太陽系座標時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/20 14:21 UTC 版)
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太陽系座標時[1](たいようけいざひょうじ、TCB: フランス語: Temps-coordonnée barycentrique)は、太陽系内の惑星、小惑星、彗星、惑星間宇宙船の軌道に関する全ての計算において時間の独立変数として使用することを目的とした座標時の時刻系である。これは、太陽系の共通重心と共動する座標系に対して静止している時計が刻む固有時と等価である。この時計は、太陽系の共通重心と全く同じ動きをするが、太陽系の重力井戸の外にある時計である。従って、太陽やその他の太陽系内の物質の重力による時間の遅れの影響を受けない。
TCBは、1991年に国際天文学連合(IAU)の第21回総会勧告3[2]によって定義された。それは、定義が不定義な太陽系力学時(TDB)の代替案のの1つとして意図されていた。TCBは、以前の天文学的時間尺度とは異なり、一般相対性理論に基づいて定義されている。TCBと他の相対論的時間尺度との関係は、完全な一般相対論的計量テンソルで定義される。
TCBの基準系は太陽系の重力ポテンシャルの中にはないので、TCBの歩度は地球表面の時計よりも約1.550505×10−8の因子(約490ミリ秒/年)だけ速い。従って、TCBを使用した計算で使用される物理定数の値は、通常の物理定数の値とは異なる(伝統的な値はある意味で間違っており、時間尺度の違いを修正を組み込んだものである)。既存のソフトウェアの大部分をTDBからTCBに変更するのは大変な作業であり、2002年現在でも何らかの形でTDBが使われ続けている。
TCB尺度上の時間座標は、地球の回転に基づく不均一な時間基準から持ち越された、慣習的に日を指定する従来の手段を用いて指定される。具体的には、ユリウス通日とグレゴリオ暦の両方が使用される。その前身の天体暦(ET)との連続性のために、TCBはユリウス通日 2443144.5(1977-01-01T00Z)のあたりでETと一致するように設定された。より正確には、TCBにおける 1977-01-01T00:00:32.184 の瞬間は、国際原子時(TAI)における 1977-01-01T00:00:00.000 の瞬間に正確に対応すると定義されている。これは、TAIに重力による時間の遅れの修正を導入した瞬間でもある。
関連項目
脚注
- ^ “暦Wiki/座標時”. 国立天文台暦計算室. 2017年9月20日閲覧。
- ^ IAU(1991) Recommendation III
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太陽系座標時(TCB)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 05:51 UTC 版)
太陽系座標時(TCB、Barycentric Coordinate Time)は太陽系重心に空間座標の原点を持つ座標時である。TCBはTTと歩度や他の周期項が異なっている。周期項を無視し、長い期間にわたって平均すると両者は以下の関係にある。 TCB-TT=LB*(JD -2443 144.5)*86 400秒IAUによるスケール差LBの最も良い評価値は1.550 519 767 72 ×10-8である。 2006年にIAUは、太陽系力学時(TDB)と太陽系座標時(TCB)との関係を次の一次式で定義することを推奨した。 TDB = TCB − LB×(JDTCB − T0)×86 400 + TDB0 ここで、T0 = 2443 144.500 3725、LB = 1.550 519 768×10−8(定義定数)、TDB0 = −6.55×10−5 s(定義定数) JDTCB は、太陽系座標時(TCB)によるユリウス日である。2443 144.5 は、1977年1月1日00:00:00のユリウス日であり、0.000 3725 は、32.184 秒(TTとTAIとの差)である。したがって、T0の 2443 144.500 3725 は1977年1月1日00時00分32.184秒の瞬間であり、この時刻を原点(元期)としているということである。
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