道宣とは? わかりやすく解説

どうせん〔ダウセン〕【道宣】

読み方:どうせん

[596〜667中国唐代の僧。姓は銭。丹徒浙江(せっこう)省)の人。智首に律を学び終南山住して四分律研究南山宗開いた。著「四分律行事鈔」「大唐内典録」など。


道宣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 08:11 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
道宣
開皇16年4月8日 - 乾封2年10月3日
596年5月10日 - 667年10月25日
諡号 澄照大師
尊称 南山律師、南山大師
生地 長安
宗派 南山律宗
寺院 浄業寺西明寺
智首、法礪
弟子 周秀、文綱
著作 『四分律刪繁補闕行事鈔』『続高僧伝』『大唐内典録
テンプレートを表示

道宣(どうせん、拼音: dào xuān開皇16年4月8日596年5月10日) - 乾封2年10月3日667年10月25日))は、中国代の律宗僧侶。南山律宗の開祖

略歴

俗姓は銭氏で、本貫呉興郡烏程県(浙江省湖州市呉興区)(一説には晋陵郡丹徒県(江蘇省鎮江市丹徒区))。父は南朝陳吏部尚書銭申で、に捕縛され、護送先の長安にて彼が誕生した。字は法遍、澄照、法慧と諡された。

16歳の時に日厳寺にて出家し智頵律師に学んだ。大業年間(605年 - 617年)、20歳の時に大禅定寺で具足戒を受け、同寺の智首についてを学び、禅観も修めた。その後、各地に遊学し、武徳7年(624年)に終南山(南山)の浄業寺に住んで、講学と著述に励んだ。また、戒律の異本を渉猟して再び遊方に赴き、貞観9年(635年)には、律宗中の相部宗の祖である法礪のもとで学んだ。

貞観16年(642年)に南山に戻り、貞観19年(645年)に玄奘が帰朝すると、長安の弘福寺の訳場に招かれた。

永徽3年(652年)に、高宗の勅命によって西明寺が創建されると、上座に招かれた。同寺で『四分律』の注釈の執筆など、律の研究に没頭した。このことから後世の人々から南山律師と呼ばれるようになった。

乾封2年(667年)に亡くなり、唐の懿宗咸通10年(869年)に澄照大師号を追贈した。

道宣の弟子は千人を数え、その教えを拡大させ、南山宗は一世を風靡し、現在の中国の僧侶も彼の四分律を学んでいる。法席を嗣いだのは周秀である。また、弟子の文綱系統からは鑑真が出ている。

著書

道宣の著作は非常に多く、大別すると、以下の分野に分かれる。(35部188巻)

律に関するもの

律に関しては、『四分律刪繁補闕行事鈔』、『四分律刪補随機掲磨疏』、『四分律比丘含注戒本疏』、『四分律比丘尼鈔』、『四分律拾毘尼義鈔』のいわゆる南山宗五大部がある。

その他にも『教誡新学比丘行護律儀』や『関中創立戒壇図経』がある。

仏教史に関するもの

中国仏教史に関しては、『続高僧伝』や『広弘明集』があり、いずれも名著とされる。

その他には『釈迦方誌』や『妙法蓮華経弘伝序略義』がある。

経典目録に関するもの

経録に関しては、『大唐内典録』、『続大唐内典録』がある。

その他

その他には『浄心誡観法』がある。

逸話

唐の高宗が僧侶に対して、皇帝や親に対して跪拝するよう勅命を出した際、道宣は弟子と共にこれに反対し、ついに撤回させたことがある。

伝記資料

参考文献

外部リンク




道宣と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「道宣」の関連用語

1
大唐内典録 デジタル大辞泉
70% |||||



4
南山宗 デジタル大辞泉
38% |||||

5
四分律宗 デジタル大辞泉
38% |||||

6
広弘明集 デジタル大辞泉
38% |||||

7
律宗 デジタル大辞泉
38% |||||

8
38% |||||


10
三大部 デジタル大辞泉
34% |||||

道宣のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



道宣のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの道宣 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS