ヒンドゥー教
別表記:ヒンズー教、ヒンドゥーイズム、Hinduism
「ヒンドゥー教」とは、古代インドの土着の信仰や習俗が渾然一体となった民族宗教あるいは民族文化のことである。バラモン教の教典や制度が少なからず基礎となっているが、バラモン教とは区別される。
ヒンドゥー教はインドの文化や社会と不可分の関係にあり、「インドの民族宗教」と呼ばれることもある。宗教というよりはむしろインド文化あるいは社会規範というべき要素も多々ある。
ヒンドゥー教徒はインドおよびパキスタンに広く分布し、信者の数は数億人から十数億人に上るとされる。これはキリスト教とイスラム教に次いで世界で3番目に多い(世界三大宗教に数えられる仏教より多い)。
「ヒンドゥー教」の特徴
ヒンドゥー教は、「ブラフマー」「ヴィシュヌ」「シヴァ」の3神を最高神とする多神教である。輪廻・業・因果応報が信じられており、輪廻からの脱却(解脱)を最終目標とする。解脱を実現するための心身の修行法のひとつが「ヨガ(ヨーガ)」である。ヒンドゥー教では「穢れ」を忌避し、日常生活でも清浄・不浄が強く意識される。たとえば、排泄には必ず左手を使う。食事には左手を決して使わず右手のみ使う。豚は不浄とされているため豚肉は基本的に食べられない。牛は神聖とされており絶対に食べない。生き物全般を「祖先の生まれ変わりである可能性がある」と考えて避ける人もいる。菜食主義のヒンドゥー教徒は多い。
「カースト」(ヴァルナ・ジャーティ)と呼ばれる身分制度も、ヒンドゥー教に基づいている。輪廻思想と相俟って身分は基本的に世襲とされ、不浄の観念とも相俟って「不可触賎民」などの下層に対する差別意識も強い。
ヒンドゥー教では女性が相対的に不浄とされ、男尊女卑の傾向が根強い。身分差別や男尊女卑は改善に向けた取り組みが試みられているが、何しろインド文化に深く根付いているため、改革はなかなか進んでいない。
ヒンドゥー‐きょう〔‐ケウ〕【ヒンドゥー教】
読み方:ひんどぅーきょう
ヒンドゥー教
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【スムリティ(聖伝)】
- 1 ヒンドゥー教とは
- 2 ヒンドゥー教の概要
ヒンドゥー教(バラモン教)
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インド哲学 - インド発祥の宗教 ヒンドゥー教 基本教義 アートマンとブラフマン 梵我一如 輪廻(サンサーラ) 業 プルシャールタカーマ ダルマ アルタ(英語版) モークシャ 神々 ブラフマー シヴァ(パールヴァティー) ヴィシュヌ(クリシュナ) アスラ ヴァルナ ヴィローチャナ マハーバリ ヴリトラ ラーヴァナ インドラ ナーガ ナーガラージャ ジャガンナート 聖典 【シュルティ(天啓)】ヴェーダ リグ・ヴェーダ ヤジュル・ヴェーダ サーマ・ヴェーダ アタルヴァ・ヴェーダアーラニヤカ ウパニシャッド 副ヴェーダ ガンダルヴァ・ヴェーダ ダヌル・ヴェーダ(英語版) スターパティア・ヴェーダ アーユルヴェーダ 【スムリティ(聖伝)】 ヴェーダーンガ プラーナ文献 マハーバーラタ (バガヴァッド・ギーター) ラーマーヤナ 六派哲学の諸経典 法典・律法経 マヌ法典 ヤージュニャヴァルキヤ法典 学派 ヴェーダーンタ学派 ミーマーンサー学派 ヨーガ学派 サーンキヤ学派 ニヤーヤ学派 ヴァイシェーシカ学派 宗派 ヴィシュヌ派 シヴァ派 シャクティ派 スマールタ派 人物 アンギラス カナーダ パーニニ パタンジャリ ウッダーラカ・アールニ ヴィヤーサ ヤージュニャヴァルキヤ シャンカラ カビール ラーマーヌジャ オーロビンド・ゴーシュ マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー マハトマ・ガンディー シュリーラ・プラブパーダラーマクリシュナ ラマナ・マハルシ ラーダークリシュナン ヴィヴェーカーナンダ シャンカール 修行・礼拝 ヨーガ バジャン(英語版) 苦行・護摩 ヤジニャ(英語版) バクティ(英語版) 関連用語 ブラーフマナ ムルティ(英語版) サンヒター、グル インド神話、カースト ヒンドゥー暦 ヴァルナ ジャーティ 不可触民 サティー ヒンドゥトヴァ アーシュラマ ヒンドゥー至上主義 一覧 寺院の一覧、遺跡の一覧ヒンドゥー教の祭の一覧(英語版) ヒンドゥー教徒の国別人口(英語版) ヒンドゥー教用語の一覧(英語版) ポータル 表 話 編 歴 ヒンドゥー教は非常に雑多な宗教であるが、そこにはヴェーダの時代から続く悟りの探求の長い歴史がある。 仏教に対峙するヴェーダの宗教系で使われる悟りは意識の状態で、人が到達することの出来る最高の状態とされる。サンスクリットのニルヴァーナ(涅槃)に相当する。光明または大悟と呼ばれることもある。悟りを得る時に強烈な光に包まれる場合があることから、光明と呼ばれる。 インドではヴェーダの時代から、「悟りを得るための科学」というものが求められた。それらは特に哲学的な表現でウパニシャッドなどに記述されている。古代の時代の悟りを得た存在は特にリシと呼ばれている。 ニルヴァーナには3つの段階が存在するといわれ、マハパリ・ニルヴァーナが最高のものとされる。悟りと呼ぶ場合はこのどれも指すようである。どの段階のニルヴァーナに到達しても、その意識状態は失われることはないとされる。また、マハパリ・ニルヴァーナは肉体を持ったまま得るのは難しいとされ、悟りを得た存在が肉体を離れる場合にマハパリ・ニルヴァーナに入ると言われる。 悟りを得た存在が肉体を離れるときには、「死んだ」とは言われず、「肉体を離れる」、「入滅する」、「涅槃に入る」などと言われる。 悟りという場合、ニルヴァーナの世界をかいま見る神秘体験を指す場合がある。この場合はニルヴァーナには含まれないとされ、偽のニルヴァーナと呼ばれる。偽のニルヴァーナであっても、人生が変わる体験となるので、偽のニルヴァーナを含めて、ニルヴァーナには4つあるとする場合もある。 現在でも、ゴータマ・ブッダの時代と同じように山野で修行を行う行者が多い。どんな時代にでも多くの場所に沢山の数の悟りを得た(と自称している)存在に事欠かない。 通常、悟りを得たとする存在もヒンドゥー教、またはその前段階のバラモン教の伝統の内にとどまっていた。しかし、特にゴータマ・ブッダの時代はバラモン教が司祭の血統であるブラフミン(バラモン)を特別な存在と主張した時で、それに反対してバラモン教の範囲から飛び出している。同時代にはジャイナ教のマハーヴィーラも悟りを得た存在としており、やはり階級制であるカーストに反対してこれを認めず、バラモン教から独立している。
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「ヒンドゥー教」の例文・使い方・用例・文例
- イスラム教徒は牛肉を食べるがヒンドゥー教徒は牛肉を食べない。
- ヒンドゥー教徒は牛をとても大事にする
- ヒンドゥー教徒の寡婦の行為で、亡くなった夫を火葬する薪の上で、自らの意志で焼身自殺すること
- ヒンドゥー教の宗教的舞踊の儀式的な手の動かし方
- ヒンドゥー教の男性が着る長い腰布
- 裸行、禁欲、瞑想を行う、ヒンドゥー教の哲学者の一派の主義
- ヒンドゥー教の三大神の1つであるシヴァ神の崇拝
- ヒンドゥー教の三大神の1つであるヴィシュヌの崇拝
- 紀元前2000年以前までさかのぼるヒンドゥー教の詩から成るヴェーダ
- ヒンドゥー教のシヴァの男根の象徴
- 後期ヒンドゥー教の三神格
- 正統派ヒンドゥー教の宗教的・社会的制度
- シヴァ神を崇めるヒンドゥー教の分派
- シャクティを崇拝するヒンドゥー教の分派
- ヴィシュヌ神を崇拝するヒンドゥー教の分派
- 紀元前6世紀に、ヒンドゥー教に対する反乱として創設された宗派
- ヒンドゥー教と異教信仰の要素が混ざり合った仏教内の運動
- ヒンドゥー教の四大カーストの最下層:労働者階級
- 女性を人目につかないようにしておくヒンドゥー教徒やイスラム教徒の制度
- ヒンドゥー教勢力が強いインド北部の地域
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