涅槃寂静
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/25 08:06 UTC 版)
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう, 梵: śāntaṃ nirvāṇaṃ[1])は、仏教用語で、煩悩の炎の吹き消された悟りの世界(涅槃)は、静やかな安らぎの境地(寂静)であるということを指す。涅槃寂静は三法印・四法印の一つとして、仏教が他の教えと根本的に異なることを示す。
この言葉は、『雑阿含経』などには、涅槃寂滅、『大智度論』には涅槃実法印などと出てくる。「涅槃寂静」という用語が登場するのは、『瑜伽師地論』である。
概説
『大般涅槃経』においては、この娑婆世界の無常・無我を離れたところに、真の「常楽我浄」があるとする。
数の単位として
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涅槃寂静は、小数の名(数詞)として雑学的に紹介されることがある。その表す値は10のマイナス24乗[2]や10のマイナス26乗[3]とされる。この「雑学」は2000年代以降に普及したと見られ、ウィキペディアを含むインターネット上の各種サイトで紹介されてきたほか、紙の書籍への記載や、NHKのこども向け番組『にほんごであそぼ』では楽曲『1より小さいかず』の歌詞に使用されたこともある[4][出典無効][5]。一方でこれは古い文献による出典が確認されていないため、数詞としての根拠を疑う声もある。
また、併せて紹介されることのある10のマイナス22乗とされる阿頼耶、10のマイナス23乗とされる阿摩羅も同様に出典に乏しい。[6]
脚注
参考文献
- 室寺, 義仁「三法印(dharmamudra trilaksana) : 古典インドにおける三句の發端と展開の諸様相」『東方学報』第88巻、京都大學人文科學研究所、2013年、442-423頁、doi:10.14989/180561。
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