寡婦
寡婦とは、寡婦の意味
寡婦とは、夫と死別し、あるいは夫と離婚した後に結婚をしていない女性のことである。子どもを一人で養育している寡婦を、シングルマザーと呼ぶこともある。ちなみにシングルマザーは、離婚や死別の他に未婚の母や別居中の母も含まれるため、寡婦と同義ではない。寡婦の同義語には、「未亡人」や「やもめ」「後家」(ごけ)などが挙げられる。寡婦には税法上の優遇措置がとられる。例えば、子や親などの扶養親族がおり、所得金額が500万円以下の寡婦は、寡婦控除として27万円が所得金額から差し引かれる。なお、寡婦であっても事実婚の状態にある場合には控除の対象外となる。ちなみにひとり親(未婚の母)には、ひとり親控除として35万円が所得控除される。
やも‐め【▽寡/寡=婦/×孀/×鰥/鰥=夫】
か‐ふ〔クワ‐〕【寡婦】
寡婦(やもめ)
寡婦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 06:42 UTC 版)
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別名では、
各国の制度
日本
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寡婦(寡夫)控除・ひとり親控除

所得税法第2条において、寡婦はア又はイに掲げる者でひとり親に該当しないものをいう(原則2020年4月以後)。
- ア 夫と離婚した後婚姻をしていない者で、扶養親族を有し、本人の合計所得金額が500万円以下であるもの(一定の事実婚関係にある人がいるものを除く)
- イ 夫と死別した後婚姻をしていない者、又は夫が生死不明などの者で、本人の合計所得金額が500万円以下であるもの(一定の事実婚関係にある人がいるものを除く)
同様に、ひとり親は次に掲げる者をいう。
- 現に婚姻をしていない者又は配偶者が生死不明などの者で、合計所得金額が58万円[6](2024年分以前は48万円)以下の生計を一にする子(他の者の同一生計配偶者、扶養親族となっていない者に限る)を有し、かつ本人の合計所得金額が500万円以下であるもの(一定の事実婚関係にある人がいるものを除く)
所得税法第80条で、その年12月31日の現況で寡婦である者については、寡婦控除として、27万円(住民税;26万円)の所得控除が認められる。
同法第81条で、その年12月31日の現況でひとり親である者については、ひとり親控除として、35万円(住民税;30万円)の所得控除が認められる(原則2020年4月以後)。
なお、従前の寡夫控除(27万円、住民税;26万円)と特別(旧;特定)の寡婦控除(35万円、住民税;30万円)は、ひとり親控除の創設に伴い、2020年3月末で原則的に廃止された。
寡婦年金
国民年金における制度。所定の要件を満たす夫が死亡した場合に、夫によって生計を維持され、夫との婚姻期間が10年以上継続した妻に寡婦年金を支給する。支給期間は60歳から65歳までの5年間。詳細は遺族年金#寡婦年金を参照。
寡婦福祉
自治体によって、寡婦福祉資金貸付制度や公営住宅の優遇などの援助を行っているところがある。
岡山市では、所得税法上では寡婦とみなされないシングルマザーを対象に、所得控除を「適用されたとみなし」て課税額を算定し、保育料を減額する母子家庭の支援策を行っている。千葉市も同様に、2010年度より保育料と子どもルーム利用料を減額する方針を固めた[7]。
イギリス
イギリスの国民保険の主な給付制度として寡婦手当 (Widowed Parent’s Allowance) が定められている[8]。
フランス
API
フランスには片親支援給付としてAPI (Aallocation de parent isolé) と呼ばれる家族給付制度があり、独身者、寡婦(夫)、離婚者、別居中あるいは頼る者のない身で一人あるいは複数の子供を育てている親、妊娠中の単身の女性のいずれかで、実質的な夫婦関係のある同居人がなく所得条件を満たしている場合に受給資格を認めている[9]。
ARAF
APIなどの寡婦(夫)手当あるいは片親手当を受けている者に対しては、ARAF (Aide à la reprise d'activité des femmes) と呼ばれる職業復帰に向けた支援のための給付の制度が設けられてる[9]。
アフガニスタン
アフガニスタンにおける国連の活動「カンダハール、マザリシャリフ、ジャララバードの非正規居住区の整備」(UN-HABITAT) では2004年から2005年にかけて紛争により疲弊した非公式居住区に居住する避難民や寡婦家庭などを対象にコミュニティ活動計画が実施された[10]。
サティー
ヒンドゥー教社会には、夫を亡くした寡婦が焼身自殺をする慣習がある。
派生的表現
ゴルフに現を抜かす夫にほったらかされた妻を未亡人に見立てて、「ゴルフウィドウ(golf widow)」と呼ばれることがある[11]。
クロゴケグモ(黒後家蜘蛛、英名:ブラックウィドウ、学名: Latrodectus mactans)は、メスが交尾し終わった後のオスを捕まえて食べる場合があることでこの名前が付けられた。
脚注
注釈
- ^ 本来は主人を亡くした後の遺族一般のことを指すものであったが、10世紀以降官物未進のまま死去した国司(受領)の責任を追及する際にその遺産を持つ遺族に対する呼称として頻出するようになる。また、同時期に家父長権が成立する反面、家父長の死後は寡婦となった妻が家父長を代行もしくは継承して亡き夫の財産を管理下に置いて将来的には次代へと引き継いでいく慣行が成立する。そのため、11世紀に入ると、主人の亡き後に遺産を管理する家父長的な妻(寡婦)が「後家」と呼ばれるようになり、それが遺族全体を指す呼称から夫を亡くした寡婦に対する一般名称に転換したのだという[3]。
- ^ 古代中国において夫が死んだら妻も共に死すという価値観があったが、その価値観に従わない者が自らを自称する「謙称」であった[4]。時代が下ってからは、自称の用法が薄くなり、一般的な他称としても用いられるようになった。
出典
- ^ “寡婦”. デジタル大辞泉. 2021年9月20日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 『大漢和辞典』大修館書店、卷三 771頁。
- ^ 野村育世「中世における後家相続」『家族史としての女院論』校倉書房、2006年、P39-40.
- ^ 『朝日新聞』1988年1月28日 東京朝刊4面
- ^ 天声人語 1. 朝日新聞. (1981-01-20). p. 101-102
- ^ 原則2025年12月以後適用。
- ^ 小川直人 (2009年11月13日). “寡婦控除 未婚シングルマザーにも 千葉市:千葉”. 東京新聞 (TOKYO Web). 2009年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年11月18日閲覧。
- ^ “諸外国における副業・兼業の実態調査” (PDF). 労働政策研究・研修機構. 2019年4月20日閲覧。
- ^ a b “V.家族給付” (PDF). 労働政策研究・研修機構. 2019年4月20日閲覧。
- ^ “人間の安全保障” (PDF). 外務省. 2017年12月25日閲覧。
- ^ "ゴルフ用語: ゴルフウィドウ (golf widow)". Golf Digest TV. 2010年5月28日. 2019年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 戦歿者寡婦奈良特設幼稚園保姆養成所の歴史(逸見勝亮、教育史学会47回大会〈同志社大学、2003年9月21日〉における学会発表資料)
寡婦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 15:11 UTC 版)
「マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)」の記事における「寡婦」の解説
在位4年4ヶ月と4日で、パーヴェルは暗殺された。マリアは義母にならい、自ら女帝になろうとしたが、後ろ盾のないまま無謀だと長子アレクサンドルに説得され、あきらめた。アレクサンドル1世として即位した新皇帝は、母に宮廷で最も高い地位と収入を与えて厚遇した。マリアは、あれほど嫌ったエカテリーナ女帝の伝統をふまえ、胸に飾りリボンをかけた軍事用正装でパレードに出席した。女官や侍従たちの間では、簡素なアレクサンドルと比較して、マリアは豪奢でおごり高ぶっていると囁かれるようになった。マリアは、上の2人とは違い、幼い3人の子供たちを手元で育てた。彼らは成長すると、皇太后は熱心に文通をしたが、次第に彼らは母親に冷淡でよそよそしくなった。 アレクサンドルに政治的圧力を加えるのにも失敗した。マリアは息子と違い、徹底してナポレオン嫌いだった。彼女の方がアレクサンドルのどんな進言にも折れなかった。フランス皇帝からの皇妹アンナ・パヴロヴナへの正式な結婚申し込みを、マリアは猛烈な勢いで反対した。ナポレオン戦争中、マリアの宮廷はロシアの反ナポレオン派の本拠地となっていた。
※この「寡婦」の解説は、「マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)」の解説の一部です。
「寡婦」を含む「マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)」の記事については、「マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)」の概要を参照ください。
寡婦
「寡婦」の例文・使い方・用例・文例
- 《主に英国で用いられる》 寡婦扶助料.
- あの寡婦は哀れな境遇だ
- (インドの)寡婦殉死
- 寡婦は事情の許す限り(どうかこうか)子どもを教育した
- 寡婦は針仕事をして細い煙を立てている
- 寡婦がどうかこうか子どもを教育した
- 寡婦は艱難辛苦して子どもを育てた
- 寡婦は子どもの成人するのを気長に待っている
- 寡婦は息子の卒業を心頼みにしている
- 寡婦は哀れな身だ
- 寡婦が急いで再婚したのは見苦しい
- 寡婦が急いで再婚したのはみにくかった
- あの寡婦は気の毒な身の上だ
- (寡婦曰く)この着物を見ると幸福であった昔を思い出す
- 寡婦は辛苦艱難して子どもを育てた
- ヒンドゥー教徒の寡婦の行為で、亡くなった夫を火葬する薪の上で、自らの意志で焼身自殺すること
- 寡婦産または持参金を供給される
- 彼女が結婚したとき、彼女は寡婦産を与えられた
- 寡婦産の代わりに婚姻継承財産設定として将来の妻に守られる不動産
- 寡婦年金という国民年金
寡婦と同じ種類の言葉
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