独身とは? わかりやすく解説

どく‐しん【独身】

読み方:どくしん

配偶者のいないこと。ひとりものひとりみ

ただ一人であること。単独単身

「にはかに—の遠行企つ」〈海道記


どくしん 【独身】


独身

作者森鴎外

収載図書普請中 青年森鴎外全集 2
出版社筑摩書房
刊行年月1995.7
シリーズ名ちくま文庫

収載図書森鴎外
出版社筑摩書房
刊行年月2000.10
シリーズ名明治文学

収載図書獨身―森鴎外著作集 豐前小倉再刊
出版社北九州森鴎外記念
刊行年月2002.3


独身

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 10:17 UTC 版)

独身(どくしん, Single, Unmarried person)は、未婚あるいは配偶者との離婚・死別により寡婦寡夫になった者。婚姻関係がない状態またはその者(独身者)のこと。なお「未婚」は結婚経験がなく独身の状態またはその者(未婚者)を指し、配偶者と離別または死別して独身となった場合は「未婚」ではないため、「独身」と「未婚」は同義ではない[1]

独身と社会

日本

日本では「おひとりさま」とも呼ばれる[2]。時に軽蔑されて「女は30歳までに結婚しろ 」「男性が40歳過ぎて未婚・バツなしだと何かあると疑え」などといった「シングル・バッシング」を受けることもある[3]

晩婚化に伴い、20歳代後半、および30歳代の独身率も増えている。厚生労働省発表の2005年統計では、男性30~34歳の未婚率は47.1%、女性25~29歳の未婚率は59.0%などとなっている。結婚“できない”理由としては男女共に「適当な相手にめぐり会えない」が1位、男性では2位に「結婚資金が足りない」が突出していた。一方、結婚“しない”理由としては、男女共に「自由・気楽さを失いたくない」が1位、「結婚の必要性を感じない」が2位であった。

2007年の「厚生労働白書」による仕事の有無・就業形態別の結婚率の調査では、男性は各年代とも非正規雇用者の結婚率は正規雇用者の約半分であり、不安定な職業形態が増えたことも未婚者が増える一要因となっていることが示唆された。なお、女性の職業・就労の有無による差異は認められなかった[4]

2011年の独身男女意識調査(インテージ)によれば、独身女性の夫婦別姓支持率は7割近くにも達する[5]。そのため選択的夫婦別姓制度の導入を求める声がある。

日本では近年、少子化が大きな社会問題となっているが、理由のひとつに独身の増加が挙げられる。日本では婚外子を避ける傾向が強いため、生涯を通じて独身でいれば子供を成すことは難しい。そのことが少子化の一因となっている。

また日本では、少子化と同時に高齢化も進み少子高齢化社会となっているが、女性は一般に男性より平均寿命が長いため、夫の死後長く一人で暮らす女性も増えている。熟年離婚により独身になった高齢者も少なくない。独居老人も参照のこと。

独身者とその家族(主に親)との関係も社会現象として注目されている。1999年山田昌弘が著した『パラサイト・シングルの時代』は、独身者が親の経済力を当てにしていつまでも独立せず、同居を続ける現象を逸脱として問題提起しベストセラーとなった[6]。また近年は、独身者が自分の親を介護をするシングル介護も顕在化し介護離職の原因ともなっている。

企業によっては、手当昇進などの待遇面で独身社員よりも既婚・子持ち社員を優遇する方針が取られる例が見られる[7]

中国

中国では、2010年代に単身者の生活に合わせ、日用消費財、家電、家具、化粧品などで商品の縮小化と機能の細分化が進んだが、このような傾向は「単身経済」と呼ばれている[8]

また中国では、11月11日が独身者の日「光棍節」として祝われている。

独身と宗教

仏教

歴史的には僧侶の妻帯は忌避されたり、公認されないことが多かったが(五戒の1つ「不邪淫戒」による)、現代では日本、韓国(太古宗)、ネパール(ネワール仏教徒)などで僧侶の妻帯が認められる[9]

キリスト教

実態としては、11世紀以前ではローマの僧侶は結婚することができ、僧侶階級は民衆の一部でもあったが、グレゴリウス7世の在位期間中、独身生活をさせ、俗人と切り離した[10]

備考

  • 旧石器時代において子供を持てる男性は半分にも満たず、80 - 90%の男性が子供を有するようになったのは人類史・社会史では新しい[11]。また一夫多妻制の社会で多妻を有する男性は10%であり、その他は独身男性が占めている[12]
  • 日本社会において皆婚社会となったのは1650年頃からであり、95%以上の男女が結婚している[13]。江戸において火事が多かった原因は、独身男性が多く長屋暮らしによる飲酒後の寝タバコが原因とされる[14]

脚注

  1. ^ 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要” (pdf). 総務省統計局. p. 2 (2021年11月30日). 2022年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月2日閲覧。
  2. ^ “おひとりさまの「もしも」に備える 孤立を回避するには?”. AERA dot.. (2020年10月25日). https://dot.asahi.com/articles/-/82660?page=1 2020年10月28日閲覧。 
  3. ^ 東京カレンダー | 最新のグルメ、洗練されたライフスタイル情報”. 東京カレンダー | 最新のグルメ、洗練されたライフスタイル情報. 2024年6月16日閲覧。
  4. ^ 平成21年版 厚生労働白書 厚生労働省
  5. ^ [1]
  6. ^ キャサリン・S.ニューマン『親元暮らしという戦略:アコーディオン・ファミリーの時代』荻原久美子、桑島薫訳 岩波書店 2013 ISBN 9784000259262 pp.145-146.
  7. ^ “「いつまでも独身の人は信用しない」企業が子どものいる既婚社員を“優遇”するのは違法か? 弁護士に聞いた”. FNNプライムオンライン (フジニュースネットワーク). (2019年7月15日). https://www.fnn.jp/articles/-/9739 
  8. ^ “「お一人様」商品が人気 中国の単身経済”. AFPBB. (2018年11月16日). https://www.afpbb.com/articles/-/3197574 2019年3月2日閲覧。 
  9. ^ 箕輪顕量. “現代日本仏教の特徴”. 愛知学院大学学術紀要データベース. 2019年3月2日閲覧。
  10. ^ H.Gウェルズ著、長谷部文雄・阿部知二訳『世界史概観 上』岩波新書、1975年第14刷、p.222
  11. ^ マーリン・ズック著、渡会圭子訳『私たちは今でも進化しているのか』文藝春秋、2015年、p.180
  12. ^ 中野信子『不倫』文春新書、文藝春秋、2018年、p.48
  13. ^ 磯田道史『素顔の西郷隆盛』新潮新書、新潮社、2018年、p.94
  14. ^ 磯田道史『素顔の西郷隆盛』新潮新書、新潮社、2018年、p.221

関連項目


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