補陀落とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 宗教 > 仏教 > 教義 > 補陀落の意味・解説 

ふだらく【補陀落/普陀洛】

読み方:ふだらく

《(梵)Potalakaの音写光明山・海島山小花山と訳す》仏語インド南端海岸にあり、観音が住むという八角形の山。日本でも観音霊地にはこの名が多い。補陀落山(ふだらくせん)。


補陀落

読み方:フダラク(fudaraku)

観音応現の地


補陀落

読み方:フダラク(fudaraku)

インド南海岸にあり観音浄土とされていた所。


補陀落

作者中上健次

収載図書中上健次全集 1
出版社集英社
刊行年月1995.8


補陀落

読み方:フダラク(fudaraku)

作者 中上健次

初出 昭和49年

ジャンル 小説


補陀落

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 02:22 UTC 版)

補陀落(ふだらく、: Potalaka)は、観音菩薩の降臨する霊場であり[1]、観音菩薩の降り立つとされる伝説上のである[2]。その山の形状は八角形であるという[3]。インドの南端の海岸にあるとされた[3]補陀落山(ふだらくせん)とも称す[3]

名称

「補陀落」は、サンスクリット語(梵語)のポータラカ (Potalaka) の音訳である[3]。他の音写には補怛洛伽、普陀洛、普陀落など多数がある[要出典]。義訳は光明山海島山小花樹山など[3]。英語では、Mount Potalaka と呼ばれる[要出典]

概要

補陀落は実叉難陀訳『大方広仏華厳経』「入法界品」、般若訳『大方広仏華厳経』「入法界品」、『千手経』、『陀羅尼集経』2など、多数の経論に見られる。『陀羅尼集経』の註によると海島ともいい、『大唐西域記』によると南インドの海浜の山の東にあるという[4][要出典]。八角の形状をした山であるといわれる[3]興福寺の南円堂の円形はこれを模している。

玄奘は『大唐西域記』巻第十で、補陀落〔布怛落迦〕山は南インドのマラヤ〔秣剌耶〕山の東にあると記している(マラヤ山はケーララ州のカルダモン丘陵に当たるとされる)[5]。その場所を特定しようとする試みや研究もあり[2]スリランカがあてられることもあった。彦坂周はタミル・ナードゥ州南端のポディイル山に比定した[6]。観音信仰が隆盛になると霊地として「補陀落」の名称が各地で広まった[2]。特に中国では現在の浙江省にある舟山群島を補陀落(普陀山)として遠隔地にまで観音信仰が広がった。

また、日本でも熊野日光が補陀落になぞらえられ、信仰を集めた。なお、日光という地名は、補陀落~二荒(ふたら)~二荒(にこう)~日光となったという説もある[2]中世には、観音信仰に基づき、熊野灘足摺岬などから小船に乗って補陀落を目指す、「補陀落渡海」が盛んに行われた。

なお、チベット観音信仰の地として知られるが、ラサにあるポタラ宮の名も、サンスクリット語の「ポータラカ」に由来する[2]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 佐久間 2015, p. 23.
  2. ^ a b c d e 岩波仏教辞典 2002, p. 866.
  3. ^ a b c d e f ふだらく【補陀落/普陀洛】 goo辞書(出典:デジタル大字泉)。
  4. ^ 世界大百科事典 第2版『補陀落山』 - コトバンク
  5. ^ 佐久間 2015, p. 24. 〔 〕内は原典表記[1]
  6. ^ 彦坂周,「華厳経入法界品と南インドの地名について」『印度學佛教學研究』 1993年 41巻 2号 p.999-997, doi:10.4259/ibk.41.999, 日本印度学仏教学会。

参考文献

  • 佐久間留理子『観音菩薩: 変幻自在な姿をとる救済者』春秋社、2015年。ISBN 978-4393119105 
  • 中村元・福永光司・田村芳朗・今野達・末木文美士, ed. (2002年10月). 岩波 仏教辞典 第二版. 岩波書店. ISBN 9784000802055

関連項目


「補陀落」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



補陀落と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「補陀落」の関連用語

補陀落のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



補陀落のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの補陀落 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS