春日山原始林
かすがやま‐げんしりん【春日山原始林】
春日山原始林
名称: | 春日山原始林 |
ふりがな: | かすがやまげんしりん |
種別: | 特別天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 奈良県 |
市区町村: | 奈良市春日野町 |
管理団体: | 奈良県(大14・11・12) |
指定年月日: | 1924.12.09(大正13.12.09) |
指定基準: | 植2 |
特別指定年月日: | 昭和30.02.15 |
追加指定年月日: | |
解説文: | 天然紀念物調査報告(植物之部)第五輯 一八七頁 參照 天然紀念物解説 二一五頁 古來禁伐林トシテ保存セニレタル原始林ニシテ老樹大木繁茂シ暖地ノ草木ニ富ミ加フルニ寒地ノ種類ヲ交ヘ稀有ノ林相ヲ呈ス殊ニほんごうさう、かぎかづら、やまもも、かごのき、むぎらん、かやらん、なちしだ、をほばはちじやうしだ、まつばらん等ノ如キ亜熱帶性并暖地性分子ヲ有スルヲ以テ著シ 春日大神の神山として古来殆ど斧鉞を加えず、樹木の巨大なもの多く、暖地の草木の種類の多いばかりでなく、寒地性の種類を交え、また、ホンゴウソウ、カギカヅラ、ナチシダ等の如き亜熱帶性植物もあり、特に都会地に接してかかる原始林とその特異の林相のよく保有されていることは稀有のことであって、学術上の価値が深い。 |
春日山原始林
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 16:41 UTC 版)


春日山原始林(かすがやまげんしりん)は、奈良県奈良市の市街の東方に位置する原始林で約250haの広さがある。春日大社の神域として古より狩猟や伐採が禁止され、積極的な保護により原始性を保ってきた。奈良の景観保全上においても重要な役割を果たしており、ユネスコの世界文化遺産「古都奈良の文化財」の一要素となっている[1][2]。
概要
春日山は春日大社の山として神聖視され、樹木伐採が841年(承和8年)から禁じられてきたため、森林が極相に達した原生林が広がっている。暖帯北部に属する地域であるが、暖帯南部の植物が非常に多く、繁殖もさかんである。主な樹種はナギ・ヤマモモ・シイノキ・アラカシ・ツクバネガシ・イチイガシ・カゴノキ・アオガシ・イスノキ・サカキ・クロバイなどである。林中には蔓性植物も多く、とくにカギカズラの群生が多い。このほかビナンカズラ・ウドカズラ・テイカカズラ・オオイタビ・ヤマイバラ・ゴトウヅル・フジなども多い。暖地性シダのナチシダ・オオバノハチジョウシダ・ヘラシダ・ウラジロなども多い[3]。また、このような暖地性の草木の中に温帯性のホオノキ・タラノキ・リョウブ・クマノミズキ・ウリハダカエデ・シナノガキ・イモノキなどの樹木が分布錯綜しており、林相的にも興味深い[3]。
市街地(奈良市)に近接して原生林が存在することは極めて珍しく、学術上の価値も高いことから1924年(大正13年)に国の天然記念物に、1955年(昭和30年)2月に特別天然記念物に指定された[3]。また春日山の照葉樹林は国の名勝にも指定されている。1998年(平成10年)12月には古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録された。
交通アクセス
- 近鉄奈良線 近鉄奈良駅およびJR西日本関西本線・桜井線 奈良駅から奈良交通バスの「春日大社本殿」行きで終点「春日大社本殿」下車、徒歩。
- 奈良交通バス(市内循環外回り)で「春日大社表参道」下車、徒歩。
- 近鉄奈良駅・JR奈良駅から徒歩。
周辺
脚注
関連項目
外部リンク
座標: 北緯34度41分3.5秒 東経135度51分52.3秒 / 北緯34.684306度 東経135.864528度
固有名詞の分類
- 春日山原始林のページへのリンク