分とは?

ぶ【分】

⇒ぶん


ぶ【分】

どちらに傾くかの度合い自分のほうに有利になる度合い。「対戦成績では分が悪い

利益度合い。「分のいい商売

平らなものの厚さ度合い。「分の厚い本」

音楽で、全音符長さ等分分けること。「四分音符

全体10等分したもの10分の1相当の量。「工事九分どおり完成した」「三分咲き

単位の名。

割合利率で、1割の10分の1。全体100分の1。「打率二割三分

尺貫法で、1寸の10分の1。

尺貫法で、1匁の10分の1。

温度で、1度10分の1。体温にいう。「七度八分の熱が出た」

江戸時代通貨で、銭1文の10分の1、または金1両の4分の1

足袋などの大きさで、1文(もん)の10分の1。「一〇文三分


ふん【分】

⇒ぶん


ふん【分】

時間の単位。1分は60秒で1時間60分の1。記号min ミニット。「分刻み行動する」

角度および経度緯度単位。1分は1度60分の1。記号′ 分角

尺貫法目方単位。1分は1匁(もんめ)の10分の1、厘(りん)の10倍。

[補説] 上に来る語によって「ぷん」ともなる。


ぶん【分】

[音]ブン(呉) フン(漢) (慣) [訓]わける わかれる わかる わかつ

学習漢字2年

[一]ブン

全体いくつかにわける。別にする。別々になる。「分解分散分譲分担分配分布分離分類分裂案分区分細分等分配分

全体からわかれた一部全体構成する一部。「分家分校分身水分成分部分養分

わかれ目時間区切り。「時分秋分春分節分

各人にわけ与えられたもの。性質身分責任など。「分限分際応分過分士分自分性分(しょうぶん)・職分・随分・天分本分身分名分

物事程度や状態。「分量気分・十分・寸分存分・多分・大分・余分

見わける。わかる。「分明(ぶんめいぶんみょう)/検分

[二]フン

見わける。わかる。「分別

重さ時間などの単位。「分針分速分銅

短い時間。わずか。「分陰分秒

[三]〈ブ〉

物事程度。「大分」

割合長さ重さなどの単位。「九分九厘五分五分

名のり]くまり・ちか・わか

難読分葱(わけぎ)


ぶん【分】

分けられた部分分けまえ。「これは私の分です」

ある範囲分量区別されたもの。「あまった分をわける」

その人持っている身分能力身の程分際。「分をわきまえる」「分を守る」「分に安んずる」「分に過ぎる」

当然なすべきつとめ。本分。「学生学問その分とする」「己(おのれ)の分を尽くす」

物事の状態・様子・程度。「この分なら計画実行大丈夫だ

仮にそうであるとする状態。「行く分には差し支えあるまい

しな。ほう。

「よい—のふだん着着換えている」〈鴎外阿部一族

それだけのこと。だけ。

跣足(はだし)になります—のこと」〈鏡花高野聖

他の名詞につけて用いる。

㋐それに相当するもの、それに見合うものの意を表す。「増加分」「苦労分」「五日分」

㋑その身分準じる意を表す。「私の兄貴分

成分の意を表す。「アルコール分

区切られた時間の意を表す。

「夏—の水飴様にだらしがないが」〈漱石坊っちゃん


ぶ【分】

〔名〕 (多く数詞に付けて用いる)

[一] 数量分けること。また、分け数量

一定の数量いくつか等分すること。また、等分した数量

令義解718賦役「其田租二分一分官。一分主」

全体数量いくつか分け比率割合表わす単位

続日本紀天平宝字元年757)一〇月乙卯「凡国司公廨式者、〈略〉其法者、長官六分次官四分判官三分

全体数量を十等分したもの割合表わす単位。割(わり)。

令義解718賦役「凡田有水旱不熟之処。〈略〉十分損五分以上租」

鉄幹子(1901)〈与謝野鉄幹〉人を恋ふる歌「友をえらばば書を読みて、六分侠気四分の熱」〔調謔篇‐七分読〕

全体数量を百等分したもの割合表わす単位。割(わり)の十分の一、厘(りん)の一〇倍。パーセント

ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Ichiuariichibu(イチワリイチブ)」〔算経小数

