット銀貨の鋳造された場所は明らかになっていないが、1970年代以降の金属探知機による大量発掘で、Hタイプ(サウサンプトンを中心としたウェセックス)とSタイプ(エセックス)などいくつかの分類が出来ることが分かっている。デンマークでは、当時の流通の中心だったリーベ付近の物がXタイプとされている。 鋳造年代の特定も困難である。フリースラントのドゥーレスタッドではシャット銀貨が鋳造されていたことが知られており、フランク王国ではピピン3世の時代の755年に貨幣改革(カロリング朝ルネサンス)が行われるまで、ここで製造されたシャット銀貨が流通していた。
※この「鋳造」の解説は、「シャット (通貨)」の解説の一部です。
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鋳造
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