ぼっちゃん【坊っちゃん】
坊っちゃん(ぼっちゃん)
東京の物理学校を卒業して松山の中学校(当時)に数学の教師として赴任した主人公「坊っちゃん」が赴任先の学校で出会う同僚の教師や生徒との出来事を描いた文学作品。夏目漱石が1906年、雑誌「ホトトギス」に発表した。
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」の一文で始まり、反骨精神に基づく痛快な勧善懲悪の物語として、多くの人々に読まれてきた。小説の舞台となった松山では、坊っちゃん団子や坊っちゃん列車など観光に取り入れて街づくりを進めている。
夏目漱石自身、1年だけ松山に英語教師として赴任したことがあって、その体験をベースにフィクションとして小説化したらしい。漱石は松山で出会った高浜虚子に誘われて俳句や文学の道に進んだと言われている。
「坊っちゃん」が発表されて、ちょうど100年を迎える。小説の舞台となった松山をはじめ、全国各地で記念イベントが行われている。
(2006.04.09掲載)
坊つちやん
(坊っちゃん から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/28 14:04 UTC 版)
『坊つちやん』(ぼっちゃん)は、夏目漱石による日本の中編小説。現代表記では『坊っちゃん』。
注釈
- ^ 「坊っちゃん」が物理学校卒業という設定になっているのは、漱石自身が同校の設立者(東京物理学校維持同盟員)である桜井房記・中村恭平と親交が深かったほかに、当時の一般的イメージとして物理学校出身教員が高い評判を得ていたことも関係していると考えられている[2]。
- ^ 正式には「東京市街鉄道」で、現在の都電の前身の一つとなった路面電車鉄道である。のち東京電車鉄道・東京電気鉄道と合併して東京鉄道となり、さらに東京市に買収されて東京市電と改称された。
- ^ 1977年の中村雅俊出演映画での名は近藤大介となっている。また大和田秀樹のコミカライズ『坊っちゃん♥』では、少なくとも姓は「多田野」である事が示唆されている。
- ^ 夏目漱石は、満仲の弟、満快の子孫。
- ^ 1873年-1938年、山口県湯野村(現周南市)出身。1893年12月柳井小学校高等科英語代用教員、1894年同志社普通学校(現同志社大学)卒業、1895年愛媛県尋常中学校、以後各地の中学校に勤務。
- ^ この三円は、清の分身だから「返す」のではなく「帰す」なのだというのが坊っちゃんの理屈である。このあたりについて詳しくは、参考文献の 山下浩 を参照。
- ^ 教科書等では「さっぱりしない」
- ^ これについて坊っちゃんは内心で「兄にしては感心なやり方だ」と評価して、礼を言ってもらっておいた。
- ^ 師範学校との乱闘を報じた新聞を「四国新聞」としているが、これは架空の新聞である。実際に香川県で発行されている四国新聞がこの名称になったのは、本作の発表から40年後の1946年であった。
出典
- ^ 新潮文庫のあらすじより
- ^ 馬場錬成『物理学校:近代史のなかの理科学生』(中公新書ラクレ、2006年)参照
- ^ “東京理科大学近代科学資料館が6月23日~8月10日まで企画展「『坊っちゃん』とその時代」を開催 -- 明治期の科学者と夏目漱石の交友を探る”. 大学プレスセンター (2016年6月18日). 2021年2月16日閲覧。
- ^ a b c 朝日新聞 1971年10月2日
- ^ 「新潮文庫」『坊っちゃん』8~10頁より。
- ^ 坊っちゃん自身も早く清に会いたくて下宿にも行かずに真っ直ぐ清の元に向かっており、「余り嬉しかったから、『もう田舎へは行かず、東京で清とうち(家)を持つんだ』と宣言している。(「新潮文庫」『坊っちゃん』131頁)
- ^ 夏目漱石「坊っちゃん」(明治39年発表)の文中に「…六月に兄は商業学校を卒業した。…」とある。「坊ちゃ... | レファレンス協同データベース
- ^ 近藤哲・著『漱石と會津っぽ・山嵐』歴史春秋社 1995年
- ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 11頁。
- ^ a b 企画展「『坊つちやん』に登場する赤シャツのモデル? 横地石太郎」 - 金沢ふるさと偉人館、2019年12月2日閲覧。
- ^ a b c d 漱石と明治人のことば54「(漱石は)誰とでも交際する人ではないが友情に厚い人だった - サライ.jp、2019年12月2日閲覧。
- ^ 『坊っちゃん』 偕成社文庫 解説 村松定孝 1988年
- ^ 安倍能成『我が生ひ立ち』
- ^ “漱石の自筆原稿『坊っちやん』における虚子の手入れ箇所の推定、ならびに考察”. www.hiroshiyamashita.com. 2021年7月31日閲覧。 “漱石が『坊っちやん』を書き始めたのは明治三十九年三月十五日、あるいは十七日頃で、「ホトヽギス」編集者の虚子が原稿を受け取ったのは三月二十五日頃と推定されている。つまり漱石は『坊っちやん』を十日足らずで書き上げたことになり”
- ^ a b c d e 渡部江里子「漱石の自筆原稿『坊っちやん』における虚子の手入れ箇所の推定、ならびに考察」『漱石雑誌小説復刻全集』三巻所収(リンク先は書誌学者山下浩のウェブサイト)
- ^ 河西喜治 『坊っちゃんとシュタイナー 隈本有尚とその時代』 ぱる出版、2000年、ISBN 4-89386-806-3
- ^ 『児童文学名作全集1』 福武文庫 あとがき
- ^ 「『坊つちやん』のこと」、『群像』2007年1月号。丸谷才一『星のあひびき』所収。
- ^ 番組表検索結果 | NHKクロニクル - NHKオンライン
- ^ “松下奈緒、二宮主演ドラマ『坊っちゃん』マドンナ役”. ORICON STYLE (2015年12月1日). 2015年12月2日閲覧。
- ^ “二宮和也で“坊っちゃん”!多くの名優演じたヤンチャ教師が蘇る”. SANSPO.COM (2015年8月4日). 2015年8月4日閲覧。
- ^ “正月じゃないとできない顔ぶれ!フジ系新春SPドラマ「坊っちゃん」”. SANSPO.COM (株式会社 産経デジタル). (2015年11月4日) 2015年11月4日閲覧。
- ^ “又吉直樹が夏目漱石役で出演 嵐・二宮主演ドラマ『坊っちゃん』”. ORICON STYLE (株式会社oricon ME). (2015年12月23日) 2015年12月23日閲覧。
- ^ 愛媛発地域ドラマ制作開始!題材はあの名作“くたばれ”坊っちゃん - NHKオンライン
- ^ 近藤浩一路 (1918). 漫画坊つちやん. 新潮社. NDLJP:1087976。
坊っちゃん
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「こころ オブ・ザ・デッド〜スーパー漱石大戦〜」の記事における「坊っちゃん」の解説
『坊つちやん』の主人公。江戸っ子であり唐変木だが真っ直ぐな性格。友人である山嵐の敵討ちのため、帝都にいる愛人を気遣うため、先生たちと行動を開始する。
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坊っちゃん
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本編の主人公。語り手で、一人称は地文では「おれ」。会話では他に「わたし」「ぼく」も使う。
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