般若とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 宗教 > 仏教 > 教義 > 般若の意味・解説 

はんにゃ【般若】

読み方:はんにゃ

《(梵)prajñā; (パーリ)Paññāの音写

仏語悟りを得る智慧(ちえ)。真理把握する智慧

能面の一。2本の角、大きく裂けた口をもつ鬼女の面。女性憤怒(ふんぬ)と嫉妬(しっと)とを表し、「葵上(あおいのうえ)」「道成寺」などに用いる。面打ち般若坊始めた伝える。般若面

沈香(じんこう)の一。伽羅(きゃら)を用い六十一種名香一つ数えられる

紋所の名。般若の面図案化したもの

「船若面(はんにゃづら)」の略。


般若 Hannya

般若 Hannya 嫉妬苦しみ訴える女。般若は彩色3種類に分類され役柄によって違う。白が上品で控えめ表現され葵上など高貴な女の嫉妬、赤が中品道成寺、黒は下品で完全な鬼に近い安達原いずれも耳まで裂けた口で泣いて怒った恐ろしい表情
使用曲目:『葵上』『道成寺』『安達原

般若

作者木村閑子

収載図書まぐだれーな
出版社
刊行年月1989.1
シリーズ名たね叢書


般若

作者三条安幸花

収載図書血の触手
出版社近代文芸社
刊行年月1999.10


般若


般若

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

般若

読み方
般若はんにや

般若

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 16:51 UTC 版)

仏教用語
パンニャー
パーリ語 पञ्ञा, paññā
サンスクリット語 प्रज्ञा, Prajñā
中国語 慧, 智, 智慧
日本語 般若
(ローマ字: Hannya)
英語 wisdom
テンプレートを表示
仏教
波羅蜜
 
十波羅蜜
布施
持戒
出離
精進
忍辱
真諦
誓願
   
六波羅蜜
布施
持戒
忍辱
精進
禅定
 
同色は両者に存在する項目

仏教用語般若(はんにゃ)とは、サンスクリット語: प्रज्ञा, prajñāプラジュニャー)、パーリ語: पञ्ञा, paññāパンニャー)に由来し、全ての事物や道理を明らかに見抜く深い智慧のこと[1]

仏教瞑想の文脈では、すべての物事の特性(三相)、すなわち無常無我を理解する力であるとしている[2]。大乗仏教においては、それは(シューニヤ)の理解であるとしている。

  • 三学のひとつ(戒、定、慧)[3]
  • 五根のひとつ(信、精進、念、定、慧)
  • 六波羅蜜菩薩悟りに達するために修める)のひとつ(般若波羅蜜)。他の五波羅蜜を成り立たせる根拠として最も重要な位置を占める[1]

原語と漢訳

「般若」は: prajñā音写であり、波若、般羅若、斑若、鉢若、鉢羅枳嬢[要出典]などとも書く[1]。漢訳は慧、智慧、明(みょう)など[1]

上座部仏教

アビダンマ注釈書では、般若には次の3種類があるという[4][5][6]

  1. 聞所成慧 (Pāli: suta-maya-paññā): 書籍や聴講による知識、知恵。
  2. 思所成慧(Pāli: cinta-maya-paññā): 思考や理論的推論による知識、知恵。
  3. 修所成慧 (Pāli: bhāvanā-maya-paññā) : 直接的なスピリチュアル経験から得た知識、知恵。5世紀の上座部仏教注記者ブッダゴーサは、この種の知識は高度な瞑想への没頭(禅定)から得られるとしている。[6]

20世紀タイの僧侶、アチャン・リー(Ajahn Lee Dhammadharo)は、その最初の2つを理論レベルのダルマ、最後の1つは実践レベルのダルマと分類している[7]

アビダンマでは、般若を取得する7つの方法を示している[5]

  1. 賢い人に尋ねる
  2. 物事をきれいに保つ
  3. 五根(信、精進、念、定、慧)のバランスをとる。
  4. 愚かな人を避ける
  5. 賢い人と付き合う
  6. を振り返って分析する
  7. 知恵の発達に傾倒する心を持つ

ヴィパッサナー

ヴィパッサナー瞑想の文脈において般若は、すべての物事の本質的な3つの特徴(三相)、すなわち無常無我を理解する能力として記されている[2]。ブッダゴーサは、般若の役割を「個々の状態の本質」を理解することで、「無明の闇から脱出する」ことであると述べている[8]

「一切の形成されたものは無常である」(諸行無常)と
智慧(paññāya)をもって観るときに、ひとは苦から厭い離れる。これが清浄への道である。
「一切の形成されたものはである」(一切皆苦)と
智慧をもって観るときに、ひとは苦から厭い離れる。これが清浄への道である。
「一切の事物は無我である」(諸法非我)と
智慧をもって観るときに、ひとは苦から厭い離れる。これが清浄への道である。