[二] 物事度合割合

① (自分の方への比率の意で) 自分立場うまくいく度合。→ぶ(分)が悪い。

普賢(1936)〈石川淳〉六「安子の側に〈略〉多少の歩はあるにしても

強さなどの度合

読本椿説弓張月(1807‐11)残「腕(かひな)の筋を抜れしかば、〈略〉弓も又分(ブ)を減ぜしが、弓勢は衰へず」

厚さ度合また、厚み。「分が厚い(薄い)」「分がある(ない)」など。

歌舞伎人間万事金世中(1879)序幕「いや此の位の分(ブ)があっては無疵でござりますから」

[三] 単位表わす

長さの単位

(イ) 尺(しゃく)の百分の一、寸(すん)の十分の一、厘(りん)の一〇倍の長さ曲尺(かねじゃく)で約〇・三センチメートル。〔令義解718)〕 〔説苑‐弁物〕

(ロ) 足袋(たび)・靴などの底の長さの単位。文(もん)の十分の一長さ。「十文三分

(ハ) 銭貨直径十分の一長さ一文直径一寸として、その十分の一長さ。〔随筆世事百談(1843)〕

重さの単位

(イ) 両(りょう)の四分の一、銖(しゅ)の六倍の重さ

続日本紀天平勝宝二年(750三月戊戌「於部内廬原郡多胡浦、獲黄金之。〈練金一分沙金一分〉」

(ロ) 匁(もんめ)の十分の一重さ。ふん。

③ (「歩」とも) 貨幣単位など。

(イ) (重さの単位から転じたもの) 金貨銀貨単位。両(りょう)の四分の一、銖(しゅ)の四倍の価。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕

(ロ) 銭貨単位。文(もん)の十分の一の価。

随筆梅園日記(1845)三「今銭幾文を幾字といふ人あり。〈略〉一文は四字也、是後世は銭面に必四字あればなり、〈略〉即、銭文一字二分半也とあり」〔算法統宗‐彙法章・銭鈔名数

体温単位。度(ど)の十分の一

[四] (「歩」とも)

① 「いちぶきん一分金)」の略。

評判記吉原すずめ(1667)上「さて、二三度めのくはひに〈略〉酒一つなどいふて、取つくろはす、分一つかふたつとらせてよし」

江戸吉原で、座敷持遊女をいう。金一分以上の揚げ代を取るのでいったもの。

洒落本自惚鏡1789)「『ヘ、分でござります』『ぶとはげせぬ』『イヤおざしきもちでござります』」

[五] ⇒ぶ(歩)(二)

[補注]「分」は呉音「ぶん」漢音「ふん」慣用音「ぶ」であるが、日本では、度合度量衡単位としては、「ぶ」が一般的である。


ふん【分】

〔名〕 単位の名称。促音撥音に続くとき「ぷん」となる。

重さの単位また、銀目単位。匁(もんめ)の一〇分の一、厘(りん)の一〇倍。ぶ。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕

時間の単位一時間の六〇分の一、一秒の六〇倍。

暦象新書(1798‐1802)中「一時六十分とし、一分六十秒とす」

角度や、経度緯度単位。度(ど)の六〇分の一、秒の六〇倍。

北極地測量艸(1834)(古事類苑文学四一)「夫より以来漸く離れ、今に至ては五度四十余分の処に在り


ぶん【分】

1 〔名〕

分けられた部分分けまえ。

令集解738)田「嫡孫庶孫各承父分

霊異記810‐824)上「其中己が分のを以て

② その領域範囲種類属す部分

懐風藻751大友皇子伝「此皇子風骨世間、実非此国之分

花鏡(1424)序破急之事「四五番までは破の分なれば」

③ ある範囲分量。その相当量

浮世草子好色盛衰記(1688)二「只今のいひわたしのぶんにては、世に甲斐はなかりき」

身分身の程分際また、力量度合

左経記長和五年(1016四月三〇日「已足分、於今者、従非常、何恨之有哉」

徒然草1331頃)一三一「貧しくて分を知らざれば盗み、力おとろへて分をしらざれば病を受く」〔淮南子本経訓〕

(5)形動) 本来的にそのよう認めたりそのようにしたりするのが、当然であること。また、そのさま。

保元(1220頃か)下「分の敵を討て、非分の物をうたず」

(6) 他と区別される状態や段階様子ありさま

正法眼蔵123153生死このときはじめて、生死をはなるる分あり」

浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「しかし其様な事を苦にしてゐた分(ブン)には埒が明かない」〔荀子‐不苟〕

(7) 仮にする状態。ふり。かっこう

浮世草子風流曲三味線(1706)一「我は此世にはない分(ブン)にして隠ゐるを」

(8) 限定される程度や事がら。それだけの事。その程度

禅竹世阿彌書簡永享六年カ(1434か)六月八日「けりゃう、三体の外はさいどうまでの分にて候

(9)形動一般のものとちがっていること。一般のものとちがって、よいさま、すぐれているさま。特別。格別。結構。

浮世草子立身大福帳(1703)七「やしきひろくば竈をぶんにすへて、をひなたにし」

(10) 一定の数量いくつか等分した数量また、それによって比率表わす単位

浮世草子日本永代蔵(1688)五「又売掛(うりかけ)も、たとへば十貫目の物、みつ壱(ひと)ぶんにして三貫目請払ひすれば

(11) 全体数量を十等分したもの数量表わす単位。割(わり)。ぶ。

浮世草子新色五巻書(1698)五「其子を養はかすに二百匁、肝入が分(ブン)一に廿匁取」

(12) 長さの単位。寸(すん)の一〇分の一。ぶ。〔ロドリゲス日本大文典(1604‐08)〕

2語素〕 (名詞につけて用いる)

① それに相当するもの、それに見合うものの意を表わす。「苦労分」「辛労分」「一人分」「追加分」など。

天草本伊曾保(1593)獅子と豹との事「ソノ ytocubunni(イトクブンニ) マ ヒトエダワ ワレニ クレイ

② それに相当する身分立場であることを表わす。「大将分」「士分」など。

俳諧二息(1693)「火燵にも四人の外は借屋分」

③ その身分準じるもの、また、仮にその身分見立てるものの意を表わす。「母親分」「兄弟分」など。


ぶん‐・ずる【分】

〔自サ変〕 (「ぶんする」とも) [文]ぶん・ず 〔自サ変〕 ふたつに分かれる分身する。

正法眼蔵123153洗浄一丸のおほきさ大なる大豆許に分して」


わき【分・別】

〔名〕 (四段活用動詞「わく(分)」の連用形名詞化

区別差別。けじめ。

万葉(8C後)四・七一六夜昼といふ別(わき)知らず吾が恋ふる心はけだし夢に見えきや」

わきまえ考え分別思慮

大鏡(12C前)一「我は子をうむわきもしらざりしに」


わ・く【分・別】

1 〔他カ四〕

対象時期・場所などの違いによって扱いをかえる。差別する。区別する。

万葉(8C後)一七・四〇〇三「天そそり 高き立山 冬夏和久(ワク)こともなく 白たへに 降り置きて」

違い識別する。物事判断する。判別する。

万葉(8C後)五・八二六「うちなびく春のとわが宿の梅の花とをいかにか和可(ワカ)む」

古今(905‐914)仮名序ちはやぶる神世には、歌のもじも定まらず、すなほにして、事の心わきがたかりけらし」

材木のこぎりで切る。ひき分ける

日葡辞書(1603‐04)「キヲ vaqu(ワク)」

2 〔他カ下二〕 ⇒わける(分)


わけ【分・訳】

〔名〕 (動詞「わける(分)」の連用形名詞化

[一] 分割分配すること。

① 分けること。分配

良寛歌(1835頃)「自今以後納所(なっしょ)は君にまかすべし二合三合はわけのよろしき

食べ残し食物食い残しまた、供物おさがりまた、食べ残すこと。

足利本人天眼目抄(1471‐73)下「此鉢にくさった様なる飯汁のわけなんどを著けぬぞ」

狂歌徳和歌後万載集(1785)一五「けふは又はきだめ山に蒲鉾のわけをすてたる祇園会の跡」

芸娼妓などが、そのかせぎ高を抱え主半々に分けること。また、その芸娼妓

浮世草子好色一代女(1686)六「分(ワケ)とは其花代宿とふたつに分るなるべし

④ (③から転じて) 花代五分一匁半分)の端女郎の称。そろり。北むき。分女郎

浮世草子御前義経記1700)一「端女郎鹿恋より下、みせ女郎といふなり。〈略〉位は一を壱寸とも、月ともいふ。〈略〉又五を五歩ともわけ共北むき共そろりともいへり」

(5) 勘定支払い

浮世草子好色二代男(1684)二「当座払(よろづ)ケ様の分(ワケ)ぞかし」

(6) 村中小区分

日本国沿革考(1878)一(古事類苑・地一)「一村中、亦因民之所群処区別俗称之為字、或小名、履之以組、曰某組又曰某坪・某分」

(7) 相撲などで、勝負が決まらずひきわけること。

相撲講話1919)〈日本青年教育会〉常陸山梅ケ谷時代壮観初日には小結源氏山敗れ二日目には関脇朝汐と分を取り

[二] (「訳」と書くことが多い) 物事判断すること。また、その判断した内容

物事違いなどを判別すること。区別違い

中華若木詩抄(1520頃)中「乱世ならでは君子小人のわけは、見へぬぞ」

事柄やことばなどの意味・内容

玉塵抄(1563)一〇「孟徳初は中聖のわけをしらいで疑うたぞ」

物事道理すじみちわけみち。→わけが立つ①。

日葡辞書(1603‐04)「Vaqega(ワケガ) キコエヌ、または、キコエタ〈訳〉物事がよく理解できない、または、物事がよく理解できてはっきりした」

事情理由物事原因いきさつ

*虎寛本狂言素襖落室町末‐近世初)「ちと申受にくい訳が御座る

(5) 特に、情事やそのいきさつまた、色の道通じていること。

浮世草子好色一代男(1682)六「太鞁女郎にも大形成(おほかたなる)わけは見ゆるし」

(6) 遊里慣習作法

浮世草子好色貝合(1687)下「酒のはづみと床入の分(ワケ)、大助べいか実のなき手なれば、分て、時行(はやる)事也」

(7) 活用語連体形を受けて「…わけだ」「…わけである」「…わけです」「…わけじゃ」などの形で用いる。

(イ) 事情理由もとづいて当然のこと納得できる気持表わす。→わけが無い④。

当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九「ああいふ奴が本校に居っては、到底(つまり)本校体面を汚す道理(ワケ)じゃ」

(ロ) 事の成り行きいきさつ説明しその結果結論を示す。→わけには行かぬ

坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六「さうすればこんな面倒な会議なんぞを開く必要もなくなる訳だ」

(8) 下に打消伴って「…するわけでは(も)ない」「…するわけのものでは(も)ない」の形で用いる。

(イ) 常識的考えて、よくないありえないの意を表わす

落語樟脳玉(下の巻)(1891)〈三代目三遊亭円遊〉「各自(めいめい)の量簡丈にしきゃア出来る訳のものぢゃ御座いません」

(ロ) 事実事情がそうではない、の意を表わす

坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一「金を三円許り貸してくれた事さへある。何も貸せと云った訳ではない


わ・ける【分・別】

〔他カ下一〕 [文]わ・く 〔他カ下二

一つのもの一面にあるものに力を加えて、左右に押し開く

万葉(8C後)二〇・四二九七「をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露和気(ワケ)鳴か高円の野そ」

更級日記(1059頃)「野山をぎの中をわくるよりほかのことなくて」

② 別々に区切って分割する。

伊勢物語(10C前)八五「思へども身をしわけねばめかれせぬのつもるぞわが心なる」

源氏100114頃)御法後の世には同しはちすの座をもわけんと契かはしきこえ給て」

いくつか分割して配る。分配する。

東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「飢(やわ)しと申せば分(ワケ)て給ひし母氏は我は食はねども我子にを給はむとぞ宣ける」

古今著聞集(1254)一二「おのおの物わけて、この男にもあたへてけり」

所属役割などを別にする。手分けをする。また、ある基準によって分類する。

源氏100114頃)若菜上「御かたがたもさるべき事どもわけつつ、のぞみつかうまつり給ふ

平家13C前)一二「手をわけてもとめられけれども」

(5) 物事判断して見わける判断して区別する。

太平記14C後)九「何れ二王何れ孫三郎とも分(ワケ)兼たり」

(6) 争いごとなどの仲裁や、是非のさばきを行なう

*虎明本狂言茶壺室町末‐近世初)「其上にて互の理非をきひてわけう程に、先某にあづけひ」

(7) 争っているものを、勝負つかないとして、やめさせる。引きわける。

雑俳・紀玉川(1819‐25)三「分られた角力たがひに笑顔持」

(8) 道理説く。訳をよく言ってきかせる。→事(こと)を分(わ)ける。

天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「コトヲ vaqete(ワケテ) マウセバ」

(9) 「売る」を婉曲にいう。

烈婦!ます女自叙伝1971)〈井上ひさし〉三「少々高くてもいいからわけてくれ」


わかち【分・別】

〔名〕 (動詞「わかつ(分)」の連用形名詞化

分かつこと。分割すること。また、分割してできたもの。

尋常小学読本(1887)〈文部省〉七「陸の、尤も大なる分ちを大陸と云ひて」

物事区別。けじめ。ちがい。わかれ。

御伽草子愛宕地蔵之物語室町時代物語所収)(室町末)「われは五人の子の中さへ、かわゆきうちに、わかちあるこそおろかなれ」

わきまえ分別思慮考え

浮世草子好色一代男(1682)一「途中御難儀をこそ、たすけたてまつれ、全く衆道のわかち、おもひよらず」

事の有様。わけ。事情様子

説経節・伍太力菩薩170416頃)五「事のわかちはしらね共」


わか・つ【分・別】

〔他タ五(四)

① 別々に離れさせる。また、分割する。わける。

霊異記810‐824)下「斎食の時毎に、飯を拆(ワカチテ)烏に施し真福寺訓釈 拆 部之天 又云和加知天〉」

大鏡(12C前)五「不比等のおとどの男子二人又御弟二人とを四家となづけて、みな門わかち給へりけり」

区域所属役割などを別にする。区分する。区別する。わける。

*竹取(9C末‐10C初)「宮つかささふらふ人々みな、手をわかちてもとめ奉れども」

方丈記1212)「一身をわかちて、二の用をなす」

③ わけて配る。無償または有償でわけ与える。わける。

源氏100114頃)若菜上四十寺にきぬ四百疋をわかちてせさせ給ふ

延慶平家(1309‐10)二末「侍共に国々分ち給べし」

判断して見分ける違いをはっきりわきまえる

新古今(1205)仮名序「あさか山のあとをたづねて、深き浅きをわかてり」

日葡辞書(1603‐04)「ゼヒヲ vacatçu(ワカツ)」


わかり【分・解】

〔名〕 (動詞「わかる(分)」の連用形名詞化

物事理解すること。さとり。のみこみ

滑稽本浮世床(1813‐23)初「それでわかりわかり」

分派分家。わかれ。

葉隠(1716頃)六「中野右衛門一流は、武雄の分り、西目中野城主也」


わか・る【分・別・解・判】

1分・別) 〔自ラ下二〕 ⇒わかれる(分)

2 〔自ラ五(四)

① (分) 一つのものが別々になる。また、区分される。わかれる。

日葡辞書(1603‐04)「トウザイニ vacaru(ワカル)」

浮世草子世間胸算用(1692)四「面屋(おもや)よりわかりて隠居付の女十一人

物事の意味、内容事情区別などが了解される。

日葡辞書(1603‐04)「リガ vacaru(ワカル)、または、vacaranu(ワカラヌ)」

人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「およそおさなきおりからにおやにはなれてそだつほど、かなしきもののあるべきかと、わかりし心におゐらんは」

立場気持事情などを察してさばけた気持を持つ。物わかりよく世情通じる。

洒落本古契三娼(1787)「品川でまつざか屋の野風といった女郎しゅが、わかったものさ」

正直者(1903)〈国木田独歩〉「あのおかみさんなかなか解(ワカ)って居るなア」

事実などがはっきりする。判明する。知れる

当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三「何処の馬の骨の、書いたのやら、辨(ワカ)らぬものなり

3 〔他ラ五(四)

承知する。のみこむ。

歌舞伎東海道四谷怪談岩波文庫所収)(1825)序幕そんなら真面目に見せておいて矢張わかるか」

② (承知してとりはからってくれる意から) 金銭などをもらう。

人情本寝覚之繰言(1829‐30)二「居続けでもしてゐる御客の処へ行って髪を結やア、直き百疋わかるといふもんだ」

[補注]万葉四三八一」の「国々防人つどひ船乗りて和可流(ワカル)を見ればいともすべなし」の例から、古く四段活用があったとする説もあるが、これは「わかるる」にあたる上代東国方言形、あるいは、終止形連体形当に用いたものともいわれ、明らかでない。


わか・れる【分・別】

〔自ラ下一〕 [文]わか・る 〔自ラ下二

一つのものが別々になる。分離する。また、区分される。

万葉(8C後)三・三一七「天地の 分(わかれ)し時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士高嶺を」

古今(905‐914)恋二・六〇一「風ふけば峯にわかるる白雲のたえてつれなき君が心か〈壬生忠岑〉」

② 道や流れなどが、ある所かいくつか分岐する。

新撰字鏡(898‐901頃)「派 水出流也 美奈太和加留也」

古今(905‐914)離別・四〇五「したのおびの道はかたがたわかるともゆきめぐりてもあはんとぞ思ふ紀友則〉」

離れ去る

(イ) ある人やある場所か離れ立ち去る別離する。また、縁を切る

万葉(8C後)二〇・四三四八たらちねの母を和加例(ワカレ)てまことわれ旅の仮廬(かりほ)に安く寝むかも」

平家13C前)一「けふより後、弓箭の道にわかれ候ひなむず」

(ロ) 死んで会えなくなる。死に別れをする。

万葉(8C後)五・八九一一世にはふたたび見えぬ父母をおきてや長く吾(あ)が和加礼(ワカレ)なむ」

源氏100114頃)須磨わが身かくてはかなき世をわかれなば、いかなるさまにさすらへ給はむ」

区別がつく。差別ができる。差異が生じる。

古今(905‐914)雑上・八六八むらさきの色こき時はめもはるに野なるくさ木ぞわかれざりける〈在原業平〉」

源氏100114頃)帚木中の品になん、人の心々おのがじし立てたるおもむき見えて、わかるべきことかたがた多かるべき」


わかれ【別・分】

〔名〕 (動詞「わかれる(分)」の連用形名詞化

① ある人から離れ立ち去ること。別離

万葉(8C後)一五・三九五「昔より言ひける言(こと)の韓国の辛くも此処に和可礼(ワカレ)するかも」

古今(905‐914)離別三八七・詞書「山さきにてわかれ惜しみける所にてよめる」

死別すること。

古今(905‐914)哀傷・八三六「あねの身まかりにける時によめる せをせけばふちとなりてもよどみけりわかれをとむるしがらみぞなき〈壬生忠岑〉」

③ 人の、別れる挨拶いとまごい。→わかれを告げる

一つもとから分かれ出たもの。分派分家などの類。わかり。

今昔1120頃か)二六「加賀の国に御(おは)する熊田の宮と申す社は、我が別れの御する也」

人情本春色梅児誉美(1832‐33)四「千葉之助さまの御分知(ワカレ)の、千葉半之丞さまといふおやしきへ」

(5) その場から立ち去る時、ある事の決着をつけるために心付けなどとして与え金銭

滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)五「わかれに七百くだんせ」

(6) 物事決着がつくこと。終わること。

洒落本魂胆惣勘定(1754)中「いか程わざを尽したり共、勝負のわかれに成て」

(7) (分) 取引市場で、損失利益もなく売買解約することをいう。


分は、「ぶ」と読み割合歩合で表すときに用いる。

もとにする量の[数式]を1分と表す。

参考



読み方:ブンbun

元来区分とされていることを意味する語、のちに位、身分という意。


読み方:ふん,ぶ

  1. 陶器店の通り符牒にして一といふ数量を表す。通り符牒参照せよ(※巻末通り符牒」の項参照)。〔符牒
  2. 一。〔陶器商〕

分類 符牒陶器


読み方:わかれ

  1. 他人ヨリ物貰スルコトヲ云フ。〔第一類 言語及ヒ動作之部・三重県
  2. 他人より物を貰ふこと。〔三重県

分類 三重県

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/07 10:34 UTC 版)

(ふん)は、時間単位の一つである。分は、「国際単位系 (SI) と併用されるが SI に属さない単位」(SI併用単位)となっている。






「分」の続きの解説一覧

出典:『Wiktionary』 (2020/05/05 23:50 UTC 版)

発音

名詞

  1. ブン分け与えられたもの。わけまえ
  2. ブン) 金額時間労力などに相当するもの。
  3. ブン立場身分分際
  4. ブン) 物事様子・状態。
  5. ブン) ことの範囲
  6. フン時間単位60=160=1時間読み直前数詞の音に合わせフンブンプンと変化する。
  7. (フン) 角度単位60=160=1読みは上に同じ。
  8. () 割合単位。110、110
  9. () 古い時代割合単位上の単位10倍に相当する。
    • 九厘勝てる。
    • 腹八
    • 咲き
  10. () 温度単位。110
    • 38度7の熱が出た。
  11. (尺貫法における単位
  12. (江戸時代貨幣単位
  13. 立場身分身の程
  14. うまくいく可能性有利性勝敗比率
  15. 利益の上がりやすさ。儲け比率

語源

(時間角度単位) マテオ・リッチ訳語[1]

翻訳

接尾辞

  1. ブン)…に相当する分量

熟語

参考文献


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