無色界とは? わかりやすく解説

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むしき‐かい【無色界】

読み方:むしきかい

仏語三界の一。色界の上にあり、肉体物質から離脱して、心の働きである受・想・行・識の四蘊(しうん)だけからなる世界。さらに四天分けられ、その最上の非想非非想天有頂天ともいう。


むしきかい 【無色界】

三界

無色界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/04 11:44 UTC 版)

仏教用語
無色界
パーリ語 arūpa-dhātu
サンスクリット語 ārūpya-dhātu
中国語 无色界, 无色界天
日本語 無色界
(ローマ字: Mushiki-kai)
英語 Formless Realm
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無色界(むしきかい、: ārūpya: Ārūpyadhātu)は、天部の最高部に位置し三界の一つである。欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、禅定に住している世界[1]。下から空無辺処識無辺処無所有処非想非非想処の4つがある[1][2]

無色と名づくのは、説一切有部では色がまったく無いからといい、大衆部化地部などは麁色なき所謂とし、経部では色の起るを妨げずをいうからといわれる。

無色界の禅定

無色界禅定に達した者は、は平穏な(ウペッカー)が達成され、喜(Pīti)は発生しない[2]

  1. 空無辺処 (Ākāśānantyāyatana अाकाशानन्त्यायतन or Ākāsānañcāyatana आकासानञ्चायतन)
    無色界の第1天。定を抑える一切の想を滅し、虚空(Ākāśā;何もない)に果てがない(無辺; anattā)であると思惟する定[2]
  2. 識無辺処 (Vijñānānantyāyatana विज्ञानानन्त्यायतन , Viññāṇānañcāyatana विञ्ञाणानञ्चायतन , Viññāṇañcāyatana )
    無色界の第2天。(ヴィニャーナ)に果てがない(無辺)であると思惟する定[1][2]
  3. 無所有処 (Ākiṃcanyāyatana आकिंचन्यायतना , Ākiñcaññāyatana आकिञ्चञ्ञायतन)
    無色界の第3天。何物も無しと思惟する定。
  4. 非想非非想処 (Naivasaṃjñānāsaṃjñāyatana नैवसंज्ञानासंज्ञायतन , Nevasaññānāsaññāyatana नेवसञ्ञानासञ्ञायतन)
    無色界の最高の天。非有想非無想処とも。何物も無しと思惟する定を超えて極めて昧劣な想のみが存在する定。における天界の最上部であるため、有頂天とも呼ばれる。

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c 藤本晃著 『悟りの4つのステージ : 預流果、一来果、不還果、阿羅漢果』サンガ、2015年11月、Chapt.5。ISBN 9784865640267 
  2. ^ a b c d アルボムッレ・スマナサーラ; 藤本晃 『ブッダの実践心理学 アビダンマ講義シリーズ 第2巻 心の分析』サンガ、2006年、Chapt.3。ISBN 978-4901679169 

関連項目


無色界(むしきかい、梵: ārūpa-dhātu)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 21:03 UTC 版)

三界」の記事における「無色界(むしきかい、梵: ārūpa-dhātu)」の解説

物質的なものから完全に離れた衆生が住む世界欲望物質的条件超越し精神的条件のみを有する生物が住む境域欲界および色界よりも上位にあり 、天界最上層に位置する空間超越する無色界は、厳密には色(かたち)を持たない。ゆえに、色界の上方に存在するわけではないが、便宜上三界のなかでは一番上部に置かれる右図参照)。

※この「無色界(むしきかい、梵: ārūpa-dhātu)」の解説は、「三界」の解説の一部です。
「無色界(むしきかい、梵: ārūpa-dhātu)」を含む「三界」の記事については、「三界」の概要を参照ください。

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