大乗仏教

共般若と不共般若

声聞縁覚・菩薩のために共通して説かれた教えを共般若(ぐばんにゃ)といい、菩薩のためにのみ説かれた教えを不共般若(ふぐうはんにゃ)という[1]

観照般若と実相般若

一切法の真実絶対の姿を観照して知りぬく智慧を観照般若といい、般若の智慧によって観照された対境としての一切法の真実絶対の姿を実相般若という[1][注釈 1]

三般若・五種般若

三般若と呼ばれるものに下記の2つがある[1]

観照般若・実相般若・文字般若に、境界般若と眷属般若を加えた5つを五種般若という[1]

仏典における扱い

スッタニパータ

アジタ(人名)よ、命ある者における煩悩の流れをせき止めるものは、気づき(sati)である。
それが煩悩の流れを堰き止める、とわたしは説く。般若によって、それら(煩悩の流れ)は塞がれる。

— スッタニパータ1035

大智度論

大智度論』 (44) に次のように言及されている。

般若とは秦に智慧という。一切のもろもろの智慧の中で、最も第一たり、無上、無比、無等なるものにして、さらに勝るものなし。

脚注

注釈

  1. ^ 実相般若そのものは般若ではないが、般若を起こす根源であるため般若と呼ばれる[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 総合仏教大辞典編集委員会(編)『総合仏教大辞典』 下巻、法蔵館、1988年1月、1174頁。 
  2. ^ a b Thepyanmongkol, Phra (2012) (英語). A Study Guide for Right Practice of the Three Trainings. Wat Luang Phor Sodh. pp. 255-258. ISBN 978-974-401-378-1. https://books.google.com/books?id=6XFW45RDK6wC&newbks=1&newbks_redir=0&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false 
  3. ^ ターナヴットー ビック「ニカーヤにおける八聖道と三学系統の修行道」『インド哲学仏教学研究』第4巻、1996年、3-15頁、 NAID 120006908941 
  4. ^ Bhikkhu, Buddhadasa (2017-05-16) (英語). Under the Bodhi Tree: Buddha's Original Vision of Dependent Co-arising. Simon and Schuster. pp. 22. ISBN 978-1-61429-219-7. https://books.google.com/books?id=EaHRDgAAQBAJ&newbks=1&newbks_redir=0&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=false 
  5. ^ a b www.wisdomlib.org (2019年9月21日). “(4) Fourth Pāramī: The Perfection of Wisdom (paññā-pāramī)”. www.wisdomlib.org. 2020年1月23日閲覧。
  6. ^ a b Buddhaghosa (1991) (英語), The Path of Purification: Visuddhimagga, Buddhist Publication Society, translated by Ñāṇamoli Bhikkhu, pp. 434-435, ISBN 978-955-24-0023-0, オリジナルの2020-01-18時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200118150922/https://www.accesstoinsight.org/lib/authors/nanamoli/PathofPurification2011.pdf 2020年1月25日閲覧。 
  7. ^ Dhammadharo, Ajahn Lee (2012年). “Basic Themes: Four Treatises on Buddhist Practice”. USA: Metta Forest Monastery, translated by Thanissaro Bhikkhu. pp. 89. 2019年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ2020年1月26日閲覧。
  8. ^ Buddhaghosa (1991) (英語). The Path of Purification: Visuddhimagga. Buddhist Publication Society, translated by Ñāṇamoli Bhikkhu. pp. 433. ISBN 978-955-24-0023-0. https://books.google.com/books?id=B_UWm9xLDVQC&dq=The+Path+of+Purification&source=gbs_navlinks_s 

関連項目


般若(はんにゃ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 06:03 UTC 版)

謎の村雨城」の記事における「般若(はんにゃ)」の解説

城内で姫に化けて潜む敵。接近する正体現し襲い掛かってくる。耐久力高く部屋移動して追いかけてくる。

※この「般若(はんにゃ)」の解説は、「謎の村雨城」の解説の一部です。
「般若(はんにゃ)」を含む「謎の村雨城」の記事については、「謎の村雨城」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「般若」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「般若」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



般若と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「般若」の関連用語

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



般若のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
大槻能楽堂大槻能楽堂
copyright(c) 2025 The Ohtsuki Noh Theatre Foundation All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの般若 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの謎の村雨城 (改訂履歴)、弓導士 (改訂履歴)、食べれません (改訂履歴)、不動明王伝 (改訂履歴)、双星の陰陽師 (改訂履歴)、フリースタイルダンジョン (改訂履歴)、妖怪百物語 (改訂履歴)、火の鳥 鳳凰編 我王の冒険 (改訂履歴)、GANTZ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS