イスノキとは? わかりやすく解説

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いす‐の‐き【×柞/蚊樹】

読み方:いすのき

マンサク科常緑高木暖地自生樹皮灰白色長楕円形厚く互生する。春、紅色の細かい花が穂状に咲く。生ず虫こぶタンニン含み染料に、材は堅くて重く(くし)・そろばん玉などに用いられ、また柞灰(いすばい)も作られる虫こぶ吹いたときに鳴る音から「ひょんのき」ともいう。さるぶえ。さるびょう。くしのき。ゆすのき。いす。


蚊母樹

読み方:イスノキ(isunoki), ヒョンノキ(hyonnoki), ユシノキ(yushinoki), ユスノキ(yusunoki)

マンサク科常緑高木


イスノキ


分布
C. cuspidata var. sieboldii) 両者木材同じようシイノキとして扱われていることが多いでしょう前者本州関東以西)、四国九州沖縄台湾中国中南部などに分布しており、照葉樹林代表的な樹種とされています。後者本州福島県および新潟県以南四国九州沖縄済州島などに分布してます。

木材
心材と辺材境界はとくにはっきりしているとはいえません。前者紅色帯びた褐色、あるいは紫色帯びた褐色で、後者はやや紅色帯びた淡黄褐色ですが、ときに濃色の縞が不規則に出てくることがあります年輪はあまりはっきりしてはいません。肌目は精で、木理乱れることがあります気乾比重0.75-0.90(平均値)-1.02で、非常に重硬で、イスノキは日本木材の内で最も重いとされています。保存性の高い木材です。重硬なため、切削などの加工をするのはかなり難しいですが、よい仕上がり面が得られます。

用途
重く硬いので、加工をするためには工夫が必要ですが、製品その特徴生かしたものが大半です。家具器具楽器三味線琵琶の撥など)機械、旋作品などです。フローリングもよく知られている用途です。イスノキでつくった木刀売られています。

■その他
木材の利用法で変わった方法あります。それは風蝕材です。立ち木のまま枯らして、さらに長期間風雨曝し、これを磨いて回り使います京都では舎利呼びます日向ではイスノキの皮を剥いて風蝕材としたものを "スヌケ"と呼び高価な床柱です。


読み方:イスノキ(isunoki)

マンサク科常緑喬木

別名 蚊母樹


蚊母樹

読み方:イスノキ(isunoki)

マンサク科常緑喬木

別名


読み方:イスノキ(isunoki), イスisu), ホウソ(houso), ユシyushi), ユシノギ(yushinogi), ユス(yusu), ユスノキ(yusunoki)

マンサク科常緑高木

学名 Distylium racemosum


柞樹

読み方:イスノキ(isunoki)

マンサク科常緑高木

学名 Distylium racemosum


蚊母樹

読み方:イスノキ(isunoki), ヒョンノキ(hyonnoki), ユシノキ(yushinoki), ユスノキ(yusunoki)

マンサク科常緑高木

学名 Distylium racemosum


蚊母樹

読み方:イスノキ(isunoki)

マンサク科常緑高木庭木建築材となる

季節

分類 植物


イスノキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/07 05:06 UTC 版)

イスノキ
イスノキ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: マンサク科 Hamamelidaceae
: イスノキ属 Distylium
: イスノキ D. racemosum
学名
Distylium racemosum Siebold et Zucc.[1][2]

イスノキ(柞の木[3]Distylium racemosum)は、暖地に自生するマンサク科の常緑高木。別名、ユスノキ[3]、ユシノキ、ヒョンノキ[3]中国名は蚊母樹、韓国名はジョロクナム(조록나무)。葉はしばしば虫こぶ(虫えい)がつき、大きくなると穴が開くのが特徴。

分布

日本では静岡県以西、四国九州琉球列島に分布する[3]。暖地の山地に自生する[3]。沖縄では石灰岩上の森林で優占するのを見ることがある。国外では済州島台湾中国南部に分布する。

特徴

常緑広葉樹高木で、高さ約20 - 25メートル (m) になる[3]樹皮は灰白色。大木になると赤っぽくなる。

互生し、長さ5 - 8センチメートルの長楕円形で、葉身は革質、深緑で表面に強いつやがある[3]。葉面にしばしば虫こぶ(虫えい)がつく。イスノキコムネアブラムシの寄生では葉の面に多数の小型の突起状の虫こぶを、イスオオムネアブラムシ Nipponaphis distychii の寄生によっては丸く大きく膨らんだ虫こぶ(ひょんの実)が形成される。どちらも非常に頻繁に出現するのでこれを目当てにイスノキが特定できるほどである。虫こぶは大きくなると穴が開き、ここを吹くと笛のような音が出ることから「ヒョンノキ」の別名がある[3]。また、この「ヒョン」を「妙な、異様な」の意の「ひょんな」の語源とする説もある。安原貞室の『片言』(1650年)に、「ひよんなことといふを、(中略)是はひよんといふ木の実の、えもしれぬ物なるよりいへること葉歟。」とある。

花期は3 - 4月[3]葉腋総状花序を出して小花をつける[3]。花序の基部には雄花、先の方(上部)には両生花がつく[3]花弁はなく、も小さいが、雄しべが5 - 8個つき、が紅色に色づく[3]。葯は乾燥すると裂開し、花粉は風によって飛散する。

果期は10月[3]。果実は広卵形で、表面が黄褐色の毛で覆われ[3]、先端に雌蘂が二裂した突起として突き出すのが目につく。果実が熟すと2つに裂開し、黒色の種子が露出する[3]

利用

材は本州や四国に自生する木の中ではウバメガシと並んで非常に堅く重い部類となる。家具、の素材にされ、とくにイスノキ材の木刀は、示現流系統の剣術で使用されているのは有名。材や樹皮を燃やした(柞灰(いすばい))は陶磁器の融剤とする。また、樹皮はトリモチの原料ともなる。樹皮を採取した後のイスノキを長く放置すると辺材が失われて心材のみとなるが、この心材をスヌケと呼ぶ。スヌケは濃い茶色で、磨くと光沢をもつ。

樹木そのものは乾燥に強く丈夫なので街路樹として栽培されることもある。 また、虫こぶ(ひょんの実)は成熟すると表面が硬く、内部が空洞になり、出入り口の穴に唇を当てて吹くととして使える。これが別名ヒョンノキ(ひょうと鳴る木)の由来とも言われる。また、この虫こぶにはタンニンが含まれ、染料の材料として使われる。

近似種

同属の植物はヒマラヤに数種が知られるが、日本ではこの種だけである。しかし葉の形などにはっきりした特徴が少なく、慣れないと分かりにくい面もある。上記のように虫こぶがよい目安になる。

その他

鹿児島県の「伊集院」という地名は、イスノキが多い地であり、平安朝の租税である稲穂を貯蔵する倉院が置かれたことから、「いすいん」と呼ばれるようになったことに由来する[4][5]

静岡県下田市にある八幡神社のイスノキは、イスノキとしては唯一国の天然記念物に指定されている。

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Distylium racemosum Siebold et Zucc.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月5日閲覧。
  2. ^ "Distylium racemosum". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2012年8月21日閲覧
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 西田尚道監修 学習研究社編 2000, p. 26.
  4. ^ 松元町郷土誌 p.87
  5. ^ 『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』 角川書店 p.95

参考文献

  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂ベストフィールド図鑑 5〉、2000年4月7日、26頁。 ISBN 978-4-05-403844-8 

外部リンク

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