室戸岬
名称: | 室戸岬 |
ふりがな: | むろとみさき |
種別: | 名勝 |
種別2: | |
都道府県: | 高知県 |
市区町村: | 室戸市室戸岬町 |
管理団体: | 高知県(昭4・3・6) |
指定年月日: | 1928.06.27(昭和3.06.27) |
指定基準: | 名8 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 室戸岬ハ四國島ノ南海■出シタル一大岬角ニシテ斑■岩ノ二條ノ岩脈ハ主トシテ砂岩及泥板岩ノ互層ヨリ成ル中生層ヲ貫キ岬■澎湃タル怒涛ノ絶エズ岸ヲ拍ツ處奇岩乱レ立チ怪礁碁布シ往々ニシテ海成甌穴ヲ生ゼリ岩礁中ニハ中生層ノ地質的変動ヲ受ケテ断層■曲変質ノ諸現象ノ著シキモノアリ斑■岩脈ノ冷却凝結ノ遲速ニ因リテ著シク石理構造ヲ異ニスルモノアリ、昆砂砧岩、龍宮岩ハ岩礁ノ主ナルモノニシテ空海ノ目洗池ト称スルハ海成甌穴ノ一ナリ山上ハ西方ノ岬頭行當岬ト共ニ著シキ海蝕台地ニシテ東寺ノ堂塔、燈台及測候所アリ山麓ニハ空海修法ノ崖ト称スル海蝕洞崖ノ水面ヨリ約十米ノ高位ニ位シテ海退作用アリシヲ示スモノアリ海岸ノ勝地トシテハ眼界廣濶眺望偉大ナル点ニ於テ類例尠キモノニ属ス 後面ノ山地ハ多数ノ亜熱帶性常緑濶葉樹ヲ以テ蔽ハレたちばなノ如キモ、亦其ノ中ニ産ス、殊ニ著シキハあこうトあをぎりノ郡落ニシテ前者ハ山麓ニ後者ハ山腹ニ亘リテ叢生ス又海岸ノ奇岩乱石ノ間ニハうばめがしノ純郡落ノ外種々ノ海浜植物群生シ土地ノ温暖ナルニ因リ冬季モ尚花ヲ絶タズ爲ニ岬頭ノ景観ヲシテ異彩ヲ放タシム |
室戸岬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/20 18:23 UTC 版)
室戸岬 | |
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岬の南端 右下に中岡慎太郎像
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場所 | ![]() 高知県室戸市室戸岬 |
座標 | 北緯33度14分39秒 東経134度10分36秒 / 北緯33.2441度 東経134.1768度 |
室戸岬(むろとざき、むろとみさき)は、高知県室戸市に属し、太平洋(フィリピン海)に突き出る室戸半島の先端の岬。国の名勝、室戸阿南海岸国定公園に指定、日本新八景、四国八十八景22番に選定されている。 北緯33度14分34秒 東経134度10分35秒 / 北緯33.24278度 東経134.17639度座標: 北緯33度14分34秒 東経134度10分35秒 / 北緯33.24278度 東経134.17639度。波乗り(サーフィン)の名所でもある。
地理

安芸山地が太平洋に落ち込む南端で、太平洋に大きく突き出し、紀伊水道と土佐湾を分ける。泥岩・砂岩・斑れい岩により、海岸段丘や岩礁、奇岩が形成され、冬でも温暖で、亜熱帯植物が繁茂する。当岬から西側は海岸段丘が発達している。地球上では、間氷期に海水面が高く、高い位置の土地が削られて海食崖になり、氷期になると海水面が下がり、低い位置の土地が削られて海食崖になる、ということを繰り返している。当岬周辺ではこれに加え、第四紀後半以降千年あたり2mという速さで土地が隆起していて、ふたたび間氷期になったときには、かつての海食崖は元の位置より高い位置にあり、水没せずに陸地上の地形として残り、これを繰り返し、階段状の地形が形成された[1]。当岬付近の隆起は、大地震に伴う陸地の急激な隆起に起因していると推定されていて、この大地震については、南海トラフのメガスラストの活動によるという説と、室戸半島の東縁に分布する南北走向・西傾斜のメガスラストから分岐した断層の活動による説がある[2]。なお、西の羽根川と東の尾崎川を基部として室戸岬を先端とした区域で、大角山(標高709m)を最高峰とする半島が室戸半島である。 黒潮の流れる沖合いは台風銀座でもあり、当岬は強風で知られる。1934年(昭和9年)の室戸台風や1961年(昭和36年)の第2室戸台風では台風が付近に上陸し、その名を残すこととなった。後者では測候所の風速計が壊れてしまい、最大瞬間風速は「84.5m/s以上」と記録されるにとどまっている。
歴史
- 1899年(明治32年)4月1日 : 室戸岬灯台が開設
- 1920年(大正9年)7月10日 : 室戸岬測候所が開設
- 1927年(昭和2年) : 日本新八景に海岸部門で選ばれている。
- 1928年(昭和3年)3月24日 : 「室戸岬亜熱帯性樹林および海岸植物群落」が国の天然記念物に指定
- 1928年(昭和3年)6月27日 : 「室戸岬」が国の名勝に指定
- 1934年(昭和9年)9月21日 : 室戸台風、上陸
- 1950年(昭和25年)3月24日:昭和天皇が室戸岬に行幸(昭和天皇の戦後巡幸)。アオギリやウバメガシの純林などを観察[3]。
- 1961年(昭和36年)9月16日 : 第二室戸台風、室戸岬西岸に上陸
