き‐ぶん【気分】
スーク:気分
グリーグ:気分
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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グリーグ:気分 | Stemninger Op.73 | 作曲年: 1903-05年 出版年: 1905年 初版出版地/出版社: Peters |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | あきらめ "Resignation" | 2分00秒 | No Image |
2 | 即興的スケルツォ "Scherzo - impromptu" | 2分00秒 | No Image |
3 | 夜の騎行 "Natligt ridt" | 4分00秒 | No Image |
4 | 民謡 "Folketone" | 3分00秒 | No Image |
5 | 練習曲-ショパンの思い出 "Studie - Hommage a Chopin" | 2分00秒 | No Image |
6 | 学生のセレナード "Studenternes Serenade" | 2分30秒 | No Image |
7 | 山人の歌 "Lualat" | 4分00秒 | No Image |
作品解説
グリーグにとって最後のピアノ作品。グリーグの作品全体中の最後の作品は、合唱のための《4つの詩篇》であり、その直前のもの。しかし、この曲集を構成するすべての曲が晩年に作曲されたわけではない。第5曲目の<練習曲(ショパンへの頌歌)>は、《叙情小品集 第1集 作品12》の第5曲目<民謡>と同じ草稿譜に書かれている。
第1曲目は<あきらめ>。ルール(Lur 中世スカンジナビアで使われた木製の管楽器)の響きを模したような単音のロ音で開始する。メロディーは半音階的な音の動きに富んでいる。そして、左手が担う伴奏にもまた、半音階的な音の動きが潜在的に見られる。反復進行を経て至るクライマックスの後は、増4度が潜在的に見られる下降音形が続く。そして、第13音が加えられた属和音が印象的に響いた後、曲を閉じる。
第2曲目は<即興的スケルツォ>。この曲は、ヴァイオリンとピアノのためにも編曲されている。エコーや異なる音域の響きの対比が特徴的である。そして、生き生きとした性格を持つ。
第3曲目は<夜の騎行>。アッレグレット・ミステリオーソのこの曲では、4分の3拍子の中のリズムの扱い方が巧妙である。そして、中間部で一転して、美しい音楽が繰り広げられる。また、曲全体を通して、随所にヘミオラが見られる。
第4曲目は<ヴァルドレスの民謡>。ツィターに似たノルウェーの民俗楽器、ランゲライクを思わせる民謡調の音楽である。メロディーに表れる3連音符が印象的。
第5曲目は<練習曲(ショパンへの頌歌)>。グリーグの作品で、このように練習曲と銘打っているものは珍しい。16分音符の3連音符に、8分音符と16分音符を交互に弾くリズムが重なる。
第6曲目は<学生のセレナード>。この曲が書かれた20世紀初頭、ノルウェーはスウェーデンからの独立を達成した。学生たちは、そのような時代にあって理想主義と民族主義の代表であった。若々しい情熱に満ち溢れた作品。半音階的な和声が特徴的である。
第7曲目は<山人の歌>。この曲の原曲は、L. M. リンデマンの民俗曲集に収録されている。メロディーは五音音階が特徴的で、そこには持続低音を主体とした伴奏が添えられている。また、比較的規模の大きな楽曲。
シェーグレン:気分
気分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 00:28 UTC 版)
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気分(きぶん、独: Stimmung、英: mood)は、一般に快や不快などの色彩を帯び、ある程度の期間持続する心身の状態を指す。
精神医学における「気分」
精神医学において気分とは、身体・生理的な内部条件や環境に左右される、比較的弱い持続的な感情状態を指す[1]。気分と関連する重要な精神医学概念として「気分障害」がある。気分障害はうつ病、双極症、気分変調症などの、気分や感情の持続的な変化を特徴とする精神障害の総称である。一過性の単なる落ち込みや憂鬱な気分は、精神医学において気分の異常とは判断しない。
哲学における「気分」
気分概念は実存主義哲学において重要な概念となっており、この場合、もはや単なる我々の知覚や行為に付随する心理的現象を意味するものではない。ハイデッガーの場合、気分は、決して目立たない仕方で我々自身の存在を規定するものであり、了解とともに現存在の開示性を構成する本質的契機として位置づけられている。
たとえば、人間存在はその無根拠性ゆえに未来に不安を抱くが、この不安こそが、現存在を世界内存在へと孤独化させその自由存在へ直面させる根本的気分であるとされる。この気分は、自発的に惹き起こされるものでも外部の刺激に自動的に反応するのでもなく、世界内存在という在り方として世界内存在自身から立ち上がってくる。そうして、私たちが世界の内で何ものかに出会い、それに注意することに先行して、そうした個々の出会いの場である世界全体を開示するのである。
こうした事態について、ハイデッガーの「聴くこと」についての説明がわかりやすい。すなわち、「我々が聴くときというとき、耳が受け取ったものに何かを付け加えるのではなく、耳が何を聴き分け、いかに聴き分けるかということも、我々が聴くものによって既に調子を合わせられ(〈気分づけられ〉)、決定されている」のである(『存在と時間』87頁)。
動物の気分
鳥類では互いに鳴き交わしながら集団で行動する例があるが、その際の行動の統一の確保を、コンラート・ローレンツは「気分」という言葉で説明している。例えば、ガンが集団で飛び、湖に降り、そこで餌をあさるが、満腹すると飛びさる。その際、湖に降りたときの鳴き声と飛び立つときの鳴き声は異なっている。これは空腹で餌をあさる気分の声と、満腹で移動したい気分の声であるという。それぞれの声はその気分を伝染させる効果もあるらしい。
湖に降りたときは全個体が空腹の気分の発声をする。次第に餌を食べると、満腹した個体から満腹の気分の発声を始める。それがある程度以上の個体から発声されるようになると、全個体がその声を出し始め、それによって飛び立つことになる。
関連項目
- ^ 濱田秀伯『精神症候学 第2版』弘文堂、2009年。
気分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:31 UTC 版)
積極的な気分も音楽選好に影響する要因である。一般に、音楽を聴くときの良い気分も悪い気分も、その音楽への感じ方や情動反応に影響する。この考え方に従えば、攻撃性が高ければ、音楽によって引き起こされる創造力や感情の強度も促進される。攻撃性の強い人にとって、音楽は強力な感情のはけ口である。さらに、個人にとっての音楽の価値と聴く頻度は、音楽への反応に影響する。特定の種類の楽曲やそのジャンル全般に感情経験を付与するような聴き方をする人は、音楽を楽しんだり感情的な影響を受けたりしやすい。このことは、子供時代に親がよく聴いていた音楽に強い反応をする人が多いことの説明にも役立つ。
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気分
「気分」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女は昼食前はとても元気だったがそのあと気分が悪くなった
- 気分がどんどんよくなってきた
- 見知らぬ人と話すときくつろいだ気分になれたためしがない
- ぼくは行けないよ.第一気分がよくないし,その上お金もあまりない
- 医者はメアリーに気分転換が必要だと言った
- 今夜は気分を変えて外食しないかい
- 私は不快な気分でミーティングから帰った
- 彼女はケーキを食べすぎてその結果気分が悪くなった
- すべて彼の気分しだいだ
- このうっとうしい天気では気分がふさいでしまう
- 彼女は気分屋でしばしば手に負えなくなる
- この種の服装をするとみんなパーテイー気分になる
- 酒を飲みすぎて気分が悪くなった
- 昨日はどんよりして,気分のめいる一日だった
- 私は少し気分が悪い
- おじいちゃんになるのはどんな気分だい
- 彼にとって,ほかの生徒たちの前でしかられるのはとてもいやな気分だった
- パーティーを開きたい気分だ
- 今日は気分がいいんです
- 不愉快な気分になる
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