- 1964年(昭和39年)6月1日:室戸阿南海岸国定公園に指定
- 2018年(平成30年)6月14日:灌頂ヶ浜から室戸岬灯台の方向を眺めると大地の誕生を実感できる光景が四国八十八景22番に選定
交通
国道55号沿いにバス停留所が点在する。以下は、室戸岬バス停または岬バス停に停車するものを挙げる。
高知龍馬空港・高知駅方面への直通便は2007年3月を以って、大阪方面への夜行高速バスは2008年5月を以って廃止された。また、徳島バス、阿佐海岸鉄道のアクセスは1往復のみ(阿佐海岸鉄道に関しては土休日のみ)となっている。
※〈〉はDMVの鉄道区間に位置する鉄道駅。
周辺の名所・旧跡・観光スポット
その知名度の割には、交通の不便さ(フェリー廃止やバスの減便など近年さらに不便になりつつある)もあってあまり俗化されていない。岬にはバス停付近に民宿や土産物屋が数軒並ぶだけであるが、その分混雑や騒音には無縁であり雄大な光景を味わうには絶好の場所である。また、磯釣りや沖合でのイカ釣りも盛んである。
- 三か所の「恋人の聖地」:室戸岬展望台・標高45m、室戸岬灯台展望台・標高145m、スカイライン山頂展望台(津呂山高岡園地)・標高258.3m
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室戸岬展望台
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室戸岬灯台
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スカイライン山頂
- 室戸岬灯台:当岬上部には室戸岬灯台が立ち、1899年(明治32年)初点灯で海抜154.7m、実効光度と光達距離で日本一を誇り、「日本の灯台50選」の一つで、歴史的価値から保存灯台ともされている。
- 中岡慎太郎像
- 御厨人窟: 修行中の空海(弘法大師)がこの地で悟りを得たという伝承がある。
- 室戸山最御崎寺:四国八十八箇所第24番札所
- 青年大師像(来影寺):高さ21mの空海19歳の像
- 室戸岬測候所
- シレストむろと:室戸海洋深層水を利用した健康増進施設でスパとレストランがある。
- 室戸世界ジオパークセンター:無料
- むろと廃校水族館:大人600円
- 夫婦岩 :室戸市 鹿岡鼻(かぶかはな)北緯33度21分11.37秒 東経134度12分10.21秒
- ゴロゴロ浜: 国道55号のゴロゴロ休憩所付近の海岸で往時はお遍路さんはこの浜辺を歩いて通過していた。北緯33度29分12.45秒 東経134度15分28.69秒
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来影寺 青年大師像
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室戸岬測候所
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むろと廃校水族館
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夫婦岩
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ゴロゴロ浜
脚注
注釈
- ^ 室戸岬の看板がこの他以外にも周辺にはいくつかあり記念撮影などができる(2012年1月)
出典
- ^ 白井孝明(2017) 室戸ユネスコ世界ジオパークと室戸岬灯台 地図中心 (日本地図センター)、2017年4月号、p.18-19
- ^ 前杢 英明 (2006). “室戸半島の第四紀地殻変動と地震隆起”. 地質学雑誌 112 (Supplement): 17-26. doi:10.5575/geosoc.112.S17 2018年6月25日閲覧。.
- ^ 宮内庁『昭和天皇実録第十一』東京書籍、2017年3月30日、58頁。ISBN 978-4-487-74411-4。
関連項目
- 高知県を代表する観光地の一つで、かつて運行していたJR四国の特急「むろと」にもその名が用いられていた。ただし「むろと」は徳島県側の牟岐線を室戸岬方面へ向かっていた列車であり、高知県域は走らなかった(一時期甲浦駅まで運転されていたことはある)。
- 四国のみち
- 日本新八景
- 日本国指定名勝の一覧
- 植物天然記念物一覧
- 美しい日本の歩きたくなるみち500選
外部リンク
- 室戸ユネスコ世界ジオパーク
- 室戸阿南国定公園
- 室戸山最御崎寺
- 国指定文化財 データベース(文化庁)
- 『室戸岬』 - コトバンク
「室戸岬」の例文・使い方・用例・文例
- 室戸岬
室戸岬と